2兆超えの主要300社ECマーケット 全体シェア伸びるもAmazon独占首位

EC業界の圧倒的牽引企業Amazon 二位を大きく振り切りトップへ

「月間ネット販売」が実施した調査の結果2013年度(13年6月~14年5月)のネット販売市場で、主要300社の合計売上高が2兆6,662億円を突破したと発表した。前年度(12年6月~13年5月)の約2兆3,575億円から13.1%増で拡大した。カテゴリ別で見ても例年通りの企業がトップとなっているほか、Amazonが圧倒的な数字で二位を引き離しトップの座へと躍り出ていることが分かる。「総合」分野でのAmazonは前年比20.2%の7,455億円であり、二位の千趣会の前年比2.1%増831億700万との差は歴然である。また、「書籍、CD、DVD」の分野でも同様にAmazonが首位となっており、同分野内の総売上高の約4割ほどと見られている。依然としてAmazonが業界全体を牽引している状況が続いているといえるだろう。
首位の座をより強固なものとするかのように、Amazonは法人向け広告サービス「Amazonスポンサープロダクト」の提供を開始するほか、手軽に国内企業が海外販売が可能になる「Amazonグローバルセリング」サポートを展開するなど、今期も様々な切り口でのサービスやサポートを提案する。中古車販売への参入や酒販免許を取得しての酒類の販売など、商品カテゴリーの枠でも幅を広げる動きだ。また、元来の強みでもあった物流方面でも、近隣の物流拠点の在庫を「小田原フルフィルメントセンター」に統合して物流網を再編するなど、配送機能の強化を計る考えだ。

Amazonに続く上位企業の追随 得意ジャンルで自社の特性を発揮

「衣料品」、「化粧品」、「PC・家電」「食品」など、独自の強みを活かし得意分野で首位を狙う動きも目立つ。ユーザビリティの改善やSNSによる顧客コミュニケーションの活用で数字を伸ばす「スタートトゥデイ(衣料品)」や、LINEスタンプの配信などSNSをプロモーションツールに新規獲得を目指す「オルビス(化粧品)」。数年前から急成長を見せる「ライオン(健康食品)」はネットを中心に新規顧客開拓に向けプロモーションを行っている。また、書籍や文具に日用品など、取扱商材を大幅に拡大した「ヨドバシカメラ(PC・家電)」、市場を牽引するネットスーパーに力を入れる「イトーヨーカ堂(食品)」など、各ジャンルのユーザーのニーズを適切に広い着実に売上を伸ばす企業も多く見受けられる。かゆい所に手が届く感覚で、上に突き抜けることが難しい中を左右に動き機敏なアクションで独自の戦略を展開している印象を受ける。

Amazonの巨大な壁に真っ向からぶつかっていっては、激突は避けられない.
その一方、組織が大きくなればなるほど、小回りがきく中小にしか拾えないニーズというものも出てくる。主要300社はもちろん、中小のEC事業者も自分にしか戦えないフィールドを育てることが大切になってくるのではないだろうか。