物をシェアする時代が到来!フリマアプリの利用率は?【PGF生命調べ】

ECのミカタ編集部

今、利用者が増加し続けている「フリマアプリ」。その利用を促進し、EC市場にも大きな影響を与えているのが、「シェア」に対する意識の変化、そして感想や評価の「シェア」だ。シェアされる情報とはどんなものなのか、また、どんなシェアが参考にされるのか。PGF生命が発表した「シェアリング・エコノミーと所有に関する意識調査2016」を元に考えていく。

口コミを気にする人は7割超、信頼できる口コミとは?

口コミを気にする人は7割超、信頼できる口コミとは?

 20歳以上の男女2,000名に、シェアについての意識を聞いたところ、「良い物や情報は人にも教えてあげたい」と回答した人は84.1%だった。良いと思った情報は人にも教えてあげたくなり、シェア意識が高くなる。また、「買い物をするとき、購入者の口コミや評判の良し悪しに影響を受ける」と回答した人は70.7%であった。シェアされた情報を活かして買い物をする人が多い傾向にある。世代別では、20代が78.1%、30代が78.3%、40代が75.8%と、50代(65.8%)や60代以上(55.5%)に比べて高くなった。

 お勧め情報を知りたいときは、「ポータルサイトで検索」が68.4%と最も高く、「家族や友人・知人など身近な人に聞く」が45.9%、「レビュー投稿サイトで検索」が34.4%と続いた。世代別では、20代は「SNSで検索」が37.5%とほかの世代よりも高く、30代は「掲示板やQ&Aサイトで検索」が29.8%、40代は「レビュー投稿サイトで検索」が40.0%、50代以上は「家族や友人・知人など身近な人に聞く」(50代52.5%、60代以上51.3%)が他の世代よりも高くなった。

9割超の人がシェアしたくなる「嬉しい出来事・感情」

9割超の人がシェアしたくなる「嬉しい出来事・感情」

 シェアをしたい情報の内容に関して、「嬉しい出来事・感情」が91.1%、「美味しいものの情報(美味しいお店を見つけた、美味しい料理のレシピ)」が90.4%、「感動した出来事・感情」が89.2%となった。比較的にポジティブな感情や情報は誰かと共有したい人が多いようだ。また、ネガティブな感情に注目すると、「将来の不安・悩み」(77.1%)や「許せない出来事・不満・怒り」(76.9%)は7割台後半となり、「お金の不安・悩み」は7割(70.2%)となった。世帯年収別では、「お得な情報」や「旬な情報」は年収が高くなるほど共有したい割合が高く、年収800万円以上ではそれぞれ92.8%、87.9%となった。

 それぞれの感情や情報を共有したい相手に関して、「嬉しい出来事・感情」×「パートナー」の組み合わせが最も高く(65.7%)、次いで「嬉しい出来事・感情」×「家族」(64.8%)、「感想した出来事・感情」×「パートナー」(63.8%)が続いた。男女別にすると、男性はほとんどの項目で「パートナー」が1位となり、女性は「嬉しい出来事・感情」や「感動した出来事・感情」の1位は「家族」、「悲しい・辛い出来事・感情」や「許せない出来事・不満・怒り」といったネガティブな感情の1位は「パートナー」、「健康やダイエットの情報」の1位は「友人」となった。

「不要な物は譲ったり売ったりしたい」人が8割近くに

「不要な物は譲ったり売ったりしたい」人が8割近くに

 物やスキル・知識の共有については、「レンタル品や中古品の利用に抵抗はない」(67.1%)、「不要な物は捨てるより、譲ったり売ったりしたい」(79.1%)だった。また、「自分の苦手なことは「対価を払っても」得意な人に頼みたい」(62.3%)、「自分のスキルや知識が誰かの役に立つのは嬉しい」(93.2%)と同意する人が多数派となった。

 シャアリング・エコノミー型のサービスの利用経験と意向に関して、最も高かったのは「フリマアプリ」で9.5%、「ファッションレンタル」と「駐車場シェア」はどちらも1.8%だった。「空き家・空き部屋シェア(民泊)」(0.8%)や「ライドシェア」(0.7%)、「スキル・空き時間シェア」(0.7%)はいずれも1%に満たない割合となった。現状では、個人間で不要品の売買を行う「フリマアプリ」が最も利用されているシェアリング・エコノミー型のサービスだ。また、男女・世代別にすると、20代女性では23.5%と、およそ4人に1人の割合で利用経験があることが判明した。

 さらに、利用意向率は「フリマアプリ」が最も高く17.8%、次いで「駐車場シェア」(12.8%)、「スキル・空き時間シェア」(10.9%)、「空き家・空き部屋シェア(民泊)」(8.6%)、「ファッションレンタル」(8.0%)、「ライドシェア」(7.3%)と続いた。また、男女別にすると、「ライドシェア」は40代男性が他の層より高く、「ファッションレンタル」は20代女性が12.0%、30代女性が13.0%で他の層より高くなった。

シェアリング・エコノミー型のサービスに対する不安

シェアリング・エコノミー型のサービスに対する不安

 シェアリング・エコノミー型のサービスにどのような魅力や不安を感じるかに関して、「個人間でトラブルが起こらないか不安」が59.1%と最も高く、次いで「無駄が少なく、環境に優しそう」(47.0%)、「お財布に優しそう」(38.3%)が続いた。男女別では、女性は「個人間でトラブルが起こらないか不安」(65.6%)や「個人情報の漏洩など、セキュリティ面が不安」(42.3%)の割合が男性よりも高くなった。

 今後シェアリング・エコノミー型のサービスに必要なことは、「事故やトラブルが起こった時の取り決めや保障がある」(41.8%)、「信頼できる会社がサービスを運営している」(40.5%)、「過去の利用者から多数の高評価がついている相手との取引」(40.1%)が上位回答となった。男女別では、女性は「事故やトラブルが起こった時の取り決めや保障がある」(47.7%)や「信頼できる会社がサービスを運営している」(46.7%)、「交渉など、個人同士で直接やり取りする必要がない」(31.1%)などの割合が男性よりも高くなった。

どういう物を共有してもらうと嬉しいのだろうか・・・?

“ぜいたく品”を共有してもらうと便利!

“ぜいたく品”を共有してもらうと便利!

 「他人から共有してもらうことができたら便利だ」と思う物は、「自分では買えないスーパーカーのレンタル」(40代男性)や「観光地にある別荘のレンタル」(20代男性)といった購入して所有するにはなかなか手が届かない“ぜいたく品”が挙がった。また、「子どものフォーマルな服など数回しか使わないような物」(40代女性)、「草刈機など頻繁には使わない物」(20代女性)といった、普段使いはしないけれども、特定の利用シーンでは欠かせなかったり、あると便利な日用品に関する回答が多く挙がった。その他、「新製品の家電をお試しで使ってみたい」(50代女性)といった、購入前のトライアルのような使い方を想定している意見もあった。

 また、スキルやサービスに関しては、「一時保育」(30代女性)や「畑作業を手伝ってくれる人」(40代男性)、「街案内、美味しいお店の案内」(30代女性)といった用務の代行や手伝いが多かった。さらに、「話し相手」(20代男性)や「ゲームのパートナー」(30代男性)、「友人」(40代男性)など、交際相手になって欲しいといった意見まで、多種多様な回答が見受けられた。

 以上のように、ECを利用してモノや情報をシェアできるという仕組みが生まれ、そこにシェアに対する意識の変化が合わさって、フリマアプリの利用者が増えているものと考えられる。一方、「個人間だとトラブルが起きるかもしれない」という不安な声もあるため、今後のフリマアプリのさらなる普及は、フリマアプリの運営側がいかに安全性を担保できるかにかかっている。

 また、BtoCを主とするEC店舗は、こういったユーザーの購買心理や行動の変化を把握しておく必要があるだろう。売ることを前提に買うなら、ただ安いものよりも、多少高くても質の良いものを選ぶかもしれない。あるいは、フリマアプリなどCtoC市場ではどうしても保証しきれない安全の部分を、BtoCの価値として打ち出していくこともできるだろう。フリマアプリの利用者拡大は、BtoCの
EC店舗にとってもチャンスを生む可能性があるのだ。

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