ヤマト運輸は21日、5月12日より「クロネコメンバーズ」の顧客を対象に、宅急便の運賃が割引になる決済サービス「クロネコメンバー割」と「クロネコメンバー割BIG」を開始すると発表した。クロネコメンバー割は、同社独自の電子マネー「クロネコメンバーズ電子マネーカード」にクロネコメンバー割を現金でチャージし、支払い時に使用すると割引された宅急便運賃がカードから引き落とされる。チャージおよび利用はヤマト運輸直営店やセールスドライバー訪問時に専用端末で行うことができる。

顧客のニーズに応えた新サービス

クロネコメンバーズとは、平成19年11月より開始された入会費、年会費、利用料無料の主に個人を対象としたヤマト運輸独自の会員制サービスである。宅急便を送る際に送り状を手書きする手間を軽減する「らくらく送り状発行サービス」や「送り状発行システムC2」、荷物の着日を知らせ、受取日や時間帯、受け取り方法を指定できる「お届け予定eメール」、不在時にメールにて知らせてくれる「ご不在連絡eメール」など各種サービスを提供している。

オークション出品者や、遠方の家族に荷物を送ったり、ゴルフ場にキャディバッグを送るなどの比較的頻繁に荷物を発送する顧客から「もっとリーズナブルに簡単に送りたい」との要望を受け、今回のサービス提供に至ったようだ。

割引額は10%〜15%。1枚のカードで2種類の電子マネーの利用が可能

クロネコメンバー割の割引額は、宅急便本体価格（税抜）から10%割引、クロネコメンバー割BIGは15%割引とし、クール便やタイムサービスなどの付加料金には割引が適用されない。一度でチャージできる金額は、クロネコメンバー割が1,000円単位で5,000円〜29,000円、クロネコメンバー割BIGは10,000円単位で50,000円〜100,000円。どちらもチャージ金額の上限は10万円に設定されている。

また、ライフスタイルに合わせてnanaco、楽天Edy、WAONのいずれかと、ヤマト運輸で利用ができるクロネコメンバー割の2種類の電子マネーを1枚のクロネコメンバーズ電子マネーカードにチャージできるため、複数のカードを持ち歩く必要がない。

ヤマト運輸は、「離れた家族や親戚への食料品、雑貨、プレゼント」「オークション商品」「ゴルフ、スキー、空港、宿泊施設などレジャーでの利用」「個人事業主、農家、中小法人の荷物発送」などを利用シーンとして想定しているようだ。

電子マネーカードの発行は会員登録後の申請のみ

利用にはクロネコメンバーズの会員である必要があり、会員になった上で電子マネーカードの発行を申請する。また、クロネコメンバー割BIGは会員登録後、別途電話での申し込みが必要になっている。既にクロネコメンバーズ電子マネーカードを保有していれば、サービス開始日からすぐに利用することが可能。クロネコメンバー割BIG専用の電子マネーカードの申し込みも、21日から受付を開始しており、クロネコメンバーズ電子マネーカードは5月下旬頃に配達される予定だ。

現状、チャージなどの部分で他社との連携は取れておらず、ヤマト運輸独自のサービスとなっているため、サービスの自由度は高いとは言えない。しかし、ヤマト運輸は「お客様にとって「簡単・便利・安心・お得」な宅急便を目指し、今後も様々なニーズに応えられるよう、サービスの拡充を企画検討中」と方針を打ち出している。これからどのような新サービスが誕生するのか期待である。