セブン子会社後初。ニッセン12月期第3四半期決算発表

ECのミカタ編集部

 本日11月1日(火)より、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ・ホールディングス)の完全子会社である株式会社セブン&アイ・ネットメディアと株式交換を行い、完全子会社となる株式会社ニッセンホールディングス(以下、ニッセンホールディングス )の平成28年12月期第3四半期決算が公表された。

ニッセンHD業績に影響した事業とは

■ニッセンホールディングス平成28年12月期第3四半期業績

・売上高:868億1300万円(前年同期:1149億8000万円 24.5%減)
・営業損失:74億4500万円(前年同期:71億3500万円)
・経常損失:67億8500万円(前年同期:65億1900万円)
・四半期純利益:67億4400万円(前年同期:100億3800万円)

 ニッセンホールディングスは、2014年からセブン&アイ・ホールディングスの連結子会社となっている。というのも、ニッセンホールディングスは2013年12月期から3期連続で赤字となっており、事業の再建を図る必要が出てきたのだ。

 そして、ニッセンが2016年11月1日付けで、セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となることが明らかになったのが今年8月のことだ。また、10月27日付けで上場廃止となっている。カタログ通販業界を長年牽引してきたニッセンホールディングスに何が起きたのか。業績悪化の原因のひとつに、業界での競争が激化するコマース事業の存在があった。

ニッセン主力のコマース事業気になる業績

■コマース事業における業績

・売上高:836億5900万円(前年同期比:24.9%減)
・セグメント損失:70億3700万円(前年同期セグメント損失:68億700万円)

 ニッセンホールディングスにとって主力事業となる株式会社ニッセンに関しては、平成28年春号カタログよりカタログビジュアル一新による掲載情報の充実化、インターネットサイトの全面リニューアルによるユーザビリティの磨き上げを行った。加えて、顧客の利便性向上を目的として平成28年4月よりヤマト運輸株式会社で商品を届ける配送サービスを開始するとともに、セブンプレミアム商品の企画・開発への参画、セブン‐イレブンとの相互送客共同販促キャンペーン等、商品力及びサービスの向上を図ってきた。

 しかしながら、前年実施した大型家具事業からの撤退、それに伴うインテリア関連売上の減少、カタログ多頻度発行施策の戦略修正、スペシャルカタログの統廃合、及び前年までの稼働顧客基盤縮小による売上マイナス影響等が原因となり、売上高は前年同期実績を大きく下回った。

期待されるオムニチャネル戦略が2017年への鍵

 セブン&アイ・ホールディングスといえば、実店舗とEC店舗を持つ強みを活かしたオムニチャネル総合通販サイト「オムニ7」があるが、ニッセンホールディングスにおいてもオムニチャネル戦略は重要な事業のひとつだ。

 2012年、ニッセンホールディングスは全国各地に展開するギフト販売店舗「シャディ」を買収し、今年1月には、実店舗とネットを融合した次世代ツールとして新ECサイト「シャディギフトモール」を立ち上げた。これまでも、シャディの地域密着の販売店網を活かした、地域独自の特産品の取り扱いの拡大、PB商品開発や食の宅配サービスなど商品・サービスの強化を進めてきたが、有店舗チャネルの減収や冠婚葬祭のフォーマルギフトの市場縮小等により、売上高及び営業利益は前年同期の実績を下回る結果となった。

 そもそも、セブン&アイ・ホールディングスがニッセンホールディングスを子会社化する意図として、「オムニチャネル戦略」の一環として注目した経緯がある。しかし、子会社化後もニッセンホールディングスの業績は減少傾向だ。今後、ニッセンホールディングスは、期待されるオムニチャネル戦略でも成果を見せられるかどうか、2017年が勝負となりそうだ。


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