実際どうだった? 中小企業の成功事例に学ぶ「インフルエンサーマーケ運用のコツ」《後編》

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有馬 笙太

こんにちは、株式会社WANDの有馬です。株式会社ファンコミュニケーションズの連結子会社で、SNSマーケティング支援と約30,000人のショート動画クリエイター向け企業案件プラットフォーム「LUMOS」を提供しています。

中小企業の成功事例に学ぶ「インフルエンサーマーケ運用のコツ」、前編では、大きな予算をかけなくても 「共感」と「信頼」を軸にしたインフルエンサー施策でしっかり成果を出した事例をご紹介しました。後編となる今回もインフルエンサーマーケティングで成果を出した企業の事例をもとに、運用のコツを学んでいきましょう!

●過去記事はこちら! 第1回第2回第3回第4回(前編)

バズに頼らず売上をあげた施策事例

SNSで商品が拡散され、広告とUGCの境界が曖昧になった今、インフルエンサーマーケティングは「感覚」や「バズ頼み」で行うものではなくなっています。特に競争が激しい市場や、BtoC施策に初挑戦する企業にとって重要なのは、一度の投稿で当てにいくことではなく、検証し、再現性を高めていく設計です。

今回は、広告運用を前提にインフルエンサーを活用したケースや、BtoC未経験から成果を出した事例をもとに、“成果につながるインフルエンサーマーケティングの考え方”を紐解いていきます。

◆事例1|主婦に人気のダイエット系商材

背景
●マーケティングに予算をかける競合が増えて競争が激化している
●市場シェアを伸ばすための新たな施策にチャレンジする必要がある

施策
●TikTokとInstagramでコスプレイヤーやライバー、エンタメ系など幅広いインフルエンサーを起用(広告運用を実施する前提のためあえて幅広く起用)
●インフルエンサーの投稿と、別途制作したクリエイティブを使用して広告運用

結果
●再生単価0.4円という低単価で100万再生を突破
●広告運用ではROAS 400%以上を達成

成功ポイント
●PR感を減らすために冒頭で商品紹介はせず、ダイエットネタのような広く関心を持たれる話題の中に自然な形で商品紹介を組み込んだことで、結果として再生数が大きく伸びた
●あえて幅広い層のインフルエンサーを起用して定量的にジャンルの相性を分析することで、2回目以降の施策にも活用できるデータが蓄積された
●インフルエンサーのジャンルや訴求だけでなく、広告用クリエイティブも顔出しあり/なしなど複数パターンを事前に制作しておくことで、効果の良いクリエイティブに予算を集中投下してROASを合わせることができた

◆事例2|健康志向のチョコレート

背景
●これまでBtoBがメインだったが、新たにBtoC商材での売上増加を目指している
●Web広告やSNS施策など、消費者向け施策での実績が少ない

施策
●Instagramでお得系や美容系などのアフィリエイトに強いインフルエンサーを起用
●ストーリーズとハイライトでの継続的な訴求を実施し、フォロワーへの購入意欲促進を図った

結果
●インフルエンサー1名で100件以上の購入を達成

成功ポイント
インフルエンサー限定LPを用意し、投稿ハードルを下げていた
●定期購入ではなく、買い切り型×50%オフという価格に変更し、購入が伸長しやすい設計にしていた
●弊社の抱えているダイエット・食品・お得系の実績が豊富なインフルエンサーを活用し、購入が大きく伸びる可能性の高いキャスティングをしていた

インフルエンサーマーケティング成功の秘訣

インフルエンサーマーケティング成功の秘訣

前編・後編で紹介してきた4社の事例を振り返ると、施策成功にはいくつかの重要なポイントがあることが分かります。
ここでは、中小企業がインフルエンサーマーケティングに取り組むうえで、特に重要な5つのポイントを整理します。

《1》フォロワー数ではなく「役割」で起用する
成功する企業は「認知拡大」「売上創出」「UGC獲得」など、施策の目的ごとに役割を明確に分け、その役割に適したインフルエンサーを起用しています。ナノ・マイクロインフルエンサー、エンタメ系、アフィリエイト特化型などを目的別に使い分けることで、無駄のない施策設計が可能になります。

重要なのは「誰に頼むか」ではなく、「何を担ってもらうか」から逆算する視点です。

《2》PR感を消す設計
PR投稿の回避傾向が強まった昨今では、あえて冒頭から商品を押し出すのではなく、日常の悩みやハウツー、あるあるネタといった文脈の中に、自然な形で商品を組み込むことも重要です。商品への興味関心が引きづらくなることを懸念される声も耳にしますが、再生回数が増加しやすくなることで、結果として商品の認知度も高まる場合が多くなってきています。

また、インフルエンサー自身の普段の投稿フォーマットやトーンを尊重することで、「広告」ではなく「体験談」として受け取られやすい投稿になっています。
成果を出すうえで、「広告として見せない工夫」は非常に重要なポイントです。

《3》施策を「単発投稿」で終わらせていない
成果を上げている企業ほど、インフルエンサー施策を一度きりの投稿で終わらせていません。投稿後のUGCをECサイトに掲載したり、広告素材として二次利用したり、次回施策のジャンル分析に活用するなど、次につながる設計がされています。

一度の施策で終わらせず、データや素材を蓄積していくことで、施策を重ねるほど成果が安定・伸長していきます。インフルエンサー施策を「資産」として捉えている点が、成功企業の共通項です。

《4》最初から「売りやすい条件」を整えている

アフィリエイトでは特に、条件設計が施策の成否を大きく分けます。インフルエンサー専用LPや特別価格、買い切り型、商品提供など、まずはインフルエンサーがアフィリエイトに取り組みやすい環境を用意しましょう。

提携インフルエンサー数の増加は、以下の3点が重要です。
・商品設計
・条件設計
・ジャンル傾向

《5》小さく試し、数字で判断している
成功事例に共通しているのは、最初から大規模に施策を行っていない点です。複数のインフルエンサーや訴求パターンを試し、再生数やCV、ROASといった数値をもとに冷静に評価しています。

感覚や印象ではなく、数字を根拠に次の打ち手を判断する。 「当てにいく」のではなく「見極めにいく」姿勢が、再現性の高い成果を生んでいます。

資産として積み上がるインフルエンサー施策設計

今回の事例から見えてきたのは、インフルエンサーマーケティングで成果を出す企業ほど、バズやフォロワー数に頼らず、目的・設計・検証を重要視しているという点です。

小さく試し、数字で判断し、成果を次の施策に活かす。こうした取り組みを継続することで、「一度きりの施策」ではなく、中長期で成果を生み出すマーケティングへと育てていくことができます。

次回はいよいよ最終回。インフルエンサー施策を一過性で終わらせず、継続的な成果につなげるための考え方と、今後注目すべきトレンドを解説します。


著者

有馬 笙太 (Shota Arima)

2021年株式会社ファンコミュニケーションズ入社。Bizdev職としてインフルエンサーマーケティングの事業立ち上げ、事業責任者としてクリエイター向けプラットフォーム事業の立ち上げに従事。2024年以降はグループ会社の株式会社WANDに兼務出向し、営業・マーケティング・オペレーションなど業務全般を担当。


株式会社ファンコミュニケーションズ
https://www.fancs.com/

株式会社WAND
https://thewand.jp/

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