国内初、ネットショップの運営にも「AI」が登場!

福島 れい

AIを活用、「bambooshoot」が売上向上を後押し

 人工知能(AI)の活用が世界各地、あらゆる業界で進んでいる。これまでのEC業界でのAIと言えば、購入履歴や閲覧履歴に基づいた商品レコメンド(Web接客)のシーンで活用されることが多かったように思う。しかし、そもそもAIとはデータから法則を見つけ、そのアルゴリズムに基づいて機械が人に代わって運用してくれるというもの。EC業界においてもAIの活躍の場はまだまだあるのだ。

 そこで今回注目したのは、国内ではじめてネットショップの運営支援システムにAIを搭載した「bambooshoot(バンブーシュート)」。楽天市場に出店するネットショップ、5000社以上をコンサルティングしてきた経験を持つ、嶋 泰宣さんが代表を務める株式会社マージェリックが9月5日にリリースするサービスだ。

 では、ネットショップの運営支援にどのようにAIを活用するのか。バンブーシュートでは、「オープンデータ(モールのランキングや巷の価格情報 )」「ネットショップがもつ定量データ(売上やアクセス)」「ネットショップのシステム利用状況(行動パターンやスケジュール)」を収集、分析、学習し、売り上げ予測や、取り組むべき施策の提案、A/Bテストを自動化するのだ。
※「取り組むべき施策の提案」、「A/Bテストを自動化」は9月5日時点では未実装、近い将来の実装を目指している。

 つまり、これまでネットショップが時間をかけて行っていた、もしくはやりたくとも手が回っていなかったデータ収集や分析、施策立案の作業が必要なくなるのだ。その結果、ネットショップは最小限の人数で運営し、高い成果を上げられるようになるというわけ。これらは、楽天市場やYahooショッピングとの連携で、多店舗展開にも対応している。

 バンブーシュートが持つ機能を具体的に挙げると以下の通り。
・分析ー売上予測、顧客分析
・準備ー商品管理、デザイン制作、カテゴリ管理、在庫管理(一部オプション)
・接客ー受注受付処理、受注売上集計、サンクスメール、出荷完了メール、広告運用(オプション)、物流代行(オプション)

こうした機能を、上のような管理画面上で確認し、日々の運営に活かすのだ。

 ネットショップが売上を向上させるという目的を達成するためには、様々な道のりが考えられ、どれが正解ということはないように思う。その中で今回バンブーシュートが提供する売上向上のための道のりは「AIを活用し、データから施策を組み、人が実行する。これを高速で行う」ということだ。

 AIを活用することで、人の手では到底追いきれない膨大なデータから法則や傾向を導き出すことができる。一方で、お客様の感情や取引先とのやり取りなど、人が行うべきこともある。バンブーシュートはAIと人が分業することで、ネットショップ運営を効率化し、売上の向上を実現するシステムと言えるだろう。バンブーシュートは9月5日から無料提供が開始される。AIの活用、業務の効率化を考えている方は、利用を検討してみてはいかがだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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