CtoCEC利用は先行投資?新たな価値観「新額歴社会」到来【ファイナンシャルアカデミー調べ】
東京・大阪・ニューヨークで開講しているお⾦の学校「ファイナンシャルアカデミー」が、2016年9月に20代、30代、50代、60代の男⼥計1,000名を対象に実施した 『「お⾦の使い⽅や価値観」についての意識調査』で、社会⼈の考えるお⾦に対する新たな価値観が明らかとなった。
学歴よりも額歴?「新額歴社会」とは
「新額歴社会」というワードをご存知だろうか。新額歴とは、自分の収入の管理をしっかりと行っていることを指す、ファイナンシャルアカデミーが提唱する新たな価値観のことだ。
ファイナンシャルアカデミーによると、2008年のリーマンショック以来、消費者のお金に対する価値観はそれまでの大手企業へ就職=生涯安定という考え方から、自分自身でお金を管理していくという価値観へと定着し、近年では「新額歴社会」になりつつあるという。
学歴よりも“新額歴”の方が重視されているということなのか、実際にファイナンシャルアカデミーの調査内「今後“学歴”より“新額歴”が必要になると思いますか」という問いに対し、およそ9割の人が“新額歴”の重要性を感じていることがわかった。こうしたお金に対する価値観の変化から、一般消費者によるCtoC ECへの関心の高まりも明らかとなった。
お金に対する価値観の変化がCtoC ECにも影響か
オークションサイトやフリマアプリ、リサイクルショップを利⽤している割合は全世代で62.3%となり、20代・30代の若者世代に関しては70.6%と最も多く利用されていることがわかった。「手軽に自身でお金を稼ぐことができる」といった点が、新額歴を重視する現代の人々の価値観と合致しているのかもしれない。
更に、57.5%と半数以上の若者世代が将来的な価値を考えて商品を購入していることが明らかとなった。ここでいう将来的な価値とは、購入した商品をオークションなどで再販することを想定したときの価値のことだ。購⼊する商品の⾦額が5000円以下(Tシャツ1枚)であっても、56.6%の若者世代は将来的な市場価値があると考えている。
近年、「メルカリ」など様々なCtoC ECが盛り上がりを見せているが、消費者は「自分のアイテムを販売し収益を得る」「安い値段でアイテムを購入する」という目的だけではなく、「購入したアイテムが将来的な価値を持っているか」といった点も重視してCtoC ECを利用しているのだろう。
こうした消費者の意識は、「学歴が⾼い」「背が⾼い」「年収が⾼い」といった「三⾼」の時代から、「経験⼒」「貯蓄⼒」「投資⼒」が求められる「新学歴社会」への移り変わりを表しているようにも感じる。その時代ごとで消費者が何に対して投資を行い、“お金”にどのような価値観を持っているのかを理解し、その都度戦略を変化させていけるEC店舗が成功に近づけるのは言うまでもない。