キュレーションサイトとEC~「NIPPON.jp」とは~
近頃、MERYをはじめとする「キュレーションサイト」の勢いが凄まじい。このキュレーションサイトの良いところは、知りたい情報を一気に得ることができるところだ。例えば、旅に関するキュレーションサイトで「ブドウ狩り」と検索をすると、各地のブドウ狩りを楽しめるスポットが紹介される。
その「キュレーションサイト」の外国人向けの「NIPPON.jp」の存在をご存知だろうか。これは、外国人向けに日本の情報を発信するサイトだ。訪日外国人が増える今、この「NIPPON.jp」の利用者が増加している。今回は、株式会社NIPPON.JPが運営する「NIPPON.jp」が人気の理由について考えていく。
「NIPPON.jp」の開設秘話
日本政府観光局によると、2015年の訪日外国人旅行者数は前年比47.1%増の1,973万7千人となり、過去最高を更新した。この数は、訪日外国人旅行者数が、出国日本人数を45年ぶりに上回り、今後も勢いを増すと想定されている。
また、少子高齢化により人口が減少することが避けられない日本の現状を併せて考えると、日本を「観光立国」として発展させる動きは、重要な意味を持つ。しかし、海外からの観光客のためのサービスの提供は、言語の問題もあり、十分であるとは言えない。
そこで、「外国人観光客の観光情報」を発信することで、リアルな日本の情報を海外の人に知ってほしい、また日本への観光や日本の商品・サービスの興味を訴求し、それに応えていきたい思いから「NIPPON.jp」を開設した。
日本への観光・商品・サービスの橋渡しに
「NIPPON.jp」が情報を発信する相手は海外在住で日本に興味があるユーザー、または日本在住のユーザーである。それらのユーザーに対し、日本を紹介し、より日本に親しみを感じ、日本への観光の橋渡しとなること、さらに日本の商品やサービスへの橋渡しになることを目的としている。
同サイトのドメインには、日本を代表するにふさわしい、訴求力のあるニッポンという言葉が入っている。さらに、「NIPPON.jp」がドメインとして使用するのは、日本を代表するにふさわしい、訴求力のある【NIPPON.jp】だ。また、「NIPPON.jp」のオープン時は海外向けの対応として英語の対応を行っているが、今後は他の言語にも順次対応していく予定だ。
ECにもたらす影響とは
NIPPON.jpを閲覧すると、旅、文化、グルメ、四季、自然、お買い物、地域情報という具合に、様々なジャンルに分けられている。
ECに関係するジャンルは、「NIPPONのお買い物」ではないだろうか。このジャンルには、その名の通り、様々なお買い物情報が掲載されている。お土産として最適な食べ物や伝統工芸品についての記事があり、ユーザーの購買行動に繋がるような記事が多い。
例えば、外国人が「NIPPONのお買いもの」で欲しい商品を発見したとして、必ずしも、日本での滞在時に買うというものではなく、それがECサイトで購入する契機になってもおかしくないだろう。
キュレーションサイトとECは一見、関係性が無いようにも見えるが、実はそのキュレーションサイトに掲載されている商品をECサイトで購入するということも充分にあり得る。この「NIPPON.jp」を通して日本を好きになり、様々なECサイトで日本のモノを購入すれば、今後ますますECサイトは盛り上がることだろう。外国人がいつ来ても良いように、ECサイトを外国人が使いやすいように工夫しておく必要があるかもしれない。
日本においては、キュレーションサイトが隆盛を極めているが、海外の人向けにもキュレーションサイトがあって、しかも日本がテーマのキュレーションサイトがある。
日本におけるキュレーションサイトがECでの購入のキッカケとなっているように、テーマが日本で、かつお買い物だとしたら、そのキュレーションサイトは、海外の人達にとって、日本商品を購入する上での“架け橋”になってくれそうに思う。