顧客満足度の高いEC関連企業はどこか?2018年度JCSI第2回調査結果が公表される【JCSI調べ】
公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会は、2018年度第2回調査として、5業種の顧客満足度を取りまとめ、その内容を公表した。同調査は、統計的な手法による総計12万人以上の利用者からの回答をもとに実施する日本最大級の顧客満足度調査で、本年度は年6回に分け、30業種超、約400の企業・ブランドの調査を行う予定だ。
ここでは、今回公表された2018年度JCSI第2回調査として、5業種の顧客満足度の中で「通信販売」の項目について見て行く。
<調査概要>
・調査期間:2018年5月24日~6月26日
・回答者数:22,373人
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:5業種72企業・ブランド(各300人以上から回答)
ヨドバシ.com、オルビスが健闘
JCSIの調査によれば、通信販売業種は、2015年度以降スコアを上昇させている。順位は、1位ヨドバシ.com、2位オルビス、3位FANCL onlineとなった。ただし、3~5位は僅差となっている。
ヨドバシ.comについては、2016年度以降スコアを上昇させており、オルビスは2015年度以降毎年スコアを上下動させているとのことだ。FANCL onlineも、2015年度以降スコアが横ばいに推移していたが、2018年度にやや上昇となった。
顧客満足度向上のカギをにぎる信頼関係
調査結果にある通りヨドバシ.comは近年特に安定した消費者からの支持を得ている。Amazonや楽天など大手ECモールが立ち並ぶ中でもかなりの健闘を見せていることになる。ヨドバシ.comは価格面でもけして他のECプラットフォームと比べて際立って安価というわけではないが、配送が迅速で基本的に無料である点や、ポイント還元率の高さや適用範囲が広い点、そしてなにより玉石混合の店舗がひしめくモールタイプではなく、知名度のある一社が運営することでの信頼性があるものと見られる。
化粧品メーカー大手のオルビスは、製品そのものの魅力はもとより、自社でオウンドメディアを展開し、年齢別の肌の悩みに応えるものや口コミなど、豊富なコンテンツを通してユーザーとコミュニケーションをとり、大きな信頼性を勝ち得ているとの評価が一般的に多い。
今回の調査では、大手企業が対象であったが、EC事業を展開するにあたって、事業の規模にかかわらず、顧客満足度を得るには、商品やサービスの魅力、品揃えだけではなく、ユーザーとの信頼関係を構築することが重要である点が示唆されているとも言えるだろう。