モールの商品ページでリタゲ広告を実現、bambooshoot AD

福島 れい

計測タグ不要でコンバージョン計測

 株式会社マージェリック(以下、マージェリック)は、国内初のAIを活用したECモール対応のアドネットワークプラットフォーム「bambooshootAD(バンブーシュートアド)」の提供を開始したと発表した。これは現状、ECモールの仕様上、リターゲティングタグや計測タグを入れることができず、広告運用がしづらい状況を解決すべく、bambooshootの利用者向けに提供される。

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 bambooshootADの提供に先立ち行われた記者向けの勉強会にて、嶋代表取締役は「bambooshootの利用店舗にインタビューを行ったところ、広告の最適化に課題を感じている店舗が多いことが明らかになった。5~6年前には広告を打てば、通常の3~4倍の売上が見込め、単月で黒字化できた。しかし今は、広告で獲得した新規顧客を大切に育て、数か月かけて複数回購入してもらうことでやっと黒字化できるような状態になっており、広告の最適化が非常に重要だ。」と語っている。

 bambooshootADの最大の特徴は、国内ではじめて「タグなし」で効果測定ができることだ。モールの商品ページにおいては、タグの設置が認められていないため、従来のモール内広告では、アクセスから購買までの効果測定が非公開となっている。リターゲティング広告についてもアクセスはあったものの購入に至らなかったユーザーにしか実施できない。また、従来のアドネットワークでは、モールでのコンバージョン率が計測できず、商品ページへアクセスしたユーザーへのリターゲティング広告の実施もできないのだ。bambooshootADでは、タグの設置が不要なため、”アクセスはされたが購入しなかったユーザー”を特定し、リターゲティング広告が実施できるようになる。

 また、広告入稿にあたっては、膨大なログデータとAIを活用し、クリック率やコンバージョン率、入札勝率を予測することで、最適な広告配信を実現するという。さらに、bambooshootで蓄積、活用している受注データや在庫状況なども加味した広告配信を行うため、広告配信だけでなく、EC事業全体を通して最適化に導くことができる。

 本格提供に先立ち、12社で行われたテスト運用では、ROAS(Return On Advertising Spend:投資した広告費に対する広告経由の売上を測る指標)が230%程度になっているという。楽天ダイナミックターゲティング広告でのROASは100%を下回るとも言われており、その精度の高さがうかがえる結果となっている。嶋代表取締役は、単月で広告費を回収できる目安となるROAS 300%を目指していくと話している。

 bambooshootADの導入にあたっては、商品や出荷環境、広告運用に対する期待値などをヒアリングした後、リターゲティングの設定を行い、実際に使用するクリエイティブの作成という流れになり、最短5営業日での配信が可能だ。広告費や広告運用の見直しに、活用したいサービスとなりそうだ。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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