アンダーワークス株式会社小売業界、EC、顧客行動のデジタル化をインフォグラフィックに

アンダーワークス株式会社は、顧客行動のデジタル化2関する各種調査データから、2012年におけるデジタル化の進展をインフォグラフィックとしてまとめた。リアルの小売全体の市場規模と比較して、まだまだECの市場が小さい一方で、店舗来訪前後で顧客行動がデジタルに大きくシフトしつつあることがわかった。

■消費行動の中でインターネットを利用する人が過半数超
経済産業省の調査によると、国内BtoC向けEC市場規模は9.5兆円と、個人消費全体の3.1%を占める結果となった。また、日常的にインターネットを利用して購入に向けた情報収集をしている人が54.5%、店舗に来店する前に価格をインターネットで調べる人は69.4%と過半数を超えている。

商品を購入することにおいて、「インターネットのみで完結する取引」が6%程度存在しており、17%がインターネットと店舗が連携した取引となっていることもわかった。O2O市場は30兆円近くにのぼり、今後も大きな伸びが予想されるとのことだ。

通販市場全体のうち65%がインターネット通販

国内小売店鋪の総数は2007年の段階で113万店舗存在し、その総売り場面積は1.28億平米。東京ドーム2740個分に匹敵する広さになる。一方で、国内のECサイトは8万サイトを超え、カタログ通販事業者2万社の4倍にものぼると言われている。

通信販売市場全体の規模は約7兆円あるが、カタログ通販の割合は22%と縮小傾向に。しかし、インターネット通販は約65%と通販市場の過半数を占めている。

物販EC、モバイル経由での購入が年々増加

物販のECが全体の4,7兆円の中で、3.7兆円と多くがPCからの取引となっているが、スマートフォンなどのモバイルの割合は0.9兆円と、年々大きく増加している。また、モバイル経由のECのうち0.84兆円はスマートフォン経由での購入とのことだ。

EC全体のうち、約2割の人が「ショールーミング」と呼ばれる“店舗で実物を確認してから、購入はインターネットで行う”と回答している。また、デジタルコンテンツ市場(7.5兆円)と物販をあわせるとEC市場の規模は約6兆円である。

Amazonの国内売上高(7300億円)と楽天の流通総額(1.3兆円)をあわせると、およそ2兆円とEC全体の約3割がAmazonと楽天の独占状態にあることもわかった。

小売業界のECへのシフト、顧客鼓動のデジタル化の参考に

アンダーワークス株式会社は、ECの市場規模などは調査する企業によって若干の違いがあり、特にデジタルコンテンツなどの物販以外の取扱いによっても数値が異なるため、整合性が合わない部分もあるとしている。

また、2012年のデータを中心に利用していることから、モバイルやO2Oなどのデータが現状よりも古く感じられるかもしれないが、ざっくりとした小売のECへのシフトや顧客行動のデジタル化の参考になれば幸いだとまとめている。