プレイド、資生堂「ワタシプラス」に接客プラットフォーム「KARTE」を導入。モーメント対応が分けるECの明暗
株式会社プレイド(東京都品川区、以下プレイド)は、提供しているウェブ接客プラットフォーム「KARTE(カルテ)」を、 2017年4月より資生堂が運営する総合美容サイト「ワタシプラス」に導入した。
「KARTE」は、サイトへ来訪した利用者の特徴や行動をリアルタイムに解析して可視化し、個々の利用者に合わせたコミュニケーションを実現するサービスである。メールやLINE、SMSやブラウザ通知など、サイト外にいる利用者へのアクションも可能。
2015年3月にサービスを開始し、累計解析ユーザー数は12億人、年間のEC領域解析売上金額は5000億円。導入社数はECのほか金融・不動産・人材などあらゆるカテゴリで1,430社(2017年2月末時点)を超えている。
KARTEの導入によって顧客のモーメント(利用者が今何を考えているのか)に合わせた提案やコミュニケーションが、ウェブサイト上でも可能となり、同社がデータの活用で目指す、顧客一人ひとりに最適なコミュニケーションを提供するワン・トゥ・ワンマーケティングを実現する。
これまでも キリン株式会社や マネックス証券株式会社等、様々な大手企業に導入されている。
参考:https://www.ecnomikata.com/ecnews/15503/
https://www.ecnomikata.com/ecnews/15774/
顧客データの「活用視点」でも広がるKARTEの導入
スマートデバイスやSNSなどデジタル環境の普及によって、企業と生活者との接点が多様化する中、オンラインやオフラインに点在する顧客や商品の情報を統合・蓄積するためにプライベートDMPの構築を行う企業が増えている。
DMPに蓄積した顧客データの分析はもちろんのこと、「実際の顧客コミュニケーションにおいてもデータを深く活用したい」という企業のニーズが高まる中で、KARTEは①ユーザー軸でのリアルタイムデータ解析、②個客に合わせた幅広いアウトプットへの展開、③既存の他種DMP・MAツールの連携面における親和性が高いという3つの特徴から、今回「ワタシプラス」に導入されたのである。
全ての顧客接点で伴走型CRMを実現
資生堂はこれまでにも、 プライベートDMPやMAツールの導入によって、 広告やメール、LINEといった自社サイト外のコミュニケーションを、同社の目指す顧客伴走型のコミュニケーションとして実現していた。
今回KARTEの導入において「ワタシプラス」のサイト内でも顧客のモーメント(利用者が今何を考えているのか)に寄り添ったコミュニケーションが可能になり、全ての顧客接点で同社の実現したい伴走型のCRMが可能となった。
2017年5月には「ワタシプラス」5周年を記念し、KARTEを利用してまだ会員登録をしていないビジターユーザーと既に会員となっているメンバーユーザーに対して、クーポンの訴求内容をKARTEで出し分けるだけでなく、クーポンをリマインドするタイミングなどを細かくセグメンテーションした施策を実施。商品購入率が約2.5倍になった事例がある。
今後は、KARTEで得られた「ワタシプラス」上の行動データをプライベートDMPに戻し、顧客の趣向や好みをより詳細に捉えていくことも検討しており、実現した際にはメールやLINEといったサイト外のコミュニケーションにもそのデータを活用していく予定だ。
モーメント対応が分けるECの明暗
「女心と秋の空」ということわざがあるが、資生堂がターゲットとする女性の考え方は変わりやすい。すなわち、モーメントが変わる速度が速い。だが、それゆえモーメントに合ったコミュニケーションを提供できれば、成約率は高くなると言える。
そんなモーメントに随時対応していくサービスは必須であり、全ての顧客接点で伴走型のサービスが提供できるようになれば実績が伸びるのは当然だ。
人付き合いの基盤となる「コミュニケーション」をいかに適切に行うことができるか。この永遠のテーマは、対面ではないECでも非常に重要であり、ここで差別化していくことがEC業界で生き残る術となるのだ。