楽天カード、家族間で貯まった楽天スーパーポイントの移行が可能に

家族間でポイントやり取りができてより便利に

楽天カード株式会社が、楽天カード会員とその家族に発行する「家族カード」の会員との間で、楽天スーパーポイントを相互移行できる「家族でポイントおまとめサービス」を、9月25日から開始した。

従来、楽天市場での買い物や楽天カードの決済で貯まった楽天スーパーポイントは、ポイントを付与された楽天会員しか使用することはできなかった。しかし、今回のサービス開始により、家族で相互移行できるようになったことから、会員にとってはさらにポイントが使いやすくなる。
ポイントは、買い物にはもちろん、楽天の各種サービスで有効だ。

移行可能なのは、楽天スーパーポイント(通常ポイント)で、月に50ポイント以上、10,000ポイントまで。
楽天カードと楽天カード会員の配偶者、親、子供(18歳以上、高校生を除く)へ発行できる家族カードのほかに、楽天プレミアムカードと楽天ブラックカードを加えた4種類が対象だ。楽天カード会員をおおむねカバーすると思われる。

ポイントの移行は、次の手順で行う。

1.楽天カード会員専用オンラインサービス「楽天e-NAVI」にログイン。
2.移行するポイント数を入力後、ポイント移行先の会員を指定する。
3.最後にカード裏面のセキュリティコードを入力のうえ、ポイントを移行する。

移行手続き申請完了後、ポイントは3日以内に移行される、という。

ヤフーと組むTポイントカードやアマゾンとの三大勢力商戦

ポイントはすでにユーザー囲い込みの手法として定着した観があるが、その中でもネット企業の躍進が目立つ。楽天、ヤフー、アマゾンの各社はそれぞれポイントを推進力として、リアル市場に勢力拡大をはかっている。

楽天のライバルであるヤフーは、2013年7月にカルチュア・コンビニエンス・クラブと提携してヤフーポイントとTポイントを統合し、リアルとネットの両方にまたがるビッグデータを武器に、着々と攻勢を続けている。

また、アマゾンも今年の8月、支払い時にAmazonポイントを1ポイント単位で利用可能にして、決済機能を拡張。他のクレジットカードと組み合わせての決済や、マーケットプレイス商品の購入も利用可能として、ポイントによるユーザーのすそ野拡張を進めている。

これに対して楽天は、「年会費無料」と「ポイント高還元」を「売り」にし対抗し、楽天カード利用者の拡大をはかっている。

今回、楽天カードが実施したアンケートによると、ポイントを家族間で移行して使いたいという希望は51.2%あったことから、利便性を高めることでユーザーを増やしていくのが目的と推測される。

ビジネスに役立つことは何でもするという、手堅く隙のない、楽天らしい戦い方だ。