【2022年の単品通販(D2C)トレンド】消費者の不信感が高まる中、どのように定期コース(サブスク)に誘導すべき?

加藤公一レオ

こんにちは。『売れるネット広告社』 代表取締役社長 CEO 加藤公一レオです。

近年増えている単品通販(D2C)に関する消費者トラブルの中でも、特に多いのが定期コース(サブスク)に関するトラブルである。2021年版の「消費者白書」によると、2020年に全国の消費生活センター等に寄せられた定期コース(サブスク)に関する消費者からの相談は約6万件にのぼり、過去最多となっている!

そのような影響もあり、ネットユーザーのあいだで定期コース(サブスク)に対する不信感や嫌悪感が広がっている。一方、定期コース(サブスク)そのものは、単品通販(D2C)ビジネスの売上と利益を最大化するうえで不可欠な仕組みだ。

消費者心理が変化する中で、どのように定期コース(サブスク)を訴求すればいいのか、悩む単品通販(D2C)関係者も多いと思う。そこで、定期コース(サブスク)に関連する2022年のトレンドや、今、単品通販(D2C)会社に求められている対策についてお話しする。

単品通販(D2C)は「定期コース(サブスク)ありき」のビジネス

単品通販(D2C)というのは、1 人のお客様により長く・より多く買ってもらうことで売上と利益を最大化するビジネスモデルである。実際に、売上100億円を超えて大成功している単品通販(D2C)会社は、例外なく次の“3高ルール”を実践して“儲かる仕組み”を構築している。

「ルール1:高いレスポンス」「ルール2:高い引上」「ルール3:高いクロスセル」、これら3つのステップを繰り返し実行することが、単品通販(D2C)の売上と利益の最大化につながるのだ。

したがって、単品通販(D2C)ビジネスで大成功するためには、1人でも多くのお客様を定期コース(サブスク)に誘導してできるだけ長く継続してもらい、かつほかの商品の定期コース(サブスク)にも申込んでもらい“優良客”にする仕組みをうまく回していく必要がある。

単品通販(D2C)というのは、「定期コース(サブスク)ありき」のビジネスなのである!

定期コース(サブスク)に関する相談は6万件で過去最多

前述の通り、単品通販(D2C)は、定期コース(サブスク)ありきの中長期的視点のビジネスモデルである。私自身も、クライアントのコンサルティングやセミナーでは、常に「定期(サブスク)を前提に考えてください!」と言ってきた。

ただし、定期コース(サブスク)への誘導は、お客様に対して「定期コース(サブスク)である」ことを示し、あくまでもフェアに行う必要がある。ところが近年、手っ取り早く稼ごうと、一部の悪質な単品通販(D2C)会社は、定期コース(サブスク)の仕組みを悪用して、以下のような“詐欺的”なビジネスを行ってきた。

・「お試し」と謳いながら、そうとはわからないように定期コース(サブスク)に申込ませる。
・契約内容や条件などの表示が極端に小さい文字で記載されていたり、ページ内の見つけにくい場所にあるリンク先でないと確認できなかったりする。
・2回目の商品が送られてきたユーザーが定期コース(サブスク)になっていると気づき、解約を申し出ると違約金や解約料を請求される。
・「いつでも解約できる」と謳っているのに電話がつながらず解約できない。

政府が閣議決定した2021年版の「消費者白書」によると、2020年中に全国の消費生活センター等に寄せられた消費者からの相談件数は約93万4000件。総数では2019年に比べ約6000件減少したが、定期コース(サブスク)に関する相談が約6万件にのぼり、過去最多を記録したという。

念のためにことわっておくが、全国の消費生活センターに寄せられる相談は、通販に限っているわけではなく、実店舗などで購入した商品やサービスも対象となっている。商品カテゴリー別にみると、定期コース(サブスク)に関する相談6万件のうち、健康食品と化粧品が9割以上を占めており、いかに単品通販(D2C)の定期コース(サブスク)に関するトラブルが多いかがわかるだろう。

1年間で6万件という相談件数にも表れている通り、日本全国で単品通販(D2C)、特に“詐欺”に近いような定期コース(サブスク)が大きな問題になっているのである!

「定期コース」という名称自体のイメージが急激に悪化

こうしたことから、最近ではネットユーザーの定期コース(サブスク)そのものへの不信感や嫌悪感が急激に高まっている。

いくら法律やガイドラインを順守している善良な単品通販(D2C)会社であっても、「定期コース(サブスク)」というだけで、お客様に次のような疑念を持たれてしまうのだ。

・回数縛りや違約金、解約料など、何か裏があるのではないか。
・解約したくても電話がつながらず、解約できないのではないか。
・解約を申し出ても、何かと理由をつけて解約を阻止されるのではないか。

…などなど。

最近では、回数縛りのない定期コース(サブスク)も増えてきてはいるものの、「定期コース=縛り」というイメージが染みついてしまっているだけでなく、「定期コース」という名称そのもののイメージが悪くなってしまっている。

単品通販(D2C)の売上と利益を最大化するために、世の中の単品通販(D2C)会社は、今後も適正な方法で1人でも多くの定期(サブスク)ユーザーの獲得に努めるべきだ。それ自体は間違いない。

ところが、「定期コース」という言葉そのものがなかば“詐欺”のような悪いイメージになってしまっているため、単品通販(D2C)会社は、「定期コース」にかわる新たな名称を模索すべき時期がきている!

【A/Bテスト】で「定期コース」にかわる新たな名称を

「定期コース」にかわる新たな名称として、例えば下記のようなものが考えられる。

【「定期コース」にかわる名称一例】
・○○目標コース        
・プレミアム会員        
・ラクトクコース
・らくらく習慣化プログラム  
・まいにち○○便
・リピート割コース

これらはあくまでも一例だ。世の中の単品通販(D2C)会社は、自社の商品やユーザーの特性に合わせて、新たな名称の候補を複数出し、それらの候補で【A/Bテスト】を行い、「定期コース」にかわる最適な名称を見出してほしい!

定期コース(サブスク)トラブルが低価格モニターにも影響

消費者トラブルが急増し、単品通販(D2C)の定期コース(サブスク)に対するイメージが急速に悪化したことは、低価格モニターに対する反応にも影響を及ぼしている。

『売れるネット広告社』では、新規のお客様にいきなり本商品の定期コース(サブスク)をオファーする「ワンステップマーケティング」ではなく、ネット広告から誘導するランディングページでは「無料モニター」や「100円モニター」をフックに“見込客”を集めることに集中し、その後アップセルや引上で本商品の定期コース(サブスク)に誘導するという『ツーステップマーケティング』を提唱してきた。

なぜなら、『ツーステップマーケティング』は入口のハードルが低いため、圧倒的に多くの“見込客”が集まる結果、コンバージョン率はもちろん、CPOで見ても「ワンステップマーケティング」に比べはるかに良い結果になるからだ。『ツーステップマーケティング』の場合、1度モニターで商品の良さを実感してから本商品の定期コース(サブスク)に申込むため、継続率が高くLTVが最大化するというメリットもある!

低価格モニターへの不信感が増大

こうした『ツーステップマーケティング』の優位性は揺らいでいないものの、定期コース(サブスク)にまつわる消費者トラブルが続出した結果、最近はモニター商品への反応に変化が見られるようになっている。

『ツーステップマーケティング』の場合、アップセルページでお客様が自ら本商品の定期コース(サブスク)を申込まない限り定期コース(サブスク)になることはない。しかし、初回価格を90%オフの500円など極端に安く設定し、低価格のモニターを装って定期コース(サブスク)に申込ませる手法が流行したため、「100円」や「500円」「1000円」といった低価格モニターに対し、ユーザーが不信感を抱くようになってきている。

たとえまったく裏のない純粋な“モニター”や“お試し”のオファーであっても、“低価格有料”というだけで、「知らないうちに定期コース(サブスク)になっているのでは」「勝手に定期コース(サブスク)になっていて、解約しようとすると違約金を請求されるのでは」と勘繰られてしまうのである!

会社の規模を問わずCPO効率が良いのは『無料お試しモニター』

以前、『売れるネット広告社』では、過去のクライアント実績から、「無料モニター」あるいは「100円モニター」をおすすめしてきた。CPOで見ると、大手の単品通販(D2C)会社の場合は「無料モニター」が最も効率が良く、中小の単品通販(D2C)会社の場合は「100円モニター」が最も効率が良かったためである。

ところが、最近は「100円」や「500円」といった低価格モニターに対する不信感が高まっているため、従来は「100円モニター」のほうが効率が良かった中小の単品通販(D2C)会社でも、「無料モニター」のほうがCPO効率が良くなるという傾向が出てきている。

したがって、現在「100円モニター」や「500円モニター」といった低価格モニターを入口として『ツーステップマーケティング』を行っている単品通販(D2C)会社は、「無料モニター」に切り替えることでCPO効率が改善する可能性がある。さらに、定期コース(サブスク)ではないことを強調するために『無料お試しモニター』という名称にすると、さらにコンバージョン率が上がる!

『ツーステップマーケティング』をやっている単品通販(D2C)会社は、必ず「無料お試しモニター VS 100円モニター」「無料お試しモニター VS 500円モニター」といった【A/Bテスト】をやってみるべきだ。たとえ過去に同じような【A/Bテスト】をやっていたとしても、昨今の消費者心理の変化により、結果が変わる可能性は十分にある!

オファー名称やモニター商品価格で差別化を

今回お伝えした2つのトレンドをまとめると、一部の悪質な単品通販(D2C)会社が原因の定期コース(サブスク)トラブルにより、「定期コース」という名称そのものや、定期コース(サブスク)を想起させる低価格モニターに対する消費者の印象が急激に悪化している。

問題は、善良な単品通販(D2C)会社がまっとうな形で定期コース(サブスク)や低価格モニターを訴求していたとしても、消費者には悪質な単品通販(D2C)会社と善良な単品通販(D2C)会社の見分けがつきにくいということである!

一部の悪質な単品通販(D2C)会社との差別化を図るためにも、世の中のまっとうな単品通販(D2C)会社は、オファーの名称や価格を変更して、「当社は“詐欺”のような定期コース(サブスク)への誘導はしていません」ということをわかりやすく伝える必要がある。

ネット広告からの新規獲得や、定期コース(サブスク)へのアップセル・引上が難しくなってきていると感じている単品通販(D2C)の方は、すぐにでもオファー名称やモニター価格の【A/Bテスト】をやって、改善に向けて取り組んでほしい。


著者

加藤公一レオ

1975年ブラジル・サンパウロ生まれ、アメリカ・ロサンゼルス育ち。
西南学院大学経済学部卒業後、三菱商事株式会社に入社。その後、Havas Worldwide Tokyo、株式会社ADKホールディングスにて、一貫してネットビジネスを軸としたダイレクトマーケティングに従事し、担当した全てのクライアントのネット広告を大成功させる。
その実践経験とノウハウをもとに、ネット広告のレスポンスを確実にアップさせてしまうため、クライアント企業から『レスポンスの魔術師』との異名をとる。
「やずやベストパートナー賞」受賞。「Webクリエーション・アウォード Web人貢献賞」受賞。「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー ジャパン九州地区」受賞。
広告・マーケティング業界のオリンピック「アドテック」で3年連続人気スピーカー1位。
「全日本DM大賞最終審査員」や「米国 International ECHO Awards審査員」、「九州インターネット広告協会の初代会長」も務めた。著書に『単品通販“売れる”インターネット広告』(日本文芸社)、『100%確実に売上がアップする最強の仕組み』(ダイヤモンド社)、『伝説のEC猫レオレオ 売れるネットショップ繁盛記』(impress Digital Books)。
単品通販(D2C)のネット広告の費用対効果を最大化するクラウドサービス『売れるネット広告つくーる』を監修。

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