2016年売上発表、6兆円割れで百貨店を通販が抜く?
日本百貨店協会は1月20日、2016年(平成28年)の年間および12月の全国百貨店売上高概況を発表した。苦しい状況が続く百貨店市場だが、打開策はあるのだろうか。また、EC市場にはどのような影響が考えられるのだろうか。
2016年百貨店売上高は2年連続前年割れ
2016年(平成28年)の全国百貨店売上高総額は5兆9,780億円となり、既存店ベース(店舗数調整後)で前年比2.9%減となり、2年連続の前年割れとなった。要因としては、インバウンド需要の減少や、主力商品の低迷などが挙げられる。
インバウンドでは、購買客数は約297万人と前年に比べ18.5%増となったものの、売上高は約1,843億円で5.3%減となっている。商品別に見ると、売上構成の31.7%を占める衣料品では5.8%減、また単価の高い家具・家電を含む家庭用品で5.2%減とマイナスが大きくなっている。
店舗別では、10都市(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡)で前年比2.5%減、10都市以外では3.7%減となり、共に不振が続いている。特に地方の店舗では閉店も相次いだ。
年末の暖かさも悪影響か、2016年12月売上高
2016年(平成29年)12月の全国百貨店売上高は前年同月比1.7%減で10ヶ月連続のマイナスとなった。主要5品目(衣料品・身のまわり品・雑貨・家庭用品・食料品)で前年同月に比べ減少が続いている点はマイナス要因として大きい。特に、衣料品(3.3%減)や家庭用品(5.2%減)でマイナスが大きくなっている。
これらの原因の一つとしては、2016年12月は全国的に平均気温が高く推移したことが考えられる。ただ、年間でも売上減が続いていることを考えると、インバウンド需要の減少など市場全体の背