コロナウィルスによるイギリス食料品EC市場の動き

早川 豪

世界中でコロナウィルスが猛威を奮っており、様々な分野に大きな影響を及ぼしています。これまで感染者数や死亡者数が多かった国に関しては少しずつ状況が改善しており、これからはコロナウィルスを防ぎながら経済活動を少しずつ回復していく動きが見られています。

この記事では、コロナウィルスが猛威を奮ったイギリスにおける現在の状況とECサイトにおける関係性を解説いたします。

イギリスにおける食料品のEC市場の成長

イギリスの食料品におけるEC市場は、昨年2019年の145億ユーロから192億ユーロへ増加すると予測されています。2019年のイギリスの食料品EC市場は前年比2.9パーセントの成長という歴史的な低さに終わりました。

2020年は、昨年と比べて33パーセントの成長が見込まれています。さらに、2024年までには約205億ユーロの市場規模へと発展することが予測されており、これは今後5年間で41%も成長することを意味しています。

オンラインストアの利用が変わる

イギリスのMintel社によると、Covid-19によるロックダウンの影響でイギリスにおけるオンラインショッピングの利用が増えると述べています。4月16日から23日の間に実施された研究によると、オンラインストアの利用を増加させたと言う消費者の数が 36% 増加したようです。

また、同じ調査では、イギリス人の半数が実店舗の店内で過ごす時間を制限しようとしていることが明らかになっています。さらに9%がクリックアンドコレクトをより多く利用しているようです。

"買い物客は店舗をの利用を避け、外との接触を制限しようとしているため、パンデミックはオンラインの食料品サービスに短期的に大きな後押しを与えている。その影響は今後も続くだろう」と、MIntel社の小売リサーチ担当アソシエイト・ディレクター、ニック・キャロル氏は述べています。

さらに、ニック・キャロル氏によると、コロナウイルスの発生がイギリスにおける食料品のEC市場に新たな顧客をもたらしていると考えており、次のようにコメントしています。「COVID-19の影響により、2024年までの力強い成長が予測され、食料品EC市場は長期的に押し上げられるはずです。現在、食料品のEC市場には大きな混乱があり、一部の小売業者は新規顧客を受け入れていませんが、オンライン化が進めば、短期的には緩和されるでしょう」

65歳以上の37%がオンラインストアでの利用を増やしている

MIntel社の調査によると、65歳以上のイギリス人のインターネットユーザーの37%が、コロナウィルスの流行が始まってからオンラインでの購入量を増やしたことも明らかになっています。コロナウィルス前は、オンラインストアの利用していた65歳以上の年齢層のうち28%にとどまっていたようです。

「以前はオンラインでの食料品購入から遠ざかっていた古い世代は、事実上、社会的な距離感(ソーシャルシスタンシング)の対策に直面して、これまで習慣を変更することを余儀なくされている。65歳以上の年齢層のオンラインでの食料品購入機会は増加しているが、現実には、高齢者層のかなりの数の消費者がオンラインでの食料品の購入の経験がない」とニック・キャロル氏は説明している。

この記事では、イギリスにおける食料品EC事情を解説しました。日本でもコロナウィルスに伴う外出自粛やソーシャルディスタンシングの対策により、食品のお取り寄せやデリバリーの需要も高まっています。

イギリスと同様に日本でも今後食料品におけるEC事情に大きな変化が生じるものと予想されます。

*本記事は、Ecommerce News europeの”UK online grocery will grow 33%”を翻訳・解説したものとなります。


著者

早川 豪 (Goh Hayakawa)

Grande(グランデ)代表
1986年生まれ、東京都出身。

越境ECコンサルタントとして活動中。2010年から現在に至るまでeBay、Amazon、Shopeeでの輸出業務に個人として取り組み、コンサルタントとしては、これまでに約30社をサポート。

2017年からは、カナダ・オタワ発のEコマースプラットフォーム「Shopify」の運用・構築を開始。ShopifyにおけるSNSマーケティングやSEO対策、商品ページカスタマイズ、アプリ選定なども得意とする。

また、イタリア・ミラノに在住した経験を生かしてイタリアを含めたヨーロッパにおけるマーケティング活動や市場調査、同行通訳・翻訳業務などもサポートしている。

HP:https://grandejpn.com/
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