【特別対談 第1回】 鈴木(スズタク)✕クリックコンサルティング高瀬氏✕ユニイク永井氏✕TOS田中氏

鈴木 拓郎

【特別対談 第2回】 鈴木(スズタク)✕クリックコンサルティング高瀬氏
→ http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=4811

高瀬氏と私は楽天市場時代のECCの同僚であり、インタビューには私が楽天市場名古屋支社ECコンサルタント時代の旧友永井氏(株式会社ユニイク代表) とTOS田中氏(某外資系消費財メーカーEC担当)も参加、同窓会のような雰囲気のなか、ネット通販に関わってきたメンバーがガチで話し合いをする白熱した場となった。
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スズタク
カヨ先生こんにちは。今日はよろしくお願いします。

高瀬氏
どうもー。何聞かれるんやろ。ドキドキするわー。

永井氏
本を出版されたということで、おめでとうございます!

TOS氏
本、拝見しました。立ち読みなんですけどね・・・。僕も某メーカーでEC責任者をすることになったんだけど、コンサルというよりも運営する立場なので色々勉強させてもらいます。

高瀬氏
執筆・編集にだいぶ時間をかけてしまったのですが、ネットの業界ってスピードが凄く早いので、新しい業界の動きを取り入れたり、逆に動きの早い業界でも本質の部分はしっかりと整理して、より分かりやすいように調整してきました。出版にあたってサポートしてくれた、編集者の方にはホント感謝しています。


スズタク
僕も本を拝読して、すごく内容が整理され、そして何もECの知識がない人でもやさしく書かれているなと思いました。しかし、巷には様々な「ネットショップで売れる」系の本が売られていて、何が本当に売れるのか? ネットショップ運営には何が大切なのか? 今日は、もうすこし踏み込んで、聞いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。


高瀬氏
拓ちゃん、めずらしく真面目ですね。

スズタク
はい。今日は本気です!・・・では、

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本日のお題:売れるネットショップに必要なこと

スズタク
ここ十数年、急成長をし続けているネット通販市場ですが、その市場の裏では、成功した企業だけではなく失敗した企業も多いですよね。また、資本力のある大手企業のネット通販事業が売れず、撤退に陥り小規模資本の個人事業であってもネット通販で大きな利益を上げている企業の話も聞きます。成功する・しないの違いの差は、一体何でしょう?

高瀬氏
たしかに急成長市場の裏には、多くの失敗事例もあります。そして急成長を支える成功事例も見てきました。一概には言えませんが、成長をするネットショップには下記のような共通点があると私は考えています。それは、

その1:お客様と社内のコミュニケーションが円滑であること。
その2:基本に忠実であること。
その3:全員が共通する明確な目標があること。
特に中小企業で成長し続けているネットショップはお客様とのFace to Faceを重要視するお店が増えているように思います。

この3つはどれもネットショップに限ったことではなく、どんな商いをする企業においても重要なことだと思いますが、ブレイクダウンしていくとネットショップならではのポイントがあります。


スズタク
高瀬さんがおっしゃっている、“Face to Face”のイメージとは楽天市場で言っている【究極の対面販売】ということですか?

高瀬氏
似た部分もあるかもしれないけれども、私としてはもっと広い意味でお客様とのコミュニケーションを大切にし、自らが単なる小売ではなく「サービス業」であるという意識の高いお店です。

あるお店の例を上げると
 (1)お客様の名前や嗜好を覚える。
 (2)電話がかかってきたら、声だけでお客様が誰なのか分かる。
 (3)ネットの注文なのに、自ら届けるイベントを開催する。
こんな感じです。

TOS氏
すごいポスピタリティーだね。

スズタク
たしかにオモテナシというか、リアル店と変わらない接し方ですね、でもネットショップって、注文時間は24時間可能で、多くの注文処理も数人で行えるほどシステムが整っているからこそ、売上や利益の拡大ができるはずです。お客様の名前を、ECスタッフが覚え続けることは現実的でしょうか?

永井氏
スズタクが言うとおり、人間が覚えるには限界があるよね。売上や会社の規模によって手段を変える必要があると思う。

高瀬氏
そうですね。ポイントは規模だと思います。成長規模によってどんなコミュニケーション手段をとっていくかが重要だと考えています。例えば、ネットショップを立ち上げたばかりの初期は細かいコミュニケーション。先に言ったリアル店舗の延長のような事です。
しかし、徐々に環境がかわります。例えば、リピーターが増え、注文件数が増えてくると人力では限界が来るので文通の様な内容だったメールのやりとりから、もうすこし幅をもたせたメルマガに変わっていったり、イベントを開催したりしていきます。大切なのは、お客様との心の距離を近く保つ努力をするということだと思います。


スズタク
なるほど、店舗の規模に応じたコミュニケーション手法を考えるということですね。それでは、第1回はこの辺で。次回をお楽しみに!

−−−−次回予告−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
競争が激しいネット通販業界で、売上を安定させることが出来るのか!?
Face to Faceの向こう側について高瀬先生にうかがいます。乞うご期待!

【紹介著書】
“現場のプロがやさしく書いたネットショップ運営の教科書”
http://www.amazon.co.jp/dp/4839951721

【対談企業】
永井氏(株式会社ユニイク代表) http://uniek-jp.com/
高瀬氏(クリックコンサルテング㈱) http://click-consul.com/


著者

鈴木 拓郎 (Takuro Suzuki )

原宿竹下通りの露天商、衣類雑貨の製造管理、独学でECショップを立ち上げと運営。楽天㈱に入社後は楽天ECコンサルタント、事業戦略部に所属。楽天大学では”講師・オブ・ザ・イヤー”を3年連続受賞。その後、Googleでソリューション提案を経験後、現在は事業運営のサポートを行っている。

http://www.suzutaku.com/