Web接客ツールを解説&比較!CVと離脱を改善して売上を伸ばす
Webサイト上で接客を行い、リピート率アップや顧客満足度の向上を実現するWeb接客ツール。ここでは、Web接客ツールの導入目的やWeb接客ツールをご紹介します。
Web接客ツールとは?
Web接客とは、ECサイト上でも実店舗と同様に、お客様一人一人に合わせた接客を行うことをいいます。インターネット上では、お互いの顔が見えないため、お客様の行動や心理状態を理解するのは、難しいと考えられていました。しかし、データ分析手法の発達や人工知能の活用など、技術が進化したことで、今やECサイト上のあらゆる成果を分析できるようになったともいわれています。
こうした流れを受け、一人ひとりのユーザーに合わせた接客を行うために利用されているツールをWeb接客ツールといいます。Web接客ツールには、大きく分けて2種類あり、クーポンの配信などを行う「ポップアップ系」とOne to Oneコミュニケーションを促進する「チャット系」に分けられます。
Web接客ツールを導入する目的とは?
Web接客ツールの導入によって、どのような効果が期待できるのでしょうか?Web接客ツールを導入する目的として、「売上アップ」もしくは「顧客満足度の向上」が考えられます。
売上アップ
クーポン配信などを行うポップアップ系のツールを用いることで、売上アップを期待できます。買い物かごに商品を入れたまま離脱しようとしているユーザーや、購入画面で購入をためらっているユーザーに、クーポンを提示したり、「あと〇〇〇円で送料が無料になります」などといったポップアップを提示したりすることで離脱を防ぎ、購入につなげることが可能です。
さらにLTVを高めるために、「定期購入は単品購入より〇%お得です」といったポップアップを用い、単品購入から定期購入に引き上げるのも有効な手段となるでしょう。
このようにWeb接客ツールを用い、ユーザーの状況に応じて、クーポンの提示や疑問を解決に導くことで、売上を伸ばすことができます。
顧客満足度向上
また、チャット系のWeb接客ツールを用いて、顧客の満足度を高めることができます。「購入しようと思った商品について、購入前に知りたいことがある」「掲載されている商品の色違いが欲しい」などといった時に、チャットを用いてリアルタイムに回答をすることで、満足度の向上を図ることができます。
なぜWeb接客が注目されているのか?
ではなぜWeb接客ツールが注目されているのでしょうか?ここでは、EC市場の成長と、技術の発展を主軸に、Web接客ツールが注目を集める理由を考えてみます。
EC市場の拡大と広告費の高騰
経済産業省が発表した2015年度の「電子量取引に関する市場調査」によると、2015年のBtoC-EC市場規模は13兆7746億円、前年比7.64%増となっています。上記のグラフからもわかるように、EC市場は成長を続けています。そんなEC市場に目を付け、EC事業を始めようとする企業も多くあります。
例えば、2014年のYahoo!ショッピングの出店店舗数は2013年12月には2.9万店でしたが、2016年12月の発表では、48万店を上回っており、3年間で16倍になっています。そのほか、無料で自社ECサイトの立ち上げが可能なBASEやSTORES.jpが2012年からサービスの提供を開始し、個人をはじめとする小規模な事業者にもEC事業のすそ野が広がるなど、EC市場の成長と共に、競合店舗も増加し続けているのです。
競合が増加しても、ユーザー数に大きな変化はないため、ユーザーの獲得にかかる広告費(CPC)が高騰しています。その結果、1人のユーザーに1度購入してもらっただけでは、広告費を回収できず、複数回の購入をもってはじめて利益が出るという状況になっています。そこで、1人のユーザーに複数回に渡ってリピート購入をしてもらい、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めるためにWeb接客ツールが活用されています。
ECの利用が広がり、高齢者が購入することも増えてきた
EC市場が拡大するに伴って、ユーザーも広がりを見せており、若い層では中高生、また高齢者もECサイトで商品を購入するようになっています。
総務省統計局「家計消費実態調査結果」によれば、2015年1年間のネットショッピングを利用した出資総額の1世帯当たりの平均は、世帯主が50歳代の場合に155,916円と最も多く、60歳代でも88,392円、70歳以上では43,303円となっています。
70歳以上の世帯については、他の世代に比べ利用率が低いことから平均購入額が少額になっていますが、過去1年以内にネットショッピングを利用している世帯に限って平均購入金額を見ると387,804円となり、少数派ではあるものの、積極的に利用されている様子が伺えます。
しかし高齢者は、若い層に比べ、インターネットやECサイトの利用に不慣れな場合も多く、うまく商品を検索できなかったり、購入手続きに戸惑ってしまったりということも少なくありません。この時、すぐに疑問を解決できるチャットツールや、おすすめの商品を提案するレコメンドサービスなどが快適な購入環境を作り、購買率を高めることになります。
データ分析技術の向上
Web接客ツールが人気を集める背景には、技術の進化も大きな影響を与えています。以前に比べ、データ分析技術が向上したことにより、ユーザーの購入履歴や行動履歴、誕生日や家族構成などのパーソナルデータに至るまで、様々な情報を収集、分析できるようになりました。これらの分析結果を用いることにより、ユーザー個人個人に合わせた接客を実現できるようになったのです。
Web接客におけるAIの活用
商品の検索から購入に至るまでのすべてがインターネット上で行われるECでは、ユーザー行動のほとんどすべてをデータとして収集することができます。多くのWeb接客ツールでは、こうしたデータからユーザーの心理状態を把握し、コンバージョンに導くアクションを実行しており、分析にかかるスピードやその正確性が高ければ高いほど、的確な接客を行うことができるのです。
この時、大量のデータから推論や学習を行うコンピュータプログラムAI(Artificial Intelligence;人工知能)を用いるWeb接客ツールも少なくありません。AIを用いて、分析や推測、アクションを行うことで、人手をかけずに高速でPDCAを回すことができるようになるのです。
EC業界においては、「Web接客」と「AI」という言葉が並列で使われることが多く、混同しがちですが、全く異なるものなので注意が必要です。
ブランドイメージの向上、好感へつなげることも可能
丁寧な接客、自分に合わせた接客を受けたユーザーは、ECサイトに対して好感や良いイメージを持つようになります。接客の積み重根がファンを作り、ブランドイメージを向上させることにつながります。
Web接客ツールの種類
Web接客ツールには、その機能によって「ポップアップ機能」と「チャット機能」の2種類に分けられます。
ポップアップ機能
ポップアップ機能とは、お客様の属性やデバイス、購入履歴、ECサイト上での行動履歴などの様々な情報を活用し、お客様に合わせた接客をリアルタイムに実現できるものです。クーポンやキャンペーンの情報をポップアップ形式で提示し、購入意欲を高めたり、離脱を防いだりする働きをします。
チャット機能
チャット機能とは、Webサイト上を訪れたユーザーとチャット上でコミュニケーションをとり、購入を後押ししたり、商品や購入手続きに関する疑問を解消したりします。リアルタイムで回答を得られるため、離脱率を下げる効果が期待できます。
Web接客ツールの特徴
〇ポップアップ系
Ve PlatformはVe Interavtive社の日本法人Ve Japan株式会社が提供するコンバージョン改善プラットフォーム。Veのタグをサイト内に設定するだけでVeのサービス(リターゲティングメール/離脱時のポップアップ/レコメンド/広告配信)の中から利用したいものを選ぶことができます。また、料金形態はコンバージョンに応じた完全報酬型で、導入コストや運用コストが必要なく、導入しやすいのが特徴的です。
【導入実績】
Shop Japan/メガネスーパー/JUN/HILTON WORLDWIDEなど全世界12,000社以上
Ve Platformのサービス資料はこちらから
ecコンシェル(NTTドコモ)
「ecコンシェル」は、NTTドコモが提供するWeb接客ツールで、お客様に最適なコンテンツを自動で表示することができます。ディープラーニングの最先端技術を持つPKSHA TecnologyとNTTドコモが共同開発した高性能AIを導入しており、サイトの分析やサイト訪問者の分類、効果検証に至るPDCAサイクルを高速かつ自動で実行できるのが魅力です。ECサイトの購入率が平均70%アップ、購入単価が平均400円アップなどの効果が上がっています。
【導入実績】
dショッピング/TOWER RECORDS/マクロミル/マガシーク など約300社
ecコンシェルのサービス資料はこちらから
Sprocket(スプロケット)
Sprocketは、株式会社Sprocketが提供する顧客育成プラットフォームです。ユーザーの行動をトラッキングし、キャンペーン情報やサービスメリットに触れていないユーザーを判別、事前に設計されたシナリオを自動で実行することでコンバージョンアップにつなげます。サイトにタグを埋め込むだけで、閲覧履歴や来訪回数などをリアルタイムで分析、顧客に適したコンテンツを自動で配信できます。
【導入実績】
楽天/ワコール/ベネッセ/森永乳業 など
Sprocketのサービス資料はこちらから
f-tra CTA(エフトラ CTA)
f-tra CTAは、株式会社エフ・コードが提供するWeb接客ツールです。デバイス種別や、閲覧ページ数などのユーザー条件と、閲覧しているページ条件、コンバージョン条件などの組み合わせから個別に最適なCTAを実現。バナーの表示は、設計された3つのトリガー条件から選ぶことができます。
【導入実績】
AOKI/ユニセフ/EPARK/SBIホールディングスなど
〇チャット系
Chamo(チャモ)
Chamoは株式会社チャモが提供する国産チャット接客ツール。サイトを訪問したお客様に、状況に応じたダイレクトメッセージを自動配信する「自動話しかけ機能」を備えているほか、チャットがあった際にプッシュ通知が届き、その場で対応できる管理用アプリを備えており、運用しやすいのが魅力です。また、導入にあたっては、タグを設置するだけでよく、5分でスタートできます。
【導入実績】
SHOPLIST/レディースゴルフウェア通販 ビビゴルフ/スマートバイヤー/GMOイプシロン など
Zendeskメッセージング
Zendeskメッセージングは、Zendesk株式会社が提供するオンライン接客ツールです。訪問者の行動に応じて400パターン以上の自動アクションを設定できるほか、SalesforceなどのCRMツールと連携させることでより精細なカスタマーサポートが実現します。zendesk chatのダッシュボードはエージェントフォトごとに30種類の言語に対応でき、訪問者の原語も自動翻訳されるため、海外からの来訪者が多いサイトでも、オペレータの負担を抑えて運用できます。
【導入実績】
楽天/FRIL/マネーフォワード/チケットキャンプ/HIS など
〇ポップアップ&チャット
KARTE(プレイド)
KARTE(カルテ)は、株式会社プレイドが提供するWeb接客プラットフォームです。属性データや購入・閲覧履歴・SNS情報などあらゆるデータから、来訪者一人ひとりをリアルタイムに可視化し、会員登録や購買につなげることができます。また拡張性が高く、多種多様なサービスと連携し、Web接客が実現できます。
【導入実績】
LUXA/Viibar/ドクターシーラボ/Zoff など1,430社
Flipdesk
FlipdeskはSupership株式会社が提供しているWeb接客ツールです。訪問者がどこから来たのか、何を見ているのかなどの情報を自動で収集し、お客様の状況に合わせた最適な接客を実現します。バナーの表示やページの書き換えに加え、チャットツールも備えており、多面的に接客できるのが魅力です。
【導入実績】
メガネスーパー/Shop Japan/dinos/ベルーナなど
Web接客ツール導入時の注意
商品やサイトのイメージ、ターゲットユーザーなどの条件によって効果的なWeb接客の形は異なります。Web接客ツールを導入し効果を出すにあたっては、ユーザーの購入体験を演出するシナリオ設計をしっかり行ったり、導入後に計画的にPDCAサイクルを回すなど、工夫を重ねる必要があります。Web接客ツールを導入して満足するのではなく、しっかり運用体制を整え、計画的に取り組むことが重要です。
Web接客ツールに関心がある方や、導入を検討されている方は、Web接客ツールのサービス資料の一括ダウンロードをご活用ください。