ついに到来!1億総レビュー時代〜変化し続ける”当たり前”〜

ECのミカタ編集部

身近な人の生の声(ホンネ)だから、受け取る人にとっては、それを真実と受け止め、そこに価値が生まれます。

時代は刻々と移り変わり、その中で、ネットは“当たり前”を変えてきました。また、物事の拡散のされ方が大きく変わって、私たちがモノを買うためのキッカケも変わってきました。身近な誰かが力を持って、購買につながる、それが今です。この特集は、そこに焦点を当てました。

身近な一人の発する情報が ECでの購買を生み出す

ネット通販は今、変化の時を迎えています。マスメディアから発信される情報ではなく身近な友人・知人、または信頼する誰かの"生の声" を頼りにして、商品の良さを判断する環境が増えてきました。ECでいえば、それが新たなお客様の購入に直結し、しかも嘘偽りのない真実であるからこそ、購入してからの満足度も高いのではないでしょうか。

Twitter・InstagramなどのSNSやライブコマースを活用した施策も、見方を変えればレビューの一種といえます。当誌では、そんな時代だからこそ世間で言われる「レビュー」から発展性を持たせて、世間の声="レビュー"と定義づけ、それこそがこれからのECを考える上で重要なことだとして、この特集記事を企画しました。

とある大阪にあるハンコのECサイトでは、Twitterを契機にブレイクした事例があります。一般の人がその店の商品にまつわるストーリーに魅了され、「自分は知っているよ」とアピールしたい心理も手伝って、多くのリツイートで拡散されたのでした。以前であれば、マスメディアで有名女優がアピールすることで商品が購入され、ヒットが生まれるということはありましたが、今は違います。ネットが普及しスマホが浸透していく中で、必ずしもそれが全てであるとは言えなくなってきています。また、靴の通販「ヒラキ」はInstagramを活用して顧客の幅を広げたショップです。そもそもInstagramは、昨今「インスタ映え」という言葉が流行語となったことからもわかるように、その認知はかなり高くなっていますが、これを写真のSNSと捉えていると、本質は見えてこないと思います。これを感性によって繋がるコミュニティと考えてみる。ハッシュタグなどで紐付けされた写真に"共感"すれば「いいね」がつき、関係性が生まれます。この点はFacebookが会社、学校、性別、年齢などの属性で繋がるのと大きく異なります。

このヒラキの例で言えば、同ショップの公式アカウントを主婦が広めました。同社側もユーザーからの投稿を中心に、フォトコンテストを開催し、投稿された作品を自社の公式アカウントで紹介することで、Instagramの公式アカウントでフォロワーとのコミュニケーションを活性化させたことにより、コミュニティが生まれ、店舗のファンとなっています。集まった人同士は興味関心が近いので商品購入につながる度合いも大きいです。

商品購入のキッカケがSNS投稿だった人は7割?

商品購入のキッカケがSNS投稿だった人は7割?

マーケティングとテクノロジーで事業展開を行うトレンダーズ株式会社の調査(2017年6月調べ)によれば、「約7割がSNS投稿きっかけで物を購入」ということが明らかになっています。同社では「情報収集」から「商品購入」にいたるSNS活用経路を調べ、「SNSをきっかけに物を買ったり、イベントに参加したりした経験」をきくと、約7割が「経験あり」(65%)と答えたのでした。
身近な人が何気なく発信するそのメッセージの力は増しています。例えば、それが商品のサンプルだとしても、商品について本音で語れば、購入のヒントになることもありますし、その何気ない一言がヒットを生み出す源泉となる場合もあるでしょう。

最近話題の「ライブコマース」はまさしく"レビュー"だと考えられます。インフルエンサーが「ライブコマース」で紹介する商品は、自分が実際に使用して気に入った商品だけだと言われています。これこそレビューです。ライブで双方向的なコミュニケーションを取ることにより、伝えるメッセージはより真実に近づいていきます。ライブ配信はその場で修正することが不可能であり、嘘が通用しない世界だからこそ、ここにも商品に対しての本音があり、だからこそ熱狂が生まれるのです。

更に挙げるなら、中国で人気がある「小紅書~RED~」と呼ばれるショッピングモールは、いわばInstagramとECの融合です。ユーザーは商品を買う前に特定のコミュニティで情報を得ます。そこでは、商品に対する、意見や交流が行われています。だからこそ商品に対してのリアルな書き込みは高い信用を持って受け止められ、商品が売れる環境を生み出しています。繰り返し言いますが、何気なく発信された言葉がキッカケとなって商品が売れていく、そんな時代がもう目の前に来ています。さぁ新時代、ECの購入の仕方が変わる。

<ECのミカタ通信 2018 SPRING vol.15より抜粋>

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