Amazonが語る、売れるスマホECのノウハウ〜ECのミカタセミナーフェア【前編】

ECのミカタ編集部

8月30日に開催された、ECのミカタセミナーフェア「Amazon&SHOPLISTが語る!売れるスマホECのノウハウセミナー」。スマホEC市場が急速に拡大する中、その市場で勝つためのサービスを提供している6社が登壇、スマホEC市場の現状と、その中でECサイトはどんな対策をする必要があるのかを語ってもらった。前編では、アマゾンジャパン合同会社、ファストメディア株式会社、株式会社ディー・エヌ・エーの講演概要を紹介する。

Amazonのお客様をあなたのサイトのお客様に ~Amazonログイン&ペイメントのもたらす新しいEコマースの姿~(アマゾンジャパン合同会社)

講師:アマゾンジャパン合同会社 アマゾンペイメント事業本部 事業部長 井野川拓也

 Amazon.co.jpにおいても、モバイル利用が拡大しており、PC利用を上回っている。そんな中、お客様がモバイル端末でも簡単便利に買い物ができることが重要であり、そのために、アプリの提供に力を入れている。Amazonアプリは、日本の小売アプリの中ではダウンロード数1位となっており、グローバルにも広く利用されている。

 また、Amazonアプリ以外にもAmazonのサービスに関する様々なアプリを提供すると共に、様々なデバイス端末も提供することで、日々の生活の中でAmazonとの接触機会を増やすことを意図している他、Amazonプライムプログラムへの囲い込みにも注力している。これらは、スマホで買い物をする場合、色々なサイトを見て買うよりも、最初にある程度買う場所を決めているということが多いため、買い物をする時にまずAmazonを思い出してもらうこと、ゲストユーザーからいかに会員になってもらうかを、重視しているためだ。

 モバイル・スマホ対策としてAmazonは、1)Amazon.co.jpでの買いやすさを向上、2)さまざまなデバイス・端末の充実、3)会員化による囲い込み、の3点に力を入れるが、このうち1と3の点で独自サイト運営の事業者をもサポートするのが「Amazonログイン&ペイメント」だ。

 Amazonのビジネスモデルとして、従来はAmazonの直販とマーケットプレイス(出品サービス)があったところに、このAmazonログイン&ペイメントにより、Amazon以外のサイトでもAmazonアカウントを使って、簡単・安全にお買い物ができるようになった。

 ユーザーのメリットとしては、まず、Amazonアカウント一つで様々なサイトで買い物ができるようになるため、複数のアカウントを管理する必要がなくなり、買い物の利便性が上がる。また、Amazonアカウントでログインすれば、住所やクレジットカード番号が自動で表示され、最短2クリックで買い物が完了し、買い物のスピードが上がる。さらに、クレジットカード情報は、Amazon側で管理するため、漏えいリスクを低減し、Amaozn以外のサイトでもマーケットプレイス保証を適用するため、安心して買い物をすることができる。

 販売事業者のメリットとしては、新規顧客獲得とCVRの向上が挙げられる。これまでの導入事例では、ゲスト購入者のうちAmazonログイン&ペイメント決済の割合が4〜5割、そのうち実際に会員になったのが6〜8割(通常は2〜2.5割)と、高い効果を見せている。このような効果が見られるのは、前述の利用者にとってのメリットが大きいことに加え、注文確定画面でチェックボックスにチェックを入れるだけで、会員登録やメルマガ購読を推進できる作りになっていることも大きい。また、その結果、これまで新規獲得やCVRの向上に割いていたコストの削減にもつながるかもしれない。

 最後に、米国での事例になるが、Amazonではオムニチャネルにも積極的に取り組みを進めつつある。ニューヨークにあるドレスのアパレルショップ「Moda Operandi」では、Amazonアプリをダウンロードしてもらうことで、来店時にお客様を検知し、お客様に合わせたより良いサービスを提供、決済はAmazonログイン&ペイメントで、現金やカードが不要で買い物ができるという取り組みを行っている。スマホでの買い物は、こういったオフラインとの連動にもつながっている。

 Amazonでは、「Day One」、初心を忘れずに、これからもお客様を大切に、お客様が買い物をしやすい、使いやすい便利なサービスを提供していく。

「Yappli」アプリがEC売上1位の時代へ(ファストメディア株式会社)

講師:ファストメディア株式会社 エバンジェリスト 金子洋平

 ファストメディアは、クラウド型アプリ開発プラットフォーム「Yappli」を提供している。右肩上がりのEC市場の中で、スマホEC市場の伸び率はさらに大きくなっている上に、2015年には、Googleモバイルフレンドリー発表により、ECサイトのスマホ最適化は急務となっている。

 そして、このスマホ最適化の次のステップとなるのが「自社アプリ」だ。実際に、大手モールにおいても、アプリ経由の利用が急増している。アプリを提供すべき理由として、1)常に目にするホーム画面へのアイコン、2)ストレスフリーな操作感、3)到達率の高いプッシュ通知、という3つの理由が挙げられる。

 まず、アプリは、スマホにおいて常にホーム画面に表示されるため、ユーザーとの接触頻度を高めることができる。また、スマホでの操作が簡単なため、回遊率が向上し、アプリの閲覧時間はブラウザの2.5倍にもなる。さらに、アプリならではのプッシュ通知は、到達率が高く、メルマガの3倍以上にもなる。これらのことから、アプリを利用することで、CVR・購入単価・閲覧商品数の向上を図ることができる。アプリは、投資対効果が高い施策と言えるのだ。

 ただ、アプリが良いらしいというのは知っていても、アプリ導入には、やり方が分からない、品質の保証がない、運用できるか不安、費用がかかるなどのハードルがあった。これらをクリアしたサービスが「Yappli」だ。Yappliは、自社アプリに必要な要素が備わっており、開発・運用・分析まで、オールインワンで利用できる。管理画面は直感的なUIで、専門の知識がなくても操作ができる。費用も、月額12万円〜と、これまでのアプリ開発にはないリーズナブルな設定で、機能追加やバージョンアップによる追加費用も発生しない。これらの使いやすさから、継続率は99%を誇っている。

 今後は、プッシュ通知のセグメントをさらに細かくした機能など、スマホ時代のビジネスを加速させるための取り組みをさらに展開していく。

モールのスマホ利用率NO.1「DeNAショッピングの秘密」(株式会社ディー・エヌ・エー)

講師:株式会社ディー・エヌ・エー EC事業本部 ショッピングモール事業部 八津川 博史

 DeNAは、始まりからして、モバイルベースのビジネス展開をしてきた。結果、スマホ利用において高い利用率を誇るモールとなっている。

 その背景には、DeNAの企業カルチャーとして、様々な領域、新しいことにどんどん挑戦し続けるというカルチャーがある。その中で今特に力を入れているのが、「MERY」「iemo」などのキュレーションメディアや、「Preferred Networks」との連携によるAIの活用、ヤマト運輸との連携による「ロボネコヤマト」や、「EasyMile」との連携による自動走行サービスなどだ。キュレーションはスマホと相性の良いものであるし、AIは次世代のECに欠かせないと言われている分野、物流の改善もEC市場の成長を促進するために不可欠なところだ。

 DeNAは、「DeNAショピング」と「auショッピングモール」の2つのチャネルで、ECに特化したモールを展開してきた。売り手は1つの管理パネルから、複数のチャネルでビジネスを行うことができる。出店店舗は3,000店舗と、モールの中ではまだ少ない方だが、スマホECに優れているということもあり、今後の伸び代は大きい。また、全体で見ると20代を中心とした若い世代が多いが、auショッピングモール単体で見ると、30代〜40代が中心となるなどの特徴もある。これを活かせば、幅広い世代へのアプリーチが可能になるだろう。

 また、DeNAの強みとして、auユーザーからの顧客獲得がしやすいことがある。これからのECは、お客様一人一人の関係性をどう築けるかが重要になっており、そのためにAIなども活用されるが、そこで、auユーザーの詳しい顧客情報を活用することにより、より精度の高いアプローチをすることができる。

 さらに、様々な企業やサービスと連携することにより、DeNAならではの強みを広げている。例えば、西松屋や西友など大手小売業との連携により、同類の商材を扱う事業者にとってはクロスセルの効果があったり、ウェブ接客ツールとの連携で、CVRや平均単価アップを促したりなどしている。

 DeNAの特徴として、モールではあるが、店舗ごとのカラーを出しやすいというところもあるだろう。例えば、特集ページによって、商品の付加価値を提案して行ったり、独自キャンペーンによって店舗へのアクセスを増やしたりなどの取り組みを行っている。DeNAは、これからもスマホに特化しながら、その中で、ショッピング本来の楽しさ、発見する楽しみにこだわりながら、サービスを展開していく。

【前編まとめ】スマホ最適化はもう当たり前、次の段階へ

 Amazon、ファストメディア、DeNAと3社の講演をご紹介しところで、感じられるのは、スマホの普及と共に、ECのスマホ最適化ということが言われるようになったが、それはすでに当たり前のことになっており、市場は次の段階に進みつつあるのではないだろうかということだ。

 それが、スマホ最適化されたECサイトはあることが前提で、そこからどう新規獲得をするのか、そしてリピーター、ロイヤルカスタマーへと顧客との関係性を築いていくのかに、焦点が移つつあるように思う。そのための提案が、今回紹介した、Amazonログイン&ペイメントであったり、Yappliのようなアプリ開発であったり、ずっとモバイル利用に特化してきたDeNAの展開であったりするのではないだろうか。

 後編では、スマホECにおける接客の黄金律、スマホ以外にも対応が必要なマルチスクリーン化、実際に成功しているスマホEC運営についてご紹介する。登壇企業は、TEMONA株式会社、株式会社ロックウェーブ、クルーズ株式会社の3社だ。


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