「&go」ベータ版8月公開予定。暗号通貨で国際間決済取引をスマートに
村式株式会社は、2016年度の経産省「飛び出せJAPANプロジェクト」のモデル事業として日本ーフィリピン間における実際の貿易決済に暗号通貨を導入した商取引プラットフォームの実証実験を行い、取引の迅速化と大幅なコストダウンに成功し、ブロックチェーン技術と運営ノウハウを活用して、新たなインターネットサービス「&go(アンド ゴー)」を開発した。まずは暗号通貨によって国際間の決済を行う際のコミュニケーションをサポートするサービスプラットフォームの提供を開始。ベータ版を2017年8月に公開予定だという。
いまやBitcoinをはじめとした暗号通貨は、「お金の価値」の価値を根本から変えようとしている。「&go」という新たなサービスもそのひとつとなる予定だ。「&go」は暗号通貨によって国際間の決済を行う際のコミュニケーションをサポートするサービスプラットフォームだ。
これまで国際間の決済は従来の銀行による中央管理型データベース照合だったが、それに代わり、一連の流れをBitcoinで行うというものだ。これによって何が起こるかというと、まずは自国通貨を相手先通貨や基軸通貨へ変換する必要がなくなるということ。
例えばこれまではユーロ使用圏に代金を支払おうとした場合に「円→ユーロ→支払い」という流れだったが、「Bitcoin→支払い」という流れにできる。様々な国や地域と取引がある場合、全ての支払いをその都度、その国の基軸通貨に変えて支払う必要がなくなるのだ。
そして&goのサービスプラットフォームは、複数のBitcoin交換所におけるレート変動のモニタリング機能を有しているので適切なレートとなったタイミングでの交換指示が可能。ユーザーがネット上で決済プロセスをトレースでき、取引の確実な着地を確認できるという。つまり支払いの前後の「円→ビットコイン」と「Bitcoin→円」を自分のタイミングで交換できるので、レートの変動次第では大きく増額することも考えられる。
つまりは国ごとに決められた通貨単位ではなく、世界でオープンな形で利用される通貨でやりとりを行えば、もっとスムーズに取引が行えるようになるということ。金融資本から信頼資本経済の新しい世界が見えてくるということになる。
お金の価値観の遷移と、これから持っておくべき柔軟な思考
「仮想通貨なんて信用できない」という古い考えも未だはびこっているが、よくよく考えると昔の貨幣は「金」など、その物自体に価値があるものだった。それが「紙」になった時の人々の不安はどうだったのだろうか。
当時のことを考えるとかなり先端の信頼資本経済の始まりだったのではないかと思う。「この紙には一万円の価値があります」といったところでにわかには信じられなかったはずだ。それが今や何事もなかったかのようにその紙には一万円の価値があると認識され普通に利用され、クレジットカードが出現し、オンラインバンクも整備された。
今起こっていることは根本的にはその一連の流れの延長上にあるのだと僕は理解している。技術の進歩によって金や紙幣のような現物の有無はもはや必要ない時代になった。国境を越えても同じ価値を共有できる。国内でも飲食店や美容室、ネットショップなどでもすでにBitcoinが使用できる店舗は増え続けている。
ECは仮想通貨などと非常に相性が良い。海外の商品等も円に換算する必要がなく、これまで以上にシームレスな取引が可能になるだろう。「まだ円で取引してるの?」なんていう日が来ることもそう遠くはないのではないだろうか。