時流は必ず進む

出口 康介

私はコンサルティングさせていただく企業様やセミナー・勉強会にご参加いただく企業様に必ず『時流適応』というお話しを必ずさせていただいております。これは私の古巣である船井総合研究所(経営コンサルティング会社)で学んだ考え方です。私のセミナーやBlogでは既に何度も登場しているキーワードですが、改めてお話しさせていただきます。

『時流適応』とは、『時間の経過と共に刻々と変化する世の中の流れ(=消費者のニーズ)にビジネスモデルや商品を合わせる』という意味です。『時流適応する』ことは、企業が存続し続ける上では避けて通ることは出来ません。その証拠に、身近な事例でご説明すると自動車や携帯電話はこれまで多くのモデルチェンジ(=時流適応)を繰り返してきました。そして今後もその流れは止まることはないでしょう。

よく考えると自動車や携帯電話に限らず、世の中に存在するありとあらゆる商品・サービスはモデルチェンジという時流適応を繰り返してきました。『なるほど…』と理解するのは簡単、言うのは簡単なのですが、いざ自分(自社)で実行するのは実は結構難しいのです…。なぜなら、人・モノ・金・情報(販売可能な価格に抑えるためのノウハウや技術)・時間などの全てが必要だからです。

つい先日、TOYOTA自動車が水素自動車を発表・リリースしましたが、競合のHONDAは来年、NISSANは再来年にリリースします。このように大企業でも対応スピードに『差』が生じていますし、それについていけない企業も出てきます。

自動車業界での『時流適応』では、環境への配慮(=世の中の流れ)からハイブリッドが生まれ、次は水素だというのです。おそらく、一番のTOYOTAは時流適応して、既に『水素の次』を検討・着手していることでしょうが、HONDAやNISSANを含め、その他の自動車メーカーはどうなっていくのでしょうか。最大手のTOYOTAと同じように時流適応し続けることが出来るかどうかが自動車業界で生き残れるか否かの鍵となることでしょう。

このように、時流は確かに次々と変化していきますので、企業自体もそれに伴ってどんどん変化せざるを得ません。そうしなければ企業として生き残っていくことは出来ないでしょう。

分かったようで分かっていない、出来ているようで出来ていない…。『時流適応』という発想をぜひもって、中長期的な経営戦略を練っていただきたいと思います。


著者

出口 康介 (Koussuke Deguchi )

大手上場コンサルティング会社で7年に渡りメーカー、卸(問屋)、小売業まで、流通の商流全てのコンサルティングに従事。その後、EC総合支援ベンチャーを経て2013年に出口総合コンサルティングを立ち上げる。小手先のテクニックやノウハウではなく、中小・零細企業がWebを活用して永続的に売上アップを実現するための現場実行支援を得意とする。特に、ECショップ支援については、『商品』、『立地』、『客層』を重視して小売業のマーケティング原理・原則に則ったコンサルティングサービスをご提供しています。『ECの売上アップに必要なのは、集客でもデザインでも価格でもない。お客様をセグメントし、お客様が欲しい商品を、力相応に勝てる立地で、お客様の予算に合わせて売れる仕組みを作ることだ』をモットーとしています。

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