【ダイレクトメールとEメール】告知手法の違いを考える。〜トッパンフォームズ調べ〜
デジタルハイブリッドのトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、株式会社AOKIが展開するORIHICAのEC事業部門の協力の下、ダイレクトメール(DM)とEメールを活用した告知手法の違いによる販促効果を検証する実地調査を行ったという。
インターネット広告が主流となったいま、改めてダイレクトメール(DM)の効果が見直されている。その効果を実証するためトッパンフォームズはORIHICAのEC事業部門と協力し、実地調査を行った。その結果が発表されているので見てみたい。
まずは対象者のセグメント。DMは一般的にEメールよりCPA(顧客獲得コスト)が高いため、EC業界でのCRMはEメールが主流になっている。本調査ではレスポンス率が悪くCPAの高いDM販促でも容認されると考えられる顧客層(ロイヤルティーが低い層)から対象者を抽出している。
「DM」と「E メール」のクロスチャンネル販促調査結果
実地調査の結果として「DM+Eメール」で告知した方が「Eメールのみ」の告知よりも、購入件数で2.5倍、売上金額で1.9倍に増加する結果が得られたという。
特にEメール到達率が低い離反顧客層では、顕著な効果が見られ、CVRは実に「Eメールのみ」の3.9倍に達し、売上金額も2.9倍に増加する結果となった。
また、本調査では合計3回(①キャンペーン開始告知 ②中間リマインド ③キャンペーン終了直前告知のリマインド)のEメールによる告知を配信している。「Eメールのみ」顧客はメール配信日には売り上げが上がるが、それ以外は効果が継続せず低調な結果だった。一方「DM+Eメール」顧客はメール配信日以外でも販促効果が続き、休日を中心に堅調に推移した。
特にキャンペーン最終日には1日当たりの最高売り上げを記録。これにより顧客の手元にDMがあり、いつでも目にするロングターム効果とともにデジタルとアナログのクロスチャンネルによる相乗効果がとても高いことが実証された。
自店に最も効果が出る手法を考え続ける
EC業界では「Eメール」がCRM手法の主流となっていると先述した。しかし最近はEメール広告の氾濫で開封率や販促効果が低下している。特に離反顧客層では迷惑メールとして処理されることも多く、販促手段としての機能が極端に低下していると言われている。また「迷惑メール防止法」によってEメールを送る際にはオプトイン(顧客同意)取得が求められるが、一般的なECショップでは半数近くの顧客が販促Eメールの受け取りを拒否しているのが実態だ。
このような状況から近頃はDMが見直されつつある。今回の実地調査では売上額だけでなくDMコストも検証。広告効果を表す指標であるROAS(広告の費用回収率)やROI(投資対利益効果率)などによる検証を併せて行った。
その結果、販促効率が悪かった離反顧客層を含めた全体でもROAS4.4、ROI1.6の数値が得られたことより、デジタル販促とアナログ販促をクロスチャンネルで活用する工夫により、DMが売上増に資するだけでなく、十分な費用対効果も得られる販促手段であることを実証した。
ありふれたEメールでの販促は「想い」の部分がなかなか伝わりづらいのも事実だ。それをしっかりとユーザーに届けて成果に繋げるという意味で、こうした検証結果と照らし合わせて自店に最も適した広告手法を導き出してほしい。