スクロールが浜松にコスメ・サプリ専用の物流センターを新設

スクロールロジスティクスセンター浜松西の完成予想図


株式会社スクロール(旧名ムトウ)は、7月31日、スクロールロジスティクスセンター浜松西内に新たに物流センターを建設し、2015年3月から稼働を開始すると発表した。
この施設の新設により、正確性や商品品質の維持、衛生やセキュリティ管理で高い物流品質を実現するとともに、出荷処理能力を30%向上させることを目指す、という。

システマティックに大量の荷物を処理する物流センター

スクロールロジスティクスセンター浜松西は鉄骨造り5階建てで、床面積は9600平方メートル。膨大な物流量に対応するために、最新の物流装置の導入と倉庫内管理システム(WMS)の刷新によって、入荷から保管、仕分け、検品・梱包、出荷までシステマティックな物流体制を築いている。

SLC浜松西には毎日、膨大な梱数の商品が入荷する。カートンに貼付けたラベルをバーコードスキャナーで読み取り、あらかじめ取引先から送信された入荷予定データと照合して検収。同時に保管するロケーションが自動で振り分けられ、ケース表示ラベルを貼付した保管ケースが指定の保管場所まで運搬される。

さらに保管ケースから一度に240人分の商品を取り出す「バッチ(かたまり)ピッキング方式」を採用。ピッキングした商品はコンベアラインで運ばれ、ソーター仕分けシステムへ次々と投入される。システムでは1時間当たり18,000点の処理能力で1次仕分けを行い、さらに検品・仕分けを経て、梱包して出荷する。

着々と「戦い」の布石を打つスクロール

ロジスティクスは「物流」を意味する英語だが、この言葉は軍隊用語の「兵站(へいたん)」から来た。兵站とは最前線で戦う兵士たちに武器や弾薬、食料などの輸送することをいう。
戦争では兵站が重要だ。19世紀初頭、ナポレオンはその巧みな兵站戦術でヨーロッパを席巻した。しかし、物資の供給に失敗したロシア遠征で敗北し、転落して行った。その意味で、最新のシステムを取り入れた物流センターの持つ意味は大きい。

スクロールにはほかに衣料品に強みを持つスクロールロジスティクスセンター磐田(静岡県磐田市)と食品をおもに扱うスクロールコールドセンター(静岡県浜松市がある)。ここにコスメ・サプリに最適化したスクロールロジスティクスセンター浜松西が加われば、スクロールの物流能力は大きく拡大することになる。