気候変動がチャンスに。EC売上増加の戦略と対策【オレンジページ調べ】
株式会社オレンジページの「オレンジページくらし予報」が、「気候変動と地球温暖化」について、20歳以上の女性およそ1000人に調査を行った。気候変動がECに与える影響は、決して小さくはない。
台風、豪雨、猛暑…気候変動を感じている人は○○%
猛暑、ゲリラ豪雨、台風…少し前までは考えられなかったような異常気象が世界中でみられるようになってきた。この何年かの間にも、様々な気候変動が明らかに私たちの生活に影響を及ぼしているが、2047年からは、この異常気象が“普通”になるとも言われている。(ハワイ大学のカミロ・モラ教授 研究結果より)
本日も台風が日本列島を襲っているが、気候変動を実感することが多い。では、この気候変動がECにどのような影響をもたらすのだろうか。調査結果と合わせて考えていきたい。
Q.「夏の気候に変化を感じているか」
A.「以前より暑くなっていると感じる」と答えた人が全体で80.5%、都市の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象などがみられる関東地方では82.5%、東北地方では69.1%と地域差はあるものの、日本全国で「昔に比べると夏が暑くなった」と感じていることになる。
今年の7月、ヤフー株式会社が運営する「Yahoo!ショッピング」が、“梅雨の合間に最高気温が30度を超える日が続いた7/1〜7/4の間、商品の売れ行きに変化が生じているのか“を調査した。その結果、飲料カテゴリ全体だけでも前年同期比180%の伸びをみせるなど、気候に伴いECでの売上が大幅に伸びていることがわかった。気候に合わせた商品の販売やプロモーション戦略が売上の伸びに直結することを期待できるのではないだろうか。
Q.「どのような気候変動に「不安」を感じるか」
A.1位は「極端な多雨・洪水」95.7%、次いで「農作物の収穫量や品質への影響」94.6%、「夏の猛暑」93.7%、複数回答で1位から11位までが90%以上という結果となった。
洪水とまではいかなくとも多雨やゲリラ豪雨は、人々の日常的な活動や交通機関に支障をきたす。それが実店舗での買い物動向にも影響することを考えると、改めてECサイトの需要を感じることができる。
ただ、実店舗も“雨の日キャンペーン”など、気候に応じた施策で集客を行っている。ECサイトでは、どのようなツールを使って、どのような施策を行い、集客に繋げることができるだろうか。自社の戦略を見直したうえで、改めて考えてみるのも良いかもしれない。
異常気象発生時に売上を上げるポイントと懸念点
方法次第で、気候変動発生時にはECサイトの売上を伸ばすチャンスがあることをお伝えしたが、売上を伸ばすことだけに注力するのではなく、いくつか注意しなければならないこともある。
例えば、人の気持ちを考えると、気候の変動もまた、商品の選定に影響を及ぼしていくではないかと思われる。気候変動の影響で商品が用意できないということも起こり得るだろう。また、梱包が甘く商品が破損してしまう、配送に大きな遅れが生じてしまうなど、EC店舗だけが対策をしても防げない問題もある。
だからこそ、EC店舗は日ごろからEC店舗を支えるEC支援企業とも連携をとり、予想できないトラブルへの対策をしておきたいものだ。その対策を怠らないことが、最終的にお客様の笑顔へと繋がり、売上にも影響してくるのではないだろうか。