EC事業者が知っておくべきインターネット広告まとめ
EC店舗の新規顧客獲得に欠かせないインターネット広告。インターネット広告とは、インターネット上のWebサイトやメールを活用し、商品やサービスの認知、購入につなげるために行うこと。オンライン広告、ウェブ広告などとも呼ばれる。EC市場の拡大と共にその種類も増えている。効果を上げる広告とはどのようなものなのか、主要なインターネット広告をまとめてみた。
まず、どの顧客層にアプローチするかを決める
インターネット広告でプロモーションを行う際には、まず、どの層の顧客にアプローチしたいかで、適した広告が変わってくる。顧客の層は、大きく4段階に分けられる。
1段階目は「広く浅く」、ここでは、いかに多くの人の目に触れるかを重視する。2段階目は「潜在顧客」、商品を紹介することで、その商品が必要だと気づいてもらうことができる、興味関心を惹ける層だ。3段階目は「見込顧客」、潜在顧客よりも興味関心の度合いが高く、商品を紹介することで、購入してもらえる可能性が高い層だ。そして、4段階目が「既存顧客」、既に購入履歴がある層で、ここでは、いかにリピート、ファン化につなげるかが重要だ。
インターネット広告には、どのような種類があるのか
※上表詳細は下記URLよりダウンロードいただけます。
https://ecnomikata.com/knowhow/detail.php?id=10222
前述の顧客層を踏まえて、どのようなインターネット広告が効果的なのか、主要なものをまとめたのが上表だ。
不特定多数のユーザーに広くアプローチできるのが、バナー広告(準広告)と動画広告だ。バナー広告は、Webサイトの広告枠を期間で購入する形だ。動画広告は、大きく3つの形に分けることができる。動画広告は、他の広告とは角度が違い、広告のクリックよりも動画そのものを見てもらうことを重視しているのが、特徴的だ。
潜在顧客に対してアプローチする広告は、数が多い。アドネットワーク広告、DSP広告は、商品に興味関心があるであろう特定のネットワークに向けて配信される広告だ。DSP広告は、条件を設定することで、自動的な配信がされることが特徴だ。ディスプレイネットワーク広告、ソーシャルメディア広告、アフィリエイト広告は、その広告が表示されるページのコンテンツが重要になってくる。コンテンツに合わせた広告が表示される形となっている。
見込顧客に対してアプローチする広告は、リスティング広告、リマーケティング広告が強力で、さらにこの二つを合わせて運用すると効果が上がる。リスティング広告は、検索連動型広告とも呼ばれ、検索エンジンで検索した際に、検索ワードに応じて検索結果ページに表示される。リマーケティング広告は、一度サイトに訪問したユーザー、あるいは一度購入に至った顧客を追いかけて、再利用を促す広告だ。リスティングでサイトへ誘導し、その後リマーケティングで追いかけるというようによく使われる。ちなみにYahoo!のネットワークでは、リターゲティング広告と呼ばれている。
既存顧客に対してのアプローチでは、メール広告が多用される。特定のリストに配信するメールマガジン、もしくは、有名媒体が配信するメルマガに広告を挿入する形がある。メルマガはもう古いと言われた時期もあったが、その効果は健在で、今は改めて様々な形で活用されている。
インターネット広告の料金は、どう発生するのか
インターネット広告で一般的な料金体系の詳細については次の通り。この他、記事広告などに多い「掲載課金型」、広告を経由したPV(ページビュー)を保証し、料金を設定する「ページビュー保証型」などの料金体系もある。
期間保証型:指定された期間、指定された枠に広告を表示。
視聴課金型:動画が実際に視聴された際に料金が発生。
インプレッション保証型:広告のインプレッション(表示)数を保証、料金設定。
インプレッション課金型:広告の1インプレッション(表示)当たりで料金が発生。
クリック課金型:広告1クリック当たりで料金が発生。
エンゲージッメント課金型:1エンゲージメント(※)当たりで料金が発生。
※ソーシャルメディアでの「フォロー」「シェア」「クリック」など。
成果報酬型:商品購入まで至った場合に料金が発生。
配信課金型:メール1通当たり、メッセージ1配信当たりで料金が発生。
結局、インターネット広告をどう使えば良いのか
インターネット広告は、これがベストというものはない。ここまで述べてきたように、どういった層にアプローチしたいのか、その中でも企業や商品と相性が良いのはどのような配信方法か、その中でどういった条件を設定したら良いのか、自社と市場、そして競合を分析した上で、施策と分析、PDCAを回しながら、より良い運用をしていくことが重要だ。
また、インターネット広告が増える中で、広告が敬遠される傾向もあり、コンテンツの一部のように、広告と分からないように挿入するという「ネイティブ広告」という形も増えてきた。だが、この手法には注意が必要で、ユーザーが「騙された」と思わないような、見せ方やコンテンツの充実が必要だ。そういった問題もあり、広告ではないが、キュレーションを利用したEC、ECのメディア化なども進んでいると言える。