東京都が企業などと連携してフリマアプリ・フリマサイトをパトロール
東京都福祉保健局は、フリマアプリ・フリマサイト等に出品されている医薬品のパトロールを強化することを主旨とする報道関係資料を公開した。
東京都によれば、近年、フリーマーケットサイトやオークションサイト、クラシファイドサイト(以下「フリマサイト等」)上で、消費者間取引が活発化するにともない、フリマサイト等での医薬品の無許可販売や化粧品等の違反広告が増えているという。
フリマサイト等を運営する企業では、これまでも自主的な審査を行ってきているが、無許可販売や違反広告に迅速に対応するためには、東京都と運営企業の連携が必要となる。そこで東京都としても、各運営企業の自主審査の質の向上・効率化を図るとともに、出品者の遵法意識を高めていくことを目指し、それらの施策について強化をすることにしたものだ。
連絡会の開催やパトロールを実施
東京都などでは、施策を実行するために、今回あらたに連絡会を立ち上げ、平成30年6月27日に第1回目の会合を開催した。今後、効率的なパトロールなどを通して不適正な出品を未然に防止し、都民がより安心してフリマサイト等を利用できるように取組を強化するとしている。
官民連携して不正に目を光らす
さらに連絡会では、厚生労働省医薬・生活衛生局、総務省総合通信基盤局、経済産業省商務情報政策局もオブザーバーとして参画し、情報共有をする。東京都では、フリマサイト等に出品される医薬品等のパトロールのほか、インターネット関連企業16社の協力を得て、インターネット上のショッピングモール等の広告の監視指導も行っていく方針だ。
EC市場は拡大を続け、そこでの取引量も右肩上がりだ。その中でも、フリマアプリなどCtoC分野は成長の余地が大きいとされ、実際に取引額も年々増えている。個人間でのユーズドのアイテムの取引が増えることは、資源リサイクルにもつながり、かつユーザーも安価に目的の品を手にできることからメリットは大きい。一方で、東京都が指摘するように、ごく一部ではあるが、法令に反するような品物の出品や広告が出稿されているのも事実だ。
特に薬品や化粧品の場合は、経口で摂取したり、直接肌に触れるものも多く、買い手の健康や場合によって生命に直結することになり、安全性の確保は重要だ。東京都としても、情報交換を進めると共に、まずはフリマサイトなど各プラットフォームの運営企業に自主的審査制度や自主規制などの強化を求めるものとみられる。
こうした公共の福祉に直結する事案については、官がリーダーシップをとって施策を打つこと自体は、有効であることは間違いないだろう。同時にユーザー側としても、違法なアイテムの出品をしないことはもちろん、法令に反する広告についても理解を深めて、自衛する心構えが必要となりそうだ。