オイシックス×大地を守る会、自然派食品宅配のNo,1へ
株式会社大地を守る会(以下、大地を守る会)とオイシックス株式会社(以下、オイシックス)は、両社取締役会において、2017年秋を目処とした両社の合併による経営統合(以下、本統合)に向けて基本合意書を締結した。
「自然派食品」に対する様々な事業を展開
近年、女性の社会進出による共働き世帯の増加や健康志向の上昇など、ライフスタイルや価値観の変化に伴いニーズが多様化し、食品宅配市場は成長を続けている。こういった環境を背景に、2000年に創業したオイシックスは、「より豊かな食生活をより多くの人へ」という企業理念のもと、安心安全な高付加価値食品や時短献立キットをインターネットで販売することを主力事業としている。
その他にも、オイシックスではヘルシーな食品の商品代金の一部が寄付金となり、アフリカなどの飢餓で苦しむ子供の給食にもなる「TABLE FOR TWO」商品の販売、忙しい女性の家事の悩みを解決するための時短献立キット「KitOisix」の展開、生産者に感謝を伝える収穫祭「東京ハーヴェスト」の開催にも手掛けている。
一方、大地を守る会は、有機・無農薬食材の会員制宅配事業の草分け的存在として、40年の歴史と約2,500人の契約生産者のネットワークを有す。独自の生産・取り扱い基準に基づいて、安心・安全にこだわった農・畜・水産物や無添加の加工食品等を提供している。また、生産者も応援できる「もったいナイシリーズ」や地域の風土に根ざした野菜を守る「日本むかし野菜」を販売、「でんきを消して、スローな夜を。」を合言葉に、2003年より「100万人のキャンドル」を展開している。
両社は、共通する理念を早期に実現していくために、両社が有する優良な生産者とのネットワーク、マーケティングなどの強みを生かし、経営資源を結集し、新たなグループを形成することが有効であると判断した。本統合により、両社の売上合計は337億円(2015年度実績)となり、成長を続ける食品宅配市場において、自然派食品宅配のNo.1となる。
また、本統合と併せて、株式交換を行うことを決議し、株式交換契約書を締結した。本株交換は、2017年2月末までに開催が予定される両社の臨時株主総会における承認を得た上で行われる予定だ。本統合後の役員構成は、大地を守る会代表取締役社長の藤田氏を会長、オイシックス代表取締役社長の高島氏を社長とする体制を予定している。
「Oisix」「大地宅配」それぞれ事業拡大へ
本統合後、以下のような事業シナジーを想定している。
【想定シナジー】
・売上成長へのシナジー
マーケティングノウハウの共有
共同商品開発、商品相互供給によるサービス向上
・コストダウンへのシナジー
物流センターやカスタマーサポートの共同運営
物流資源の共通化
システムの統合
これにより、商品調達から販売までのサプライチェーンで共通する部分の効率化、マーケティングノウハウの共有による新規顧客層の拡大などが期待できる。また、30代、40代前半を主要顧客とする「Oisix」と、40代以降を主要顧客とする「大地宅配」は、本統合後も「Oisix」「大地宅配」による事業展開を継続していく方針だ。
働く女性が増加している現代では、食品宅配が注目を集めている。その中でも自然派食品の需要が高く、「Oisix」と「大地宅配」が多くの女性から支持をされている。日々を忙しく過ごしているからこそ、健康が第一であり、こういった栄養素が高い「自然派食品」が必要なのだ。今回の統合することにより、さらなる食品宅配市場の拡大や顧客満足度の向上が期待できることだろう。
長年続けてきた大地を守る会の宅配におけるお客様との関係性とノウハウ、そして、ネットを活用して利便性の高いサービスを提供してきたオイシックスのノウハウは、お互い違う要素を持ちながらも、健康的な野菜を提供するという部分では、理念が一致する。違った起源の両社だからこそ、それぞれの長所を持ち合うことで、その相乗効果は良き方向に向かうと言える。
健康的な野菜を届けるという文化は時代の変化を経て、よりお客様に沿ったサービスへと変化していく。お客様目線で、あらゆるものが企業の垣根を越え、ボーダレスになっていく。