新年だからこそ改めて見直すべきこと

出口 康介

今日のテーマは『販売するための基本設計』というお話しです。

『なぜ売上が上がらないんだろう…?』
『月商500万円までは何とかいけるんだけどそれ以降が伸びない…』

そのようなお悩みをお持ちのEC事業者さんは多いと思います。知識や経験不足だったり、ECサイトをOPENさせて間もなくで何も出来ていなかったり、そこそこの運営が出来るようになったけど忙しくて手が回らなかったり…。

その理由は様々だと思いますが、実は『販売するための基本設計が上手く出来ていない』という理由で売上が上がっていないケースがあります。

売れている仲間に話を聞いたりセミナーや本などで勉強している方ほど、この傾向が強いように思います。広告を出した方が良い、SEO対策をしっかりしないといけない、TOPページや商品ページの見せ方を工夫しなければならない、云々…。

これらの施策は間違いなく全て正しく、必要なことではありますが、あくまでテクニック論なのです。『テクニックを活かすための基本』が出来ていないとこれらのテクニックも活きてきません。

ここで言う『販売するための基本設計』とは、具体的に申し上げると『購入してくれる可能性がある見込客がサイトに入ってきて購入するまでの流れ』ということになります。これが上手く設計されているか否かで勝負が決まります。

 ①誰がこのサイトを見るのか?
  ⇒閲覧者(必ずしも閲覧者=ターゲットではない)

 ②誰が購入するのか?
  ⇒購入者(必ずしも購入者=ターゲットではない)

 ③誰が使う(食べる)のか?
  ⇒使用者(利用者)

 ④どこから誘導(流入)してくるのか?
  ⇒流入経路(ウェブ広告、通常検索、ブログ、Facebook、紙広告、看板広告…)

 ⑤何を求めているのか?
  ⇒価格以外のニーズ

 ⑥どんなシーンで何を買うべきか?
  ⇒用途・利用シーン提案

 ⑦(⑤を踏まえて)何をどの順番で伝えるべきか?
  ⇒購入前の情報提供

 ⑧どの順番で買わせるか?
  ⇒リピートにつながる商品提案(例:先ずはお試しからなど)

 ⑨競合の同一商品との違いは何か?
  ⇒独自性、強み

 ⑩競合サイトではなく、このサイトで買わなければならない理由は?
  ⇒メリット、特典

『ただ商品を並べる』のではなく、『ターゲット』が『情報収集』して『購入を決めるまでの流れ』や『誘導ストーリー』がしっかりあって、それらがTOPページや商品ページに上手く展開されている必要があると思います。これらが誰が見ても納得のいくように、スムーズな流れで運営出来ていることが望ましいのです。

『サイトに入ってきた時から購入するまでのストーリーがキレイに描けているか?』 新年を機に今一度見直してみてはいかがでしょうか。


著者

出口 康介 (Koussuke Deguchi )

大手上場コンサルティング会社で7年に渡りメーカー、卸(問屋)、小売業まで、流通の商流全てのコンサルティングに従事。その後、EC総合支援ベンチャーを経て2013年に出口総合コンサルティングを立ち上げる。小手先のテクニックやノウハウではなく、中小・零細企業がWebを活用して永続的に売上アップを実現するための現場実行支援を得意とする。特に、ECショップ支援については、『商品』、『立地』、『客層』を重視して小売業のマーケティング原理・原則に則ったコンサルティングサービスをご提供しています。『ECの売上アップに必要なのは、集客でもデザインでも価格でもない。お客様をセグメントし、お客様が欲しい商品を、力相応に勝てる立地で、お客様の予算に合わせて売れる仕組みを作ることだ』をモットーとしています。

会社URL : http://ide-con.com/
メール : ideguchi@ide-con.com