ECで「所有」の概念は変化するのか?『シェアリングエコノミーサービスに関する調査』が実施される【MMDLabo調べ】

ECのミカタ編集部

モバイルに特化したマーケティングリサーチ機関であるMMDLabo株式会社(東京都港区、代表取締役:吉本浩司)は、同社が運営する MMD研究所にて、「シェアリングエコノミーサービスに関する調査」を実施し、その結果を公表した。

多くの人とモノやサービスを共有するシェアリングエコノミー

MMDLaboによってシェアリングエコノミーサービスの最新動向に関する調査が行われた。シェアリングエコノミーサービスとは、商品やサービス、あるいは場所などを不特定多数、あるいは特定の人とシェアリングして利用することを指す。以下、調査の内容を見ていく。

<調査概要>
「シェアリングエコノミーサービスに関する調査」
・ 調査期間:2018年7月13日~7月20日
・ 有効回答:2,085人
・ 調査方法:インターネット調査
・ 調査対象:18歳から 69歳の男女
※本調査レポートの百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計しても 100%とならない場合がある。

よく使うシェアリングエコノミーサービスは?

よく使うシェアリングエコノミーサービスは?

まず、18歳~69歳の男女 2,085人を対象に、「利用したことがあるシェアリングエコノミーサービス」について聞いたところ(複数回答可)、最も多かった回答は、「オークションサービス」で 32.9%、次いで「フリマサービス」が 20.9%、「カーシェアサービス」が 4.0%となった。

利用率が高かった上位2サービスを年代別で見ると「オークションサービス」では、40 代の利用が最も多く 41.1%、次いで 30代が 37.8%、「フリマサービス」では 10 代の利用が最も多く42.2%、次いで 20代が 31.3%となった。

カーシェアリングの利用動向は?

カーシェアリングの利用動向は?

続いて、カーシェアの利用経験者(n=84)を対象に「利用したことがあるサービス」について聞いたところ(複数回答可)、「タイムズカープラス」が最も多く 77.4%、次いで「オリックスカーシェア」が 50.0%、「d カーシェア」が 33.3%となった。

ECが切り拓くシェアリングエコノミーの未来

「シェアリングエコノミーサービス」の言葉自体は真新しいが、ネットオークションやフリマアプリがそのカテゴリに入ると聞けば、ぐっと身近に感じるのではないだろうか。調査にもある通り、カーシェアリングを含めて、家具やファッションなどその多くがECのプラットフォームを通してシェアリングサービスが提供されている。

2020年の東京オリンピックを前にして解禁された「民泊」も住宅の一部を宿泊施設として提供すると言う意味でシェアリングサービスと見ることもできる。こうした各種のシェアリングエコノミーサービスは、特にモノの面では、「あえて新品を手にする必要が無い」と考えるユーザーの増加に寄与しているとの見方もあり、また提供側(売り手)と受け手(買い手)のマッチングを可能するという意味では、ECのプラットフォームがあってこそ実現できると言える。つまり、ECの仕組みが日本人の「所有」の概念を少しずつ変えているということもできるのではないだろうか。

一方で、Uberのような配車サービス(登録によって誰でもドライバーとして有償で人を同乗させて移動できる)は、日本では法規制によって広がっていない。もちろん既存のタクシー業界が存在するので、規制による産業維持の必要性は大きいだろうが、シェアリングエコノミー全体でみれば、そうした公的なルールや戦略の面でも官民合わせた基盤づくりに関して、大いに議論が求められる、そんな局面にあるのかも知れない。良くも悪くも社会全体として「所有」の概念が変化している、そんな転換点にあるということにもなるだろう。

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