京都精華大学が学生の作品を「BOOTH」でネット販売

学校専用サイトで、学生は自由に作品を展示

京都精華大学が、学生の創作物をネット販売する試みを9月30日から始めた。
京都精華大学は日本初の「マンガ学部」を設置した大学として知られる。芸術学部・デザイン学部・マンガ学部・ポピュラーカルチャー学部・人文学部、芸術研究科・デザイン研究科・マンガ研究科・人文学研究科の5学部・4研究科を構える。
学長は『風と木の詩』『地球へ…』などの作品で知られる漫画家の竹宮惠子氏という異色の大学だ。

京都精華大学が利用したBOOTHは、イラストの投稿・閲覧が楽しめるイラストコミュニケーションサービスのpixivと連携しており、自分だけのネットショップを開設し、商品のプロモーションを行うことができる。

京都精華大学の学校専用サイト内には学生のページがそれぞれ開設されており、学生は自分の創作物を自由に発表、販売できる機能を利用できるようになっている。
作品を発表して買い手を待つだけでなく、企業や個人からの仕事の依頼も受け付ける。

クリエイターと社会をつなぐBOOTH

BOOTHは会員登録してアカウントを作成すれば利用できる。すでにイラストレーターや漫画家として活躍しているクリエイターたちがショップを開設している。
pixivとの連携しているため、pixivでクリエイターのアカウントをフォローしているユーザのボードに、BOOTHで登録した商品の通知を送ることができる。pixivの検索画面からも、BOOTH商品のタグ検索が可能だ。
「ゼロ円設定機能」も備わっており、価格設定を無料にすることができるため、サンプルや体験版の配布を行うこともできる。

BOOTHには保管・梱包・発送を代行してくれる「倉庫サービス」も備わっている。倉庫に商品を預けると、BOOTHが面倒な保管・梱包・発送といった一連の作業を代行してくれる。倉庫保管料は6ヶ月間無料、送料はサイズを問わず全国一律700円だ。このサービスを利用すれば、クリエイターは販売におけるオペレーションなどにリソースを割かれることなく、制作に集中することができる。

京都精華大学の取り組みで、実際に作品がどの程度売れるかはわからない。しかし、作品をたくさんの人に見てもらうことは、若いクリエイターたちにとって励みになるだろう。
学生の作品が企業や学外の目により多く触れて、さまざまな評価を受けることで、クリエイターとして独立したり、就職活動を行ったりする際、社会との架け橋としても役に立ちそうだ。