歓喜の涙に胸熱く!GMOペパボが「カラーミーショップ大賞」開催。今年の頂点は?

石郷“145”マナブ

 グッと胸が熱くなり、会場で涙腺が緩んだ。GMOペパボ株式会社が主催する「カラーミーショップ大賞」が、セルリアンタワー東急ホテルで開催され、カラーミーショップを利用する全国のネットショップの中から優秀な店舗が表彰されたのだ。

 同大賞への応募は、誰にでもその門戸が開かれていて、ショップはエントリーをすると、公正な審査の後に、この「カラーミーショップ大賞」の中で表彰されることとなり、自分たちの日頃、店舗運営にかける想いがここである意味、結実する。年一回の開催で、賞の中身は「大賞」、「優秀賞」、「特別賞」、「ジャンル賞」、「日本文化奨励賞」、「地域賞」といった具合で、バラエティにとんでいて、カラーミーショップの幅の広さをうかがい知れる。

カラーミーショップの魅力とは?

カラーミーショップの魅力とは?

 思うに、僕の中では、カラーミーショップというと、とりわけ商品への思い入れが強い運営者が多いイメージがあって、それは、事業の大小を問わず、そのオリジナリティを追求できる仕様と、誰でも取り組める間口の広さが理由だと思っている。

 本来、ネットに縁もゆかりもなかったはずの人たちが、カラーミーショップを通して、自分たちの持つ潜在的可能性に気づき、個性を放ち続けていることも多い。だからこそ、この授賞式は、ネットショップが集まる催しの中でも、特に、様々な運営者の“個性”に触れられる貴重な機会だと思っているのだ。

 一人一人の受賞者には、思いもよらないストーリーも多い。僕は、その話を聞いてみたくて、GMOペパボの今津美樹さんに話すと、幾つかの店舗を紹介してもらったので、特に印象的だったところを、せっかくなので、ここで取り上げたいと思う。

熊本の今を伝える「のはら農研塾」

熊本の今を伝える「のはら農研塾」

 まずは優秀賞を受賞した「のはら農研塾」だ。彼らの拠点は熊本。熊本はいうまでもなく震災の影響があり、彼らもまた震災が起きた昨年4月から8月まで、自らの倉庫で暮らしていたという経験を持つ。

 ただ、人生とはわからないもので、この震災が彼らのネット通販への思いをかえていく。震災が起きた際、福岡の企業が救援物資を運んでくれた際、彼らは救援物資を下ろしたその車に、自らの商品であるスイカを積んで、渡した。福岡の企業は、そのスイカを販売したところ、SNSをキッカケに、全国的な人気を得ることとなり、彼らの意識に火がついた。一人でも多くの消費者に対して、スイカを売りたいという思いから、それまでやっていたネット通販の販売の環境を本腰入れて整え始めたというのだ。

 そして、全国の人たちにスイカを売れるようになった今、彼らは一つの使命を感じることとなる。熊本で生産されたスイカを一人でも多くの人に売ることは、全国の人たちに熊本の今を伝えることになる、と。こう考えると、ネット通販の商品は、メディアとしての役割も担っているように思う。

ECで息を吹き返した醤油屋「タケシゲ醤油」

ECで息を吹き返した醤油屋「タケシゲ醤油」

 続いて、取材に答えてくれたのは、メディア賞を受賞した「タケシゲ醤油」だ。彼らは、100年以上の歴史を誇り、オリジナルの醤油を製造している。自らも実店舗を持ち、とはいえ、時代の流れにより、それが受け入れられなくなることを実感し始めていた。まさに、その事業を畳もうとする中で、彼らはいろいろなきっかけで、自らの醤油を求めて問い合わせをくれるお客様の存在に気づくのだ。

 彼らの話を聞いていて思ったのは、味の奥深さだ。考えて見てほしい。味の濃いものを求める地域もあれば、薄味を好む地域もある。つまり、この醤油屋が事業を辞めてしまおうと思っていて、一見、受け入れられないと考えていたその味は、実は、土地が変われば、必要とされる味であったわけだ。

 そこで、ネットの力が生きてくる。光が当たらぬその醤油の味は、ネットの力で、必要とされる人の手の元へと届けられるようになり、それは、その醤油屋の息を吹き替えす原動力となったのだ。

受賞店舗を一気に紹介

受賞店舗を一気に紹介

 おそらく受賞店舗に限らず、運営するすべての店舗に、こうしたストーリーはきっとある。さて、それでは、受賞店舗をまとめて紹介しよう。
以下の通りとなる。
優秀賞 エアコン本舗
優秀賞 かわしま屋
優秀賞 Chubby Balloon
優秀賞 中出農園
優秀賞 nunocoto
優秀賞 BALANCE STYLE
優秀賞 パンと日用品の店 わざわざ
優秀賞 フスボン
優秀賞 BOX&NEEDLE
優秀賞 のはら農研塾
特別賞 ベスト店長 全国ご当地アイスクリーム便やまざと.com
特別賞 ベスト店長 田嘉里酒造所
特別賞 ベスト店長 BLANC PAIN
特別賞 10年 美味しい焼き海苔屋
特別賞 新人 W N.Y.C.
特別賞 新人 BOWKNOT
特別賞 PR ショコラ ドゥ シマ
特別賞 PR 和豚もちぶたオンラインショップ
特別賞 Amazon Pay お米と雑穀の専門店 石川商店
特別賞 Amazon Pay CLASKA ONLINE SHOP
"にっぽん文化奨励賞"
日本の伝統産業に新しい価値をつける取り組みをしているモノ 和ろうそく 大與
地域ならではの商品を全国に発信しているフード パン豆 ひなのや
地域賞 東北 奈良屋
地域賞 東北 つもりプロジェクト
地域賞 東北 庖丁工房タダフサ
地域賞 北陸 津田水引折型
地域賞 中部 富士箱根湧水おふや
地域賞 四国 tet.
地域賞 四国 半田そうめんの白滝製麺
地域賞 九州 下川織物
地域賞 九州 五島がごちそう。浜口水産
地域賞 九州 宮崎上水園
ジャンル賞 アパレル APPLEHOUSE ONLINESTORE
ジャンル賞 雑貨 うちる
ジャンル賞 そのほか CartonnageArt
ジャンル賞 そのほか 書遊Online
ジャンル賞 そのほか Stamp Road
ジャンル賞 調味料 タケシゲ醤油
ジャンル賞 雑貨 NEHAN TOKYO
ジャンル賞 雑貨 hickory03travelers
ジャンル賞 スイーツ 洋菓子の家mimi
ジャンル賞 アパレル La Barba オンラインショップ

大賞は「BALANCE STYLE」。涙はいつしか嬉し涙へと。

大賞は「BALANCE STYLE」。涙はいつしか嬉し涙へと。

 そして、気になる今年の「カラーミーショップ大賞」はどこだろうか。大賞となったのは「BALANCE STYLE」だ。店長の高畠侑加さんは、大賞が発表されるやいなや、力強く拳を上げた。そして、目を潤ませて、記念のトロフィーを受け取ったのだ。

 涙の理由は昨年にある。実は、「BALANCE STYLE」は昨年もエントリーしたものの、優秀賞どまりで涙を呑んだ。彼女は言う。「何事もやるからには、ナンバーワンで」と。そして、悲願の大賞を手にしたのだった。今年の涙は悔し涙ではない。嬉し涙である。心から拍手を送りたいと思う。

 さて、この「BALANCE STYLE」のテーマはサッカーシーンにおけるセレクトショップという。高畠さんはこう話す。「ネイマールのファッションが注目されるように、サッカーは数多くのスポーツと比べスタイリッシュな存在です。そこで、そこに特化したセレクトショップというテーマは、きっと受け入れられると考えました。今では3000商品にも及びますが、10代から50代まで、根強いファンがいます。」と。

 また、彼女がこのショップを立ち上げたのは19歳の時で、その頃は、本田圭佑選手がつけていた『GaGa MILANO』などを販売し、見事ヒットをつかんだ。彼女の感性と行動力には唯々驚かされるばかりである。

 彼女の力強さと粘り強さが大賞の要因であろう。同店の向かう先には、海外も視野にある。2020年のオリンピックの年には、日本人だけでなく、海外の人にも買ってもらえるサイトを目指したいと夢を語る。

 時に涙を浮かべる姿を見るにつけ、それだけ店の運営に思いを込めてきたのだと痛感させられる。ある種、このイベントは店舗にとっての節目であり、ここでの受賞が次なるステージの始まりなのかもしれない。カラーミーショップは、一人一人の個性を大事にしながら、いろんな人の可能性といろんな人の夢を乗せて、また一歩前へと歩き出す。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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