横須賀商工会議所とヤフー株式会社（以下、Yahoo! JAPAN）は、「中小企業のICT活用による経営支援」に関する基本合意書に調印し、ICTを活用した横須賀市内の経済活性化に向けた連携を開始する。来春、横須賀商工会議所内にYahoo! JAPANのオフィスを開設し、従業員を派遣する。

顧客の想いを繋ぐ「おもてなしギフト」

　横須賀商工会議所では、これまで日本商工会議所が推進している全国の名産品を事業者から受託販売するECサイト「おもてなしギフト」の運営業務を行ってきた。一方、Yahoo! JAPANでは、「おもてなしギフト」の運営支援として、ECに関するセミナーや相談会を行うなど、横須賀地域の中小企業向けにICTの活用を推進してきた。

　「おもてなしギフト」とは、全国の特産品・名産品を産地直送で届ける「地域ブランド専門店」である。1人1人の生産者が1つのブランドとなり、「本当に美味しいものを贈りたい」「地域の素晴らしいものを贈りたい」という顧客の気持ちに応えるギフトを販売している。

「おもてなしギフト」と「ふるさと納税」を強化

　今回の基本合意により、三浦半島地区からの「おもてなしギフト」への出店数を増やし、3年以内に現在の26事業者から100事業者まで拡大することを目指す。また、日本商工会議所を通して全国に展開し「おもてなしギフト」への出店促進や、全国の中小企業の販路、事業拡大を支援していく方針だ。

　さらに、「おもてなしギフト」と「ふるさと納税」を連携させることで、「ふるさと納税」返礼品を提供する事業者の負担を軽減し、参加しやすくする取り組みを進める。これにより、返礼品の種類や数を充実させ、「ふるさと納税」による自治体の収入増加と、返礼品提供で得られる事業者の売上増加を目指す。

　なお、ECサイト開設や売上拡大のためのマーケティングや商品開発、インターネット広告の活用についての相談やコンサルティングを、横須賀商工会議所内のYahoo! JAPANオフィスで随時受け付ける。

　近頃、ECを通して贈り物を購入する人が増加傾向にある。それは、それは、利便性に加え、ECならではの方法で贈り物を“特別”なものにするからではないだろうか。今回の「おもてなしギフト」では、まさに“産地直送”という特別感があり、ECがなければ手に入りにくかった本当に美味しいものを、相手に贈ることができるのだ。今回、Yahoo! JAPANとの連携で、その特別感が強化されていくだろう。

　また、Yahoo!JAPANでは以前より地域活性化に力を入れている。今回の連携では、市場のニーズとYahoo!JAPANが目指すところが合致し、ECの可能性をより広げていくだろう。