【特別対談 第2回】 鈴木(スズタク)✕クリックコンサルティング高瀬氏
【特別対談 第1回】 鈴木(スズタク)✕クリックコンサルティング高瀬氏✕ユニイク永井氏✕TOS田中氏
→ http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=4651
前回に引き続きと高瀬先生に、競争が激しいネット通販業界で、売上を安定させることが出来るのか!?Face to Faceの向こう側についてお伺いをいたしました。
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スズタク
具体的に、ショップの規模に応じたFaceToFaceの接客にはどのようなものがありますか?
Face to Face のコミュニケーションとは?
高瀬氏
第1回の例で話したように( http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=4651 )、規模がまだ小さいお店はメルマガではなく、文通のようなメールのやり取り、例えば担当者とお客様が同年代であることが分かれば料理の話や家族の話、お子様がいらっしゃることが分かれば子どもの運動会の話などをメールの文章に織り交ぜて会話をしていきます。もちろん、商品への的確なアドバイスがメインですが。
スズタク
子どもの話まで話題に出せる距離感ですか!?
高瀬氏
また、あるアクセサリーのお店では、メールではなくお手紙に注力をしています。商品と一緒に手書きのお手紙を入れるというのはまだ売上件数が少ないお店は対応されていることも比較的多いと思いますが、このお店ではそこから一歩踏み込んで、お客様の購入履歴を必ず確認して、それぞれのお客様に合った内容を書いています。
例えば、はじめて購入された方には「はじめまして。この度は数あるお店の中から○○をお選びいただきありがとうございます。」また、複数回購入されているお客様の場合、そのお客様の購入履歴を確認し、「以前購入された○○はいかがですか?」や「以前購入された○○と今回購入いただいた○○を組み合わせて使うと・・・」などとコーディネートのアドバイスをしたりします。
スズタク
ECってお客さまが目の前にいないじゃないですか、いないというよりも見えないと言ったほうがいいのかな? そのお客さまに対して商品などの情報を細かく出してあげるサイトを作るというよりも、心の距離感を縮めるような努力が大切ということですか?
高瀬氏
もちろん商品情報を詳細に分かりやすくページを作るというのは必須です。そこにプラスして心の距離感を縮めることが差別化につながると思います。上記のお店のような対応は戸惑われる人もいるのでは?と思います。私がお客さんの立場なら、ネット通販でそこまで自分のことを覚えられているものちょっと怖い・・・という気になってしまうのですが、そのアクセサリー店のレビューには「手書きのメッセージが嬉しかった」というコメントが非常に多いです。本当に多い!
スズタク
リアルのお買い物って、お店がオープンしている時間に商品を見に行かなくてはいけないし、店員さんに接客を受けたくない人もいると思うんですよね。一人で商品を見て決めたいとか、、、それが、ECは20時間365日好きな時間に、好きな商品を見て回れて、買い物ができる。そんなお気軽にお買い物できる場所だと思うんです。その環境でお買い物をするお客さまに対して、あえてコミュニケーションを構築するような事はリスクではないでしょうか?
高瀬氏
おそらくそれも、そのお店がお客様の設定(いわゆるペルソナ)をしっかりできているからだと思います。手紙をみて喜んでくれたり、ホッとしてくれるようなお客様が対象なのでしょうね。例えば、ニッチな商品・嗜好性の高い商品だと、お客様の周囲にその商品について詳しい人が少ないことがあります。その場合、お客様がいくら良いものを持っていたとしても周りの人にはその良さを分かってもらうのは難しいですよね。
でも人には「分かって欲しい」「褒めて欲しい」という欲求は必ずあります。その欲求を満たす役割をこのお店のスタッフが担っているという状況です。先にお伝えした、文通のようなメールのやり取りをするようなお店でも、自社のお店のお客様像というのが明確にあるので、ブレずに話を広げやすいというところがあると思います。
スズタク
顧客の設定をしっかりとすることと、そのお客様に合わせたコミュニケーションを取ることが重要なんですね。ただこの例だと、厳密にFaceToFace(顔と顔を合わせて、)とは言いがたいと思うのですが。
高瀬氏
そうですね。確かに実際に合ってお話をしているわけではないのでFaceToFaceとは言い切れないですね。ただ、会わなくても会っている以上に相手の事が伝わりやすいのがネットの世界だと思います。相手の顔や姿形が目に見えないからこそその人の本質が良くも悪くも伝わってしまうと思います。そんなネット上でのつながりやコミュニケーションができればリアルよりも強い信頼が生まれるかもしれませんね。
スズタク
自社のことを知っているからこそできることなのですね! しかし、挙げていただいた例ですと、売上規模が大きくなると対応するのが難しいのではないかと思います。売上が拡大していった場合、どのようにしてお客様とのFaceToFaceのコミュニケーションを図ったらいいのでしょうか?
高瀬氏
そうですね。規模が大きくなると全てのお客様にきめ細かく文通をしたり、お手紙を出すことも難しくなるかもしれません。また、自分たちの顧客に合わないというお店もあるでしょう。そういうお店の場合は、実際に数多くのお客様を集められる会を開いたり、自分たちの想いが伝わるような新聞やノベルティグッズを作って配布されたりするケースも多いです。
数多くのお客様を集める会というのは、お店それぞれですが、食品のお店であればお食事会を開いたり、農作業体験をしたり、化粧品のお店であれば、化粧品の使い方・お肌のお手入れの仕方をレクチャーする会を開いたり、ファッションのお店ではシーズンに先駆けたオーダー会を開いたりといった感じです。
また単純に懇親や感謝のイベントとしてボーリング大会や忘年会・クリスマスパーティーを開いたりするお店もあります。それらのイベントの中にそのショップらしさ、そのお店の商品やスタッフのことを分かってもらえるような催しがあるといいですよね。たとえばスタッフ・お客様を含めたクイズや◯×ゲームなども単純ですが意外と盛り上がったりします。
ノベルティグッズというのもそのお店それぞれです。自分たちの想いを載せたカレンダーを配布したり、限定の商品をお歳暮としてお手紙と一緒に配布したりされるお店もあります。
また、暑中見舞いやクリスマスカード・年賀状をこまめに送っているお店もあります。もちろん単なる挨拶だけでなく、スタッフの様 子が分かる写真や1年の抱負を載せて。
(※一部モールでは直接の手紙・DMなどのやり取りが禁止されているところもありますのでモールの規定に従う必要はあります。)
毎回の購入のお手紙は大変でも年に2回程度なら規模の大きなお店でも取り入れやすいと思います。全く難しいことではなく普段私たちが友人とやり取りしているような内容ですね。ただその中に、自社のショップらしさをどのように盛り込むかというところが重要だと思います。
スズタク
高瀬さんありがとうございました。ではこのようなFaceToFaceの取り組みが売上・利益の拡大どれくらい影響を及ぼすのか?ということを伺いたいのですが・・・おっと、今日も話が盛り上がって長くなってしまいましたね!続きが聞けなくて残念。。また次回の楽しみにとっておきますか!
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クリックコンサルティング 高瀬 圭代 (著)
“現場のプロがやさしく書いたネットショップ運営の教科書”
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【対談企業】
高瀬氏(クリックコンサルテング(株)) http://click-consul.com/
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