日本郵便がメガ物流局を新設計画/成長する通販市場への対応を強化

■高速道路の近くに、東京ドーム並みの施設を建設予定

日本郵便(JP)は「郵便・物流ネットワーク再編」の取り組みの一環として、営業倉庫を併設した大型地域区分郵便局の設置を進める。

これはインターネットの発達や生活習慣の変化によって手紙やハガキなどの郵便が減る一方、通販の配送物が増えている現状に則したものだ。
郵便物の区分作業を効率化して、「ゆうパック」の取り扱い増加に対応し、通販事業者向けにワンストップ型のフルフィルメント支援サービスを展開することを目的とする。

日本郵便は地域区分郵便局を全国に約70ヶ所に設置して、担当エリアの郵便物や「ゆうパック」などの区分作業にあたっているが、旧貨物ターミナル駅の近くや都心部に立地する局も多く、手狭で物流効率も悪かった。

そのため集中処理が難しいエリアについては、高速道路のインターチェンジ近くに地域区分局を新設することとした。その第1弾となるのが、埼玉県和光市に新設する東京エリアの地域区分局(以下、東京エリア新局)だ。

東京エリア新局は、新東京、東京多摩に続く東京エリア3ヶ所目の地域区分局で、23区北西部および東京多摩東部を受け持つ。
約3万2320㎡の敷地に6階建ての建物(約7万8000㎡)を建設する計画で、来年5月上旬からの業務開始を予定している。

この広さを実感するためには、プロ野球場と比較するとよい。東京ドームの広さが4万6755㎡であり、まさに「東京ドーム級」のメガ物流局だ。

■宅配便業者の施設整備の進行で加速する競争

日本郵便は今年に入ってから、スペースの余裕がある新越谷、東京多摩、川崎港、富山西、名古屋神宮、大阪北の既存6地域区分局で、法人向けに商品の在庫や受注、ピッキング、梱包など物流サービスの提供を始め、すでに通販事業者からも業務を受託しているという。

今後については、東京エリア新局に続いて、東京ドーム級の広さの「メガ物流局」を、2016年度末までに札幌市、静岡県富士市、新潟県見附市、山口市に設ける。さらに2018年度までに、全国20カ所まで増やす予定だ。

この数は現時点で把握できるメガ物流局に関する情報の中では、ダントツで多い。ヤマト運輸や佐川急便にとって、脅威になるはずだ。

インターネット通販の伸びを受けて、宅配便業界では今後はますます競争が加速しそうだ。