一般ユーザーはどのジャンルの広告に興味を持っているのか?【エスピーアイ社調べ】

ECのミカタ編集部

企業のマーケティング・広告宣伝活動における費用・価格・投資対効果についての測定・ベンチマーキング・最適化などのサービスを提供する株式会社エスピーアイ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:道端 智之)は、独自に保有する「SCS(エスピーアイ・コンシューマー・サーベイ)」を活用し、日本における最新のメディアハビット分析を行い、その結果の一部を公表した。

7,000サンプル以上のデータを分析

SCS(エスピーアイ・コンシューマー・サーベイ)」とは、急速に細分化しているメディア環境に対応し、「真のメディア・リサーチ・ソリューションのため」に開発された、同社独自の統計型消費者インサイト・リサーチ・ツールで、7,000サンプル以上のデータからなるシングルソースのメディアハビット調査パネルとなっている。

今回エスピーアイ会社は、その「SCS」を活用した日本における最新のメディアハビット分析第三弾として、「広告注目度分析、どのジャンルの広告に注目しているのか?」についての調査と分析の結果を公表した。なお、今回の分析は、本来は、「サイコグラフィックや価値観」も設定したターゲットに対し分析を行うが、基礎情報としてsample全体=個人全体と基礎性年齢区切りで分析したとしている。

個人全体

【どのジャンルの広告に注目しているのか?】

(1)<個人全体>

最も注目度(ad-attention)の高いジャンルは「スイーツ・お菓子・スナック菓子等」で62%だった。

以下の注目度50%を超えたジャンルは下記の通り。

2位:59%、趣味(ペット関連含む)・娯楽・レジャー施設・商業施設(百貨店、ショッピングモール等)・旅行等

3位:58%、スイーツ・菓子等を除いた食料品全般(米・パン、野菜・肉、加工食品や惣菜・調味料等)

4位:57%、衣料品・ファッション関連・スーツ等

5位:55%、家庭用電化製品・機器(冷蔵庫・掃除機・洗濯機・テレビ・炊飯器・エアコン、ベッド等)

6位:53%、外食店(ファミレス、居酒屋、小料理屋等)

「広告注目度が高い」ジャンルは、広告の効果がより大きいジャンル(≒低関与ジャンル)とも言えそうだと同社は分析する。

10代

続いてこれを性年齢ターゲット毎に分析した。なお「広告注目度」について、[1] 絶対値、[2] affinity(各ターゲットの注目度÷調査対象全体の注目度、つまり“各ターゲットだからこそ注目する”“そのターゲットならではの注目ジャンル”“ターゲットと親和性の高いジャンル”と言える)、の2軸で分析を実施している。

(2)<teen>

絶対値は1位「スイーツ・お菓子・スナック菓子等」/2位「趣味(ペット関連含む)・娯楽・レジャー施設・商業施設(百貨店、ショッピングモール等)・旅行等」/3位「個人活用の事務用品、娯楽・趣味用電化製品やコンピューター(ペン、カメラ、PC、ゲーム等)」

affinityは1位「教育関連(学校・塾等)」/2位「個人活用の事務用品、娯楽・趣味用電化製品やコンピューター(ペン、カメラ、PC、ゲーム等)」/3位「携帯電話&スマートフォン、機器(生産メーカー)」だった。

同社は、「勉学進学に極めて敏感になりつつ、新しいテクノロジーを取り込んでいく、teenの生活スタイルが見えて来る」と分析している。

20~34歳男性

(3)<M20-34>

絶対値は1位「スイーツ・お菓子・スナック菓子等」/2位「趣味(ペット関連含む)・娯楽・レジャー施設・商業施設(百貨店、ショッピングモール等)・旅行等」/3位「スイーツ・菓子等を除いた食料品全般(米・パン、野菜・肉、加工食品や惣菜・調味料等)」

affinityは1位「ギャンブル・くじ等(競馬・競輪、宝くじ・TOTO、パチンコ・パチスロ等)」/2位「クレジットカード」/3位「就職・転職」だった。

teenとは打って変わって、大学生新社会人からバリバリ働き盛りとなり、賭け事・お金・ジョブキャリアへの興味関心がグッと上がる。

35歳~49歳男性

(4)<M35-49>

絶対値は1位「家庭用電化製品・機器(冷蔵庫・掃除機・洗濯機・テレビ・炊飯器・エアコン、ベッド等)」/2位「趣味(ペット関連含む)・娯楽・レジャー施設・商業施設(百貨店、ショッピングモール等)・旅行等」/3位「個人活用の事務用品、娯楽・趣味用電化製品やコンピューター(ペン、カメラ、PC、ゲーム等)」

affinityは1位「自動車・バイク・原付・自転車、及びこれらの部品関連(タイヤ等)」/2位「ギャンブル・くじ等(競馬・競輪、宝くじ・TOTO、パチンコ・パチスロ等)」/3位「投資・株・国債・ローン等の金融商品」だった。

M20-34とは様相が代わり、「家庭家族系」「よりハイレベルな金融商品」への関心が高まっている様子が分かる。

50代男性

(5)<M50+>

絶対値は1位「家庭用電化製品・機器(冷蔵庫・掃除機・洗濯機・テレビ・炊飯器・エアコン、ベッド等)」/2位「趣味(ペット関連含む)・娯楽・レジャー施設・商業施設(百貨店、ショッピングモール等)・旅行等」/3位「自動車・バイク・原付・自転車、及びこれらの部品関連(タイヤ等)」

affinityは1位「自動車・バイク・原付・自転車、及びこれらの部品関連(タイヤ等)」/2位「エネルギー関連(電力、ガス、石油・ガソリン等)」/3位「投資・株・国債・ローン等の金融商品」だった。

M35-49とやや似ているが、自動車関連広告への関心度が一段と高まり、且つギャンブル系への関心度がグッと下がってハイレベル金融商品系が上位に残った。

20歳~34歳女性

(6)<F20-34>

絶対値は1位「スイーツ・お菓子・スナック菓子等」/2位「衣料品・ファッション関連・スーツ等」/3位「スイーツ・菓子等を除いた食料品全般(米・パン、野菜・肉、加工食品や惣菜・調味料等)」

affinityは1位「美容(化粧品・ヘアケア&ヘアスタイル、スキンケア、脱毛等)」/2位「アクセサリー・高級装飾品・ラグジュアリー(指輪・ネックレス・宝石・高級腕時計等)」/3位「子ども用品(おもちゃ・子ども服等)」だった。

男性とは明らかに注目ジャンルが異なっており、データ上、やはり男女間での価値観は大きく異なる事が明確にわかる。

35歳~49歳女性

(7)<F35-49>

絶対値は1位「スイーツ・お菓子・スナック菓子等」/2位「スイーツ・菓子等を除いた食料品全般(米・パン、野菜・肉、加工食品や惣菜・調味料等)」/3位「衣料品・ファッション関連・スーツ等」、affinityは1位「美容(化粧品・ヘアケア&ヘアスタイル、スキンケア、脱毛等)」/2位「子ども用品(おもちゃ・子ども服等)」/3位「トイレタリー商品(洗剤・トイレットペーパー・石鹸・シャンプー・歯ブラシ等)」だった。

F20-34との決定的な違いは、affinityにおいて「アクセサリー・高級装飾品・ラグジュアリー(指輪・ネックレス・宝石・高級腕時計等)」がランクダウンし「トイレタリー商品(洗剤・トイレットペーパー・石鹸・シャンプー・歯ブラシ等)」が3位ランクインした点だ。

50代女性

(8)<F50+>

絶対値は1位「スイーツ・菓子等を除いた食料品全般(米・パン、野菜・肉、加工食品や惣菜・調味料等)」/2位「衣料品・ファッション関連・スーツ等」/3位「スイーツ・お菓子・スナック菓子等」、affinityは1位「トイレタリー商品(洗剤・トイレットペーパー・石鹸・シャンプー・歯ブラシ等)」/2位「専門的治療・医療や介護(病院、介護施設等)」/3位「美容(化粧品・ヘアケア&ヘアスタイル、スキンケア、脱毛等)」だった。

affinityにおいてM50+でもスコアが低かった「専門的治療・医療や介護(病院、介護施設等)」が2位にランクイン。女性の方が男性よりも“現実的、ディフェンシブ”な傾向がありそうだ。

よりターゲティングの精度を高めるために

絶対値としての注目度ジャンルは「食品系」だったが、affinityで見ると男女間で大きな差、年齢でも差が出る事が数値からも見てとれる。

同社は、「本分析のポイントは、訴求する商品によって、広告ではどのターゲットを想定するのが一番効果的効率的なのかを見極めるという所にある」としている。また「Shopper(=実際に買い物する人)/consumer(実際に消費する人)が必ずしも一致しない為、例えば“医療介護系情報”は高年齢層ターゲットだが『広告としては、F50+をターゲットとした内容」にした方が良いのでは?』という仮説についても言及している。

今回の分析全体を見て見ても、数多くのサンプルから抽出した非常に興味深い内容となっている。世代間、そして性差によっても注目しているポイントがはっきりと傾向として別れているのが分かった。広告施策のみならず、SNSやECサイト、自社メディア施策などでターゲティングやペルソナ構築を実施する上で、非常に参考となるデータと分析結果と言えるだろう。同社は今後も幅広いテーマで調査・分析を行うとしており、さらなる情報提供にも期待したい。

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