中国越境ECに風穴開ける「RED」!コミュニティとEC連携させ、商品の付加価値を最大化

石郷“145”マナブ

中国で最大級の越境ECアプリ、小紅書(RED)(以下、RED)が今、海外展開に関しての記者会見を行っている。REDが海外進出の最初の国として選んだのは日本。最初の海外拠点として日本を選んだ背景には、REDの売り上げの中でも日本のマーケットは一番となっていて、中国ユーザーが日本の商品に対しての関心が高いことにある。

 REDとは何だろうか?モバイルに特化した中国のECショッピングモールである。同社は2013年設立で、この時期は、モバイルを使う機会が増えてきた頃であり、中国国内で消費のレベルアップが起こった時期でもある。そういった背景もあり、彼らはECをスタートしたことで波に乗った。2015年6月には1ヶ月で10億人民元の売り上げを作り、2017年6月にはわずか2時間で10億人民元を達成するほどまでに急成長を果たしたのだ。

商品の付加価値と優位性を明らかにするRED

 彼らの特徴はどこにあるかというと、ECとコミュニティを密接に結びつけていることにある。自分の趣味嗜好に合わせて、コミュニティを選び、そのコミュニティ内で記事を選び、記事から商品を見つけることができ、そこで購入することができる。

 コミュニティではコスメであれば、ファッションウィーク、映画祭などの情報も盛り込みながら、また、KOL(キーオピニオンリーダー)などとの交流も行われて、商品を購入できる。発売したての商品で使い方がわからないものであっても、REDのなかでそれが明らかにされるために、実用的な一面も持っている。

 勿論、ユーザー側が書き込みをすることができ、これらが見るものにとってのユーザー体験をさせることとなり、商品の良さをより深く伝えることとなっている。実際、アプリを使う回数、中国のユーザーは1日2回見ており、閲覧する時間は1日16分と長い。

メディアとECの強みを最大化させる物流環境もある

 また、日本から直接、中国のユーザーに届ける物流のインフラも整っている。物流に関しては3つのパターンがあり、「REDエクスプレス」という、海外のお客様が商品を倉庫に入れて輸送し、配送もREDが担当していくものをはじめ、すでに中国に進出している企業が、より効果的にお客様にふさわしい形で早く届ける仕組み「REDドメスティック」、中国である程度、浸透している企業ゆえの「REDボックス」などがあって、段階ごとに使いこなせる環境がある。

 同社は、上記に示したコミュニティとしての強みにより、深い関心を持つもの同士の交流の場を作り、商品が持つ「良いストーリー」「良いデザイン」を「口コミ」で広げ、影響力と信用を高めて、購入につなげている。また、日本商品への関心も高いため、自分たちの商品やブランドに自信を持っているブランドたちは是非、この場を通して、新しい顧客を開拓して欲しいとしている。

 越境ECの新しい売り場として、REDがあることを示すニュースではあるものの、僕としてはこの中身の方が気になっている。スマートフォンが浸透して、限りなくECの現場も大きく変わりつつある。マスメディアで大きな販売量を引き出すのが全てではなく、個々人や小さなコミュニティがそれぞれの趣味嗜好に合わせて、小爆発ヒットをつかむ時代になってきていることに大きな可能性を感じた。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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