IROZAが東急、大和ハウス系と提携!変わる小売物流
IROZAのニッポン総オムニチャネル化計画!
株式会社IROYA(以下、IROZA)は、先ほど、記者会見を行い、オムニチャネル支援サービス「Monopos」の提供を開始すると、発表した。まさに、「Monopos」の提供に合わせる形で、それらを最大限生かすべく、東急電鉄、東急百貨店、大和ハウスグループのフレームワークスとの提携も発表し、全国にオムニチャネルを浸透させていく。
まず「Monopos」とは何だろう。一言でいうなれば、「ものの流れを楽にする」。クライアント(セレクトショップなど)の倉庫にものを入れる部分のケアから始まり、在庫を登録、商品発注、自社のECサイト、店頭、ポスレジに入れていく、決済、お客様に届いていくところまでをサポートする、一元的に管理していくシステムが「Monopos」だ。IROZAの代表取締役の大野敬太氏によれば、「店頭運営、膨大な人的リソースがかかっている。統合的な管理するシステムの構築は難しい。その解決策がモノポスだ」と話した。
東急と大和ハウスグループが注目したMonoposの中身
そもそもなぜIROZAがこうした取り組みをするのだろうか。IROZAは、色をテーマにアパレル、雑貨などを集積した商品ラインナップが特徴的なショップ『IROZA』を運営している。他とは違った切り口で、お客様に気づきを与え、目的買いとは違った形での購入シーンを提供しているECサイトであり、また、リアルな店舗も最近では展開しており、ここで扱う商品に関しては、すべてオムニチャネルに対応しているのだ。今回、それらのノウハウを結集して、「Monopos」を出したところに意味がある。
なぜ意味があるのかといえば、在庫管理システムの機能にしても、IROZAが実際にECサイトや小売をやりながら他にない独自の仕組みを作り上げてきており、例えば、1個のアイテムを登録すると、同時にリアル店舗とECサイトに在庫に反映されるシステムになっており、それらは実店舗においても、独自のバーコードを発行するなどして、効率よく管理販売できるような仕組みになっているのだ。結果、それは、在庫の消化率を向上させるなど、大いに成果を見せている。
「Monopos」を具体的に、いくつかの工程に分けて、説明していく。まずは「売上管理システム」だが、基本はiPhoneのアプリで提供する。これにより、今まで、ポスシステムを取れ入れられなかった店舗も手元のiPhoneでできるので、コストが大幅に削減でき、在庫統合も容易だ。「ECの仕組みそのもの」も提供するとしている。それにあたっては、IROZAが使ってきたテンプレートを提供し、各小売企業に使ってもらう、とした。IROZAが実際に、ECサイトを運営して、購入確率を高め、SEO対策ができてきた環境はそのままに、新規導入店舗が、それを最初から提供できるというのは、大きい。
顧客管理から、ウェブ接客までも、徹底。
そして、「顧客管理システム」で、会員管理も徹底できる。実店舗、ECサイト統合できていないところであっても、モノポスでは独自のIDを作成し、会員ごとに管理されたQRコードを使って、実店舗の人たちもその登録された会員を有効活用できるようにしていくとした。それらのデータベースを活用すれば、真に優良なお客様に対して、アプローチでき、例えば、そのお客様が実店舗が多いのか、ECサイトだけなのか、などで判別し、DM、メールマガジンなど適切なアプローチをしていく。
また、「ウェブ集客」においても、ウェブマーケティングで実績のあるVOYAGEと提携して、アフィリエイトサイトへの登録、運用していくほか、「決済」も後払い決済に一定のハードルがあるとして、与信管理をIROZAが行うとしていく。さらに、複数拠点を使った在庫の移動などもヤマト運輸とともに行っていく他、大和ハウス系の物流との提携をして、倉庫を借りることができ、フルフィルメントも備わることになるという。
システムだけではなく、東急などと組んで、そのプラットフォームを提供する。
さて、では、なぜ、東急電鉄や、大和ハウスグループのフレームワークスなのか。この点に関しては、東京急行電鉄は、「当社におけるリテール事業のオムニチャネルを、「Monopos」を使い、推進したい」としており、「これが、お客様との接点を新たに構築し、また、既存のルートを強化していくことができる」とした。また、東急が強みとして持っている沿線の力も、オムニチャネルを強化していていくことで、可能性を秘めたクリエイターなどにも光を当てたいとした。
また、フレームワークスも「建物は得意だが、以前からどうやって、物流のプラットフォーム化していくかを考えていた。中小の企業の中にも、消費者に答える商品があり、そこにも光を当てたい。今回のシステムが中小店舗に導入されることで、店舗は、どこに預けているかを意識しないで、安心して商売できるようになる他、一気通貫でフルフィルメントができる」とした。
注目しておきたいのは、あくまでシステムを提供しただけでなく、きちんと実店舗においては、東急電鉄、東急百貨店、倉庫に関しては、フレームワークスなど、俯瞰的に、それらのシステムを活用するのにふさわしい企業と連携し、ちゃんとそれらが機能する土台があるところにある。今まで、オムニチャネルを個々でやる印象が強かったが、東急で言えば、東急百貨店などのリテール事業で関わりを持つ、店舗がある。それゆえ、それらがいよいよ、店舗とECの垣根がなくなったとき、行き着く先が、IROZAに「Monopos」によって提示されることで、全国に、このシステムが行き渡る。もちろん、東急側にとっては、自分たちのテナントであれば、ECも推進できると強みをアピールできるメリットがある。フレームワークスにしてもそうだ。この東急などの連携とMonoposが整っていた環境が整えば、自分たちの抱える倉庫が有効活用できる。
この動きはまさに全国の店舗にとって、お客様がより、ECと実店舗の垣根をなくし、利便性を向上させることで、売り上げを伸ばす注目したい出来事なのである。ニッポンを、ECをどう素敵にカラーリングしてくれるのか、IROZAのお手並みを拝見したい。そして、応援したいのだ。