市場規模2.4億円以上。Instagramスポンサード投稿急増のワケ【THECOO調べ】
THECOO株式会社は、Instagramにおけるスポンサード投稿数に関する調査を行い、2015年7月から2016年12月の間でスポンサード投稿数が急激に伸びているという記事を出した。
スポンサード投稿とは、多くのフォロワーを抱えて影響力を持つインスタグラマーに対して企業が広告行為を依頼し、インスタグラマーが行う投稿のことだが、なぜこういった形の広告が急に数字を伸ばしたのか、掘り下げてみたいと思う。
上記の図から読み取れるように、Instagramのスポンサード投稿は、2015年には年間わずか16件しかなかったが、2016年では年間1,000件を越える規模に拡大している。特に2016年後半は、四半期ごとに140%以上ものペースで成長している。
2016年のスポンサード投稿全体の延べリーチ数は約7,000万フォロワーに達するとしている。スポンサード投稿を依頼する際の費用を、仮に1フォロワー3.5円として計算した場合、2016年のインスタグラマーの広告市場規模は、少なくとも年間2.4億円以上にのぼると推定される。
「マイクロインフルエンサー」のスポンサード投稿の増加
スポンサード投稿を行っているインスタグラマーの平均フォロワー数は、2016年7-9月におよそ8万人だったのに対し、2016年10-12月期においては、およそ6.5万人へと減少傾向にあるという。これは以前と比較して、よりフォロワー数の少ないインスタグラマーがスポンサード投稿を行うようになってきたことを示している。このことから、企業が起用するインスタグラマーは、人気インスタグラマー以外にも広がっていると考えられる。
「大きな数字を持つ1人の著名人」よりも、フォロワー数1万~10万ほどの「マイクロインフルエンサー」の方がファンとの結び付きが強く、影響力が大きいとされている。1人のビッグネームより10人のマイクロインフルエンサーと契約したほうがコンバージョン率が高い事が分かってきたのだ。
スポンサード投稿の延べフォロワー数を調査した結果、 2016年10-12月期では、延べ2,600万人にリーチしていることが分かった。これは1ヶ月あたり延べ860万人にリーチしている計算だ。Instagramの月間アクティブユーザー数は1,600万人と発表されているので、半数以上のユーザーがスポンサード投稿を目にしているといえる。そういった意味でも2016年は、Instagramでのスポンサード投稿が広告手法として非常に大きな存在感を持ち始めた年だと位置づけられる。
正しいインフルエンサーマーケティングで適切な広告を
昨今、消費者のニーズは「モノ」より「コト」へ。「組織」より「個人」へ移ってきている。広告もそれを追うように個人の発信力に頼る方向へ徐々にシフトしてきている。大規模で手の届かないような著名人よりも、親近感の湧きやすいマイクロインフルエンサーの方が、ユーザーは「共感できる」と言い、広告としてその影響力は侮れない。
YouTuberやブロガーなどに商品紹介を依頼するインフルエンサーマーケティングはこれからまだ広がりを見せるはずだ。キャスティングサービスを提供する企業も増えていて、インフルエンサーを起用するハードルは下がっている。しかし、ただインフルエンサーを起用すれば良いかといえばそうでもなく、広告を出したい商品の性質を見極め、マーケティングの手法の一つとして上手く選択肢の中に組み込むことができれば、おのずと成果は上がってくるだろう。