メルカリがフリマアプリとその経済効果や波及効果を明らかにする最新調査を実施【メルカリ調査】

ECのミカタ編集部

株式会社メルカリは、慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授監修の下、全国のフリマアプリ利用者1,032名を対象に、フリマアプリの出現がもたらした消費行動の変化と周辺サービス業界への影響を調査すべく、「フリマアプリ利用者における消費行動の変化」に関する実態・意識調査を実施し、その内容を公表した。

調査概要

拡大するEC市場の中でもCtoCカテゴリとして利用者が増えているフリマアプリ市場。そうした状況をさらに掘り下げるべくメルカリでは、フリマアプリの出現が消費者行動や他業界にもたらした変化について、その実態を調査した。以下、その内容を見て行く。

<調査概要>
・調査時期:2018年7月6日(金)~7日(土)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:全国の20~59歳、男女1,032名(フリマアプリ利用者)

フリマアプリの利用によって新たに使うようになったお店やサービスは?

フリマアプリの利用によって新たに使うようになったお店やサービスは?

フリマアプリの利用により利用頻度が増えたお店やサービスについて聞いたところ、「特にない」と回答した29.6%を除く、フリマアプリ利用者の70.4%がお店やサービスの利用頻度が増加。なかでも43.9%が商品発送の目的で「郵便局」の利用が増えたと回答。次いで39.9%が「コンビニ」利用が増加し、33.3%が包装・梱包資材購入目的で「100円均一ショップ」の利用が増加。配送や梱包資材などの消費に最も大きな影響を与えていることが明らかとなった。

そのお店やサービスの利用頻度は?

そのお店やサービスの利用頻度は?

店舗やサービスの具体的な利用頻度の多寡をフリマアプリ利用前後で比較すると、年間の利用頻度の変化が最も大きかったのが「郵便局」で1.8回増、次いで「宅配便営業所(クロネコヤマトなど)」と「クリーニング」が1.6回増えていることがわかったとしている。そのほか、靴・カバン・時計の修理や洋服のお直し、家電などの「修理サービス」(※2)の利用頻度も平均1.1回増えていることから、モノの「リユース」に関するサービスの利用頻度が増加していることがうかがえる。

※2「修理サービス」の利用頻度では、「靴・カバン・時計の修理」、「洋服のお直し」、「家電修理(スマートフォン含む)」の3つから平均を算出。

利用頻度が増えたお店やサービスの具体的金額は?

利用頻度が増えたお店やサービスの具体的金額は?

店舗やサービスでの利用金額をフリマアプリ利用前後で比較すると、1人当たり年間平均で約4,143円の消費増加という結果になった。中でも、「クリーニング」の利用金額変化が最も大きく683円、次いで「洋服のお直し」が538円、「ホームセンター」がハンドメイド・DIY資材購入目的で533円増えていることが浮き彫りとなった。利用・購入する商品やサービスの値段に差額が左右されるものの、「リユース」に関する利用金額が増加している傾向がみられる。

リペア(修繕)サービスの利用意向は?

リペア(修繕)サービスの利用意向は?

フリマアプリ利用者の42.5%が「修理が必要だがまだ使えるモノを修理して(フリマアプリに)出品してみたい」という意向を持っていることが明らかとなった。

年代別に比較すると、20代は修理して出品してみたい意向が51.9%と過半数を超え、次いで、30代が43.4%、40代が39.1%だった。前回調査(「フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動」に関する意識調査)から、若者は中古品への抵抗が薄れてきていることが推察でき、その傾向はリペア意向にも現れており、若年層になるほど「修理してでも出品したい」というリペア意識が高まっている傾向も見てとれる

また、利用意向の理由として最も多かった回答は「修理した方が高く売れるから」が65.1%、次いで「修理した方が買った人が喜ぶと思うから」が36.7%、「修理した方が早く売れるから」が28.9%という結果になった。

フリマアプリによる周辺サービス市場への経済効果は?

今回の調査で判明した20~50代の年代別フリマアプリ利用率と総務省統計局が2018年6月に発表した「人口推計—平成30年6月報—」による20~50代年代別人口から算出したフリマアプリ利用人口は推計で1,814万人という結果になった。

これに、前述の年間1人当たり増加した消費額約4,143円を用いてフリマアプリによる経済効果を推計したところ、周辺サービスへの潜在的な経済効果は最大で年間約752億円であることが明らかとなった。

フリマアプリ周辺産業にもチャンスが

調査結果を受けて同社では、フリマアプリ利用者は、その利用に必要な発送や梱包、モノのリユースに関連したリペア(修繕)やクリーニングなどの店舗やサービスの利用頻度、利用金額がフリマアプリ利用前と比較して増加しており、フリマアプリ利用による新たな消費行動が他の周辺サービス市場に影響している実態が明らかになったとしている。

また今回の調査では、フリマアプリの浸透による周辺サービスの経済効果が最大で752億円にも上ると算出しており、フリマアプリ市場の成長がさらに見込める状況からすれば、その規模はさらに拡大していくことが予想される。

今後も伸びしろが大きいとされ、資源の有効活用という公的な意味合いも持つフリマアプリ市場。梱包資材や配送、あるいは修繕といった既存の分野だけでなく、ECという面においても新たなビジネスチャンスが眠っている有望な市場と言えるだろう。

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