プロじゃない人がEC向けのリスティング広告で成果を出すには? ~ その2

藤森 健

その1 ▶ http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=967
その3 ▶ http://ecnomikata.com/column/detail.php?id=1371

Monet!のヤフープロモーションデータ(11年12月1日~12年2月10日)

3つのポイント
①当初のディスプレイネットワーク配信は金の無駄。検索連動型広告で成果が出てから。
②順位が高ければいいものではない。コンバージョン率(CV率)が高ければ順位も高く、低ければ低くする。
③価格競争が起きる商品群なら広告文は1つでいい。 “順位が低くてクリック率が高い” のが費用対効果のいい広告。

・こんにちは。
4月に書いた “EC向けリスティング広告のコラム” の続編を望む声が多かったので第2弾を書きました。自社で業務用清掃用品ECサイト “Monet!” を運営していた際、客単価12500円でCPA(顧客獲得単価)が493円だったのですが “ありえない数値で捏造では?” との声も出たので証拠画像を添付します。

★当社では “EC専門のリスティング広告代行” を承っていますが、面談時に実際のデータをお見せすることも可能です(EC以外の問い合わせは全てお断りしております)。
http://site49953-1372650665.strikingly.com/#ec


本題に入りましょう。
・市販のリスティング本ではディスプレイネットワーク(DSN)などのコンテンツ広告の魅力についてよく書かれてますが、実際には効果は出しづらい傾向があります。検索連動型広告を満足に運営できないのに配信しても、まず結果は出ないでしょう。

当社でECを運営していた際も配信していませんでした。原則、検索連動型で成果を出してからやるのがいいと思います(ヤフーインタレストマッチも同様)。ECやソーシャルマーケティングの情報発信をする “はらちゃんサロン(http://synapse.am/contents/monthly/harachan)” というFBグループを運営してますが、そこでもDSNは後回しにするようにアドバイスしています。

・また、リスティング本には広告掲載順位を上げる方法などがよく書かれてますが、そもそもCV率が低いのに順位が高いと “クリックはよくされるけど注文に繋がらず、広告費がかかるだけ” の状態になります。

 “競合より安い・LPの出来がいい” などでCV率が高いなら順位を上にするのもありですが、低いなら低くしとくべきです。クリック単価も安く済みます。
 
 “CV率が1番高いサイトが1位に、3番目のサイトは3位に” 表示されるのが理想と思います。Monet!運営時も“CV率が低いのに順位を上げるために入札単価を上げる” ことはしませんでした。

・広告タイトルと広告文についても同様です。リスティング本ではクリック率の高い広告を見つけるため、1つの広告グループに2つ以上の広告を作成する “ABテスト” を推奨することが多いのですが、価格競争が起きる商品を扱うECならその必要はあまりありません。1つで十分です。

お客は安い店を探してるので、広告タイトルに “激安” の文字を入れればクリック率は上がります。広告文に“送料無料”を入れておけばなおいいですね。この2文字があれば後はこだわらなくていいでしょう。

トイレットペーパーを販売していた際のリスティング広告で、当初のクリック率は0.5%でしたが、“激安”を入れたところ2%まで上昇しました。入札単価は低めに抑えたのにです。

これなら入札単価が低く、順位が低くてもクリックされるので、広告費も安く済みます。クリック数が同じ2つの広告でも、1位表示でクリック率が低いものと4位表示でクリック率が高いものなら、後者の方が安く済むでしょう。“掲載順位は低いけどクリック率の高い広告” が費用対効果のいい広告なのです。

リスティング広告は他の広告よりも費用対効果が目に見えるため、 “無駄な広告費を減らす施策” が必要で、当社のノウハウにもそういう面が多々あります。Yさん・Gさんは嫌がるでしょうが(笑)、今後もそういうノウハウを書いていきたいと思います。


著者

藤森 健 (Ken Fujimori)

福島県出身。両親の会社に10年間勤めた後、モネット (株)創業。
得意分野は  ①EC ②リスティング広告 ③経営
2010年に業務用清掃用品ECサイトを立ち上げ、1年で日本一に。
大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学 で、月1回のペースで
経営・EC・リスティング広告についてセミナー開催。
柔道2段。TOEIC670点。週末はヨガ三昧。

企業URL:http://monet-world.co.jp/