ヤマト運輸、アパレル通販の弱点を克服!試着ができる新たな拠点を創設
ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長 山内 雅喜、以下「ヤマトホールディングス」)は、ネットで注文したアパレル関連商品を実店舗でフィッティングし、受け取りができる新しいスポット『Fittingステーション』の実証実験を2018年1月4日から実施することを発表した。
ヤマトの新事業提案制度から生まれたアイデア
『Fittingステーション』は、現場発のアイディアを具現化するヤマトグループの新事業提案制度「New Value チャレンジ」から生まれたものだ。「世の中の役に立ちたい。お客さまにもっと喜んでもらいたい。」という思いを持つ社員のアイディアを広く募集し、有望な提案については社内外の知見を結集させて、新サービスや事業モデルの創出を目指す意欲的な取り組みとなっている。
<実証実験の概要>
◆期間:2018年1月4日(木)~3月30日(金)
◆場所:アトレ大森店 3階(改札階)イベントスペース
(営業時間10時00分~21時00分、土日祝含)
◆実験内容:
参加事業者指定の通販サイトから注文した際に、受け取り場所を「アトレ大森店」に指定することで、『Fittingステーション』での受け取りと試着ができる。返品の場合も、常駐の専門スタッフが対応する。なお、今回の実験では、決済が完了した商品のみを対象として実施するそうだ。
◆実証実験参加事業者一覧(12月20日時点):
五十音順
・株式会社かねまつ
・株式会社三陽商会
・株式会社ディノス・セシール(2月6日よりスタート予定)
他1社 が1月22日よりスタート予定
試着して気に入らなければもちろん返品可能
今回の実証実験では、購入者は、ECで商品を注文する際に本サービスを申し込むことで、指定した『Fittingステーション』で受け取り、その場で試着できる。イメージと異なる場合には、返品手続きを『Fittingステーション』常駐の専門スタッフに依頼することが可能となっている。2018年1月4日から実施する実証実験では「注文した商品の保管」「試着」「受け取り」「返品(一部事業者除く)」のサービスを提供する。
実証実験後に本格的にサービスが開始された場合には「注文した商品の保管」「試着」「決済」「受け取り」「返品」までの、決済を含んだ一連の流れについて提供する予定で、ユーザーは、商品の購入の可否についてもリアル店舗で決められることになる。
実証実験の成果やいかに
アパレル市場ではネットによる販売が引き続き拡大しているホットな分野だ。リアル店舗を持つ小売・流通業界やアパレル事業者もEC強化の取り組みを急速に進めている。
一方でそうした市場が成長に伴い、ファッション関連の商品を購入したユーザーからは、リアル店舗での購入に比べて「実際のサイズがわかりにくい」「試着ができない」「色やデザインが画面だけでは分かりにくい」「届いた商品がイメージと異なる」などの声も多く聞かれるようになっている。また「平日は仕事で商品を受け取れない」「自分のタイミングで荷物を受取りたい」といった新たなニーズも発生している状況だ。
同時に、アパレル関連のEC事業者は「もちろんユーザーのニーズは把握しているが、実店舗の出店には多額の費用が発生する」「購入者からの商品返品が遅いため、販売機会のロスが発生している」などの課題があった。
今回、ヤマトホールディングスでは、生活導線上のリアル店舗に『Fittingステーション』を用意し、ユーザーのニーズに応えるとともに、アパレル関連EC事業者に試着室をシェアすることで出店障壁を下げ、双方のニーズや課題を同時に解決する新たなサービスの実証実験を行うことになったのだ。
同社では、今回予定されている実証実験の結果を基に、2018年度中の実用化に向けて取り組んでいくとしている。物流業界のトップクラス企業がリアル店舗とネットショップの融合を推し進めるのはアパレル業界をはじめとしたオムニチャンネル化の流れをさらに加速させることだろ。本格サービス開始に向けた動きにぜひ注目したい。