佐川急便「飛脚ジャストタイム便」をリニューアル

■「ピンポイント」の配達時間ニーズに対応

SGホールディングスグループの佐川急便株式会社は、飛脚ジャストタイム便を9月22日からリニューアルすることを発表した。

飛脚ジャストタイム便は、翌日午前9時からの1時間単位の指定配達が可能で、急ぎの商品などの配送などに利用されている。しかし、最近は顧客から「早い時間の配達はもちろん、もっとピンポイントの時間に配達してほしい」というニーズが多いことから、これに対応できるスキームに変更し、顧客の「この時刻に届けてほしい」というニーズにより的確に応えるものだ。

対象エリアは全国。取り扱いサイズは、3辺合計260㎝以内・重量30㎏以内の、一人での取り扱いが可能な荷物で、飛脚ジャストタイム便専用運賃が適用される。

新しい飛脚ジャストタイム便では、指定配達時間帯は従来の1時間間隔からよりピンポイントの指定ができるように30分間隔に変更される。
また、深夜・早朝の納品にも対応できるように24時間配達とし、指定時間に配達ができなかった場合は、運賃は全額返金となる。

ただし、遠距離を中心に送料は一部改定。届け先は法人限定だ。

■ジャスト・イン・タイムでのものづくりも可能に

科学が発達した現代でも、インターネットを通じて「もの」は送ることはできない。飛脚ジャストタイム便は、急いで確実にモノを必要とする現代の社会に則したものだが、30分単位となれば、さらに確実性は増す。
ユーザーにとっての利便性は向上し、顧客の増加が期待できる。24時間体制となれば、工場にジャスト・イン・タイムで部品を送って、小規模な会社でもトヨタ自動車のような合理的な生産体制を整えることも可能だ。

もちろん、佐川急便にとっても、メリットはある。まず、顧客の獲得に結びつく。
また、届け先で確実に受け取ってくれるのなら、再配達のロスは生じない。再配達が多いと仕事の多忙化を招き、ひいては人件費を押し上げる原因になるが、ロスがほとんどなければ、そういった問題は生じない。

配送は「翌日午前9時から」なので、急な届け物に対応するのと違って、案外ペースは守りやすいように思われる。

もちろん正確な時間での配送によってドライバーに負荷はかかるだろうが、競争が激化する宅配便業界で生き残っていくためには、サービスの向上は欠かせないのだろう。