■商品の価値の伝え方
今日のテーマは『商品のすごさをいかに上手く伝えるか?』ということにスポットを当てたいと思います。商売をする者にとっては永遠のテーマですね。
具体的にどのようなことかをご理解いただくために先ずは例を挙げてみましょう。別に商品は何でも良いのですが、今私は美味しいコーヒーを飲みながら仕事をしていますので、それを例にしてみましょう。読者の皆さんもコーヒーショップのオーナーさんになったつもりで考えてみてくださいね。
ここに、ある美味しいコーヒーがあるとします。しかし、そのコーヒーはまだ知名度も販売実績もなく、これから頑張って売っていく段階です。
オーナーである私はこのコーヒーにとことん惚れ込んでおり、『市場に出せば必ず売れるはず!』と自信を持っています。そんな自信のあるコーヒーの美味しさをいかに消費者に伝えるか?
以下の文章を読まずに、一度皆さんも考えてみてください。
簡単に言うと『消費者買ってもらえるように商品の良さをPRする』ということですが、実はこの作業はかなり難しいです。私は大手コンサルティング会社に在籍していた7年間を含め、かれこれ10年以上マーケティングコンサルタントをしていますが、正直今でも難しいです…。なぜ難しいのか??
それは、商品によって、「時流」、「価格(売価)」、「ターゲット」、「売り方(店舗販売か通販か?)」、「パッケージ」、「競合状況」、「消費者のニーズ」などなど…様々な要因が影響を与えるからです。とは言え、何度も何度も熟考を重ねるにつれ、何となくポイントを掴めてきます。
この問題の参考として、このように考えてみてはどうかという『考え方』を以下に記します。よろしければ皆さんのご商売のご参考にしてみて下さい。
【商品価値をいかに上手く消費者に伝えるか?その考え方(※自信のある美味しいコーヒーを例に)】
1)美味しいコーヒー
2)店長がおススメする美味しいコーヒー ・・・『人(店長)』がポイント
3)バイヤーが絶対の自信をもっておススメする美味しいコーヒー ・・・『人(バイヤー)』がポイント
4)南米コロンビアからバイヤーが直接仕入れた厳選豆使用の美味しいコーヒー ・・・『産地』と『仕入れ方法』と『人(バイヤー)』と『3要素の組み合わせ』がポイント
5)卸先の有名珈琲専門店のバリスタも舌を巻く!南米コロンビアから直接仕入れ”コクと深み”にこだわって厳選した豆を使用した美味しいコーヒー ・・・『卸実績』と『専門職バリスタ』と『産地』と『仕入れ方法』と『味』と『5要素の組み合わせ』がポイントがポイント
6)スターバックスも仕入れる!南米コロンビアの農家が現地で消費してしまう”幻の豆”を直接仕入れ&使用した美味しいコーヒー ・・・『ブランド(スターバックス)』と『産地』と『生産者(農家)』と『希少性』と『仕入れ方法』と『5要素の組み合わせ』がポイントがポイント
7)●●王室御用達!南米コロンビアの無農薬栽培農家が現地で消費してしまう”幻の豆”を直接仕入れ&使用した安全で美味しいコーヒー ・・・『ブランド(王室)』と『産地』と『生産者(農家)』と『栽培方法』と『希少性』と『仕入れ方法』と『安心・安全』と『7要素の組み合わせ』がポイントがポイント
いかがでしょうか?
勿論、上記の7個の伝え方は『100点満点の正解』ではありません。ここで注目していただきたいのは、『お店が商品を売ろうとする時に、買う側(=消費者)がその商品の何を見ているか?』ということです。
それは、『ブランド(知名度)』、『実績』、『味』、『価値』、『信頼性(第三者)』、『産地』、『希少性』、『栽培方法』、『安全性』、『これらの複数の組み合わせ』など、商品によって様々ですし、消費者によってその優先度もバラバラです。
ですので『正解は無い』と言うのです。
ただ、『100点満点の正解』でなくても『100点満点の正解に近い答え』というのは努力すれば身に付けられると思うのです。
また、これまでの流れからも分かる通り、現代のような成熟したマーケットで『普通のコーヒー』では勝負に打って出ることは出来ません。もし打って出るとしても、そこには『価格訴求』しかないでしょう。
自分が惚れ込んで絶対の自信を持って市場に出そうとする商品が『価格』だけで判断されてしまうことほど寂しいことはありませんね…。『普通の安いコーヒーとの差別化要素=独自固有性』がどこにあるのか?を明確に伝える必要があります。
その際、『消費者に共感』してもらえるように『分かりやすく』、『具体的に』訴求する必要があるのです。