JADMA10月EC総売上高を発表。あの企業が売上を牽引か。
商品ごとの特徴に注目。ASKULの影響大なカテゴリーは?
公益社団法人日本通信販売協会(以下、JADMA)は、理事社・監事社を中心とする会員企業計134社を対象として、2016年10月度の売上高調査を実施した。調査の結果、2016年10月の総売上高は、前年同月比-0.5%減少である1,200億6,900万円となった。
伸び率を商品別にみると、「衣料品」は前年同月比-9.7%、「家庭用品」は-2.5%、「雑貨」+4.8%、「食料品」+2.9%、「通信教育・サービス」-10.1%となっている。「衣料品」に関しては、やはり天候が影響しているのだろう。
JADMAに聞いたところ、全体的に前年と比較しても大きな変化は見られないとのこと。各項目とも増加傾向である「食料品」は、10月の大きなイベントでもあるハロウィンの影響も少なからず考えられる。
今回最も伸び率が高かった「雑貨」カテゴリーの「文具・事務用品」(+12.7%)に関しては、アスクル株式会社(以下、アスクル)が運営するオフィス用品や現場用品などを販売しているB to Bサービス「ASKUL」 の占める割合が多いようだ。
ちなみにアスクルが今年7月5日に発表した決算によると、Eコマース事業においての営業利益は前期比29.4%増加の90億7百万円であった。その中でも「ASKUL」は、ビッグデータを活用したマーケティング施策により、ユーザー数・商品購入点数が増加したとのことだ。
結果として「ASKUL」の売上高は、前期比で234億27百万円増収の2,785億52百万円(前期比9.2%)となる成長ぶりをみせている。この成長がJADMAの調査結果にも大きく影響しているのだろう。
確かに、「文具・事務用品」は「衣料品」「食料品」のように自然や季節の影響を受けにくい。しかし、それだけではないアスクルの戦略が、結果としてJADMAの調査結果にも表れているような結果を生み出しているのだろう。JADMAの次回調査にも、どれほどEC企業の活躍が反映されるのか注目だ。