購入につながる写真とは?データから見るECにおけるUGC活用
ECサイトの販売ページにおいて、どんな写真を使えば購入してもらいやすくなるのでしょうか?このところマーケティング業界で話題になっているUGC(ユーザーによって制作されたコンテンツ)の活用。一部の企業では、広告やECサイトでUGCを活用しはじめた一方で、実際のところ効果が良いのか、なぜ効果につながるのか、UGCといってもどんなものを使ったら良いのか、などはっきりしたことはまだわかっていません。
そこでRoomClip内の写真データを解析したところ、購入につながる写真のポイントが浮かび上がってきました。RoomClipでは部屋の写真を投稿する際に写っているものをアイテムタグとして登録することできます。閲覧者は部屋の写真を見ながらその写真に写っているものものをアイテムタグから購入することができます。本連載では、RoomClip内の300万枚の写真の中から、最もアイテムタグがクリックされた写真の特徴を考察し、購入につながるUGCの活用にせまりたいと思います。
2018年1月下旬 「これが欲しい!」とクリックされた写真
1位
憧れる部屋を構成しているアイテムが、欲しい。
海外インテリア系ホテルライクなお部屋の写真。この素敵な部屋を構成するアイテムの中で、特にポイントになっているのはここ3年間で一気に冬の憧れアイテムになった極太毛糸「チャンキーニット」で編まれたブランケットです。ベッドルームでのコーディネートが定番で、コミュニティ内で憧れのスタイルとして定着しています。そのトレンドを体現するような今回の写真は広く支持され、同時に多くの人の「欲しい」を呼び起こしたようです。
不安を解消する利用者とのコミュニケーションが、購入への後押し
憧れアイテムのチャンキーニット。しかしその反面、当初は個人輸入するしか入手方法がなく、さらにかなり高価でした。現在は楽天ショップなどで、比較的廉価で入手することができますが、そういった事情もあり「個人輸入されたのかな?」「値段も教えていただけますか?」など入手方法や価格についてのやり取りがたくさん発生しています。また「今すごく悩み中です。暖かいですか?」「カラーは何色ですか?」など使用感や見た目を確認するコメントもついていました。部屋の写真を確認しながら、実際の利用する人とのコミュニケーションが購入への後押しになっています。
2位
リアルな設置シーンでイメージがわく
シャンプーとコンディショナーを詰め替えて使うディスペンサーが主役の写真です。ポイントは、実際の利用シーンに設置されているところをおさめているところです。実際のECサイトではCGが使われていたり、背景が白く抜かれていたり、スタジオのセットで綺麗に照明をあてて撮影されたりと、実際の利用シーンとは異なる写真にする場合が多くみられます。ECでは実物を確認することができません。ですから、実際の利用シーンに設置された写真は、見る人にその商品を家で使うイメージを持ってもらうのに、重要なポイントになるようです。
目新しいものが誰かの部屋に導入されると、気になる。
インテリア暮らしのコミュニティにおいては、日常的に部屋写真をシェアしあっているため、部屋の中でよく使われている人気アイテムはブランドやどこで買えるかなど含め、知られています。逆に、見たことがないアイテムが誰かの部屋に導入されると、とっても気になり注目を集めます。そういう意味でもこのディスペンサーはアテンションを集めたようです。
3位
「これ悩んでた」を解決したアイテムは、欲しくなる
整理収納はインテリア暮らしのコミュニティにおいて、重要な関心事です。日々の暮らしの中で、ここなんとかしたいんだけど、でもどうしていいかわからないから放置している、という箇所が誰しもあるのではないでしょうか。例えば、ゴミ袋など袋類の収納。今回の写真は、まさにその問題に対しての解決方法を提示しており、そのことがクリックを集めたようです。
いつも目にしている構図が、アクションをおこさせる
引き出しの中に綺麗に収まった袋類の収納ボックスが写っているこの写真。毎日の暮らしの中で、引き出しの中を見ている人にとって、この引き出しを開けた様子を切り取ったこの構図は、とてもイメージし易いものになっています。うちの引き出しもこういう風にできる、という具体的な実現をイメージさせたことがクリックにつながったのではないでしょうか。
ポイントはリアルな生活者の「憧れ」や「悩み」を捉えること
UGCは、同じ立場の生活者が作ったコンテンツです。だからこそ、同じ目線での「憧れ」や「悩み」が自然と写真に映りこんでいきます。結果としてそれを構成している要素としてのアイテムが気になり、欲しくなる、という流れがみてとれました。
いかがでしたか?
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