ライブコマースはオワコンなのか?りなてぃー Candee鍛治 夢展望 祖一が語る〜TEK白熱講演 潜入

 つい最近「PinQul 終了!ライブコマースは“終わったのか”」そんな衝撃的なタイトルが幾つかのウェブメディアに踊った。名古屋の東海イービジネス研究会(以下、TEK)と企画して「ライブコマース」に関するセミナーを開催したのはまさに、そんな議論が⽩熱するタイミングでのことだ。

 スマホ上で、ライブ配信をしながらそのまま商品が購入できる「ライブコマース」は、昨年来、日経トレンディで「ヒット予測」2位となる等、注目されているものの、その実態は知り得ない。だから、さまざな議論を呼ぶわけで、本気で理解を深めるタイミングに来たように思う。

 フォロワー数20万人を超えるインフルエンサーのrinaさんと、株式会社Candeeの執行役員 鍛治良紀さん、夢展望株式会社でライブコマースを契機に人気者となった“ソイちゃん”こと、祖一早紀さんという「ライブコマース」に縁が深い三人が集結したので、その真実に迫りたい。企画・進行は私ECのミカタ編集長の石郷がつとめさせていただいた。

プラットフォーマーのCandeeから見た「ライブコマースの魅力」

株式会社Candee の執行役員 鍛治良紀さん

ーー「LiveShop!」というライブコマースのアプリを作り、世界観を構築するCandeeさん、売る商品が見えているところでの発信者の夢展望さんと、自分で商品を探してきて自らのファンに発信するrinaさんとで、お三方でポジションが違うと思うので、ライブコマースを多角的に見ることができると思います。まず、Candeeの鍛治さん、御社がやっている事とライブコマースの魅力をお聞かせいただけますか。

Candee鍛治さん:
弊社では動画作成のチームとタレントを育成するチームがあり、最近ではメディア事業を立ち上げて、第一弾としてやっているのが「LiveShop!」というアプリサービスです。アプリには弊社が制作した番組がいくつかあって、rinaちゃんのようなインフルエンサーが発信して、ライブコマースでそのまま買い物ができる。それから、買い物だけでなく、ユーザーとのコミュ二ケーションができるのも特徴です。

Candee鍛治さん:
ライブコマースの魅力でいうと、その場で悩みを解決できる。「私、身長150センチなんだけど着られますか」とか「この色はどんな感じの発色ですか」「後ろ側を見せてください」など、その場で拾ってくれるので、自分が思っている課題や悩みをすぐにその場で解決できるのがひとつの魅力。ただそれって、商品を買いたくて見に来ている人はそんなにいなくて、どっちかというと、その子とコミュニケーションしたい、会話したいというのがある。

Candee鍛治さん:
僕らがライブコマースをつくるときは、テレビ通販とかみたいな感じではなくコンテンツとして楽しめる構成で、かつコミュニケーションを楽しんでもらえるよう作っています。スタートと同時に「さあ今日も販売スタートです!」といった感じにはしないように意識しています。

販売店としての夢展望から見た「ライブコマースの魅力」

夢展望の社員ながらライブコマースで人気者“ソイちゃん”こと祖一早紀さん

ーー夢展望の祖一さん、まず御社のことについてと、どういう経緯でライブコマースに参入したのかについてお話し伺えますか?
夢展望 祖一さん:
弊社は「かわいくなりたい、かっこよくなりたい」という、お客様の夢と展望を想像するということをモットーに、「夢展望」というECサイトを運営しています。最近では、ライブ配信でもお客様の実際にお悩みとかを解決しながら購入していただくということをしています。もともとはマーケティング担当として、SNSの運営を行っていましたが、去年の11月にメルカリさんがライブコマースを始める(「メルカリチャンネル」)ということで、濱中社長からいきなり「やってよ」といわれて、そこからライブ配信しています(笑)。今やり始めて半年くらいですね。

ーーそんな中で、ライブコマースの魅力についてはどう思いますか?
夢展望 祖一さん:
魅力は、お客様が構えないで、なんとなく会話をして買ってもらえる点も魅力かなと思います。 気になることは聞けて、逃げることもできますし。お客様にとってはいいことも多いと思います。

夢展望 祖一さん:
私もアパレルを買い物するときに思うのが、店舗に行くと、気になることは店員さんが答えてくれますが、1回聞いてしまうとずっと接客をされる。聞いてもないことを言われたり、つきっきりになられたり、買わざるを得ない状況になるんですが、ライブコマースなら聞きたいことに対してだけ答えが返ってきて、やっぱりこの服いらないと思ったら、お客様自身は逃げることもできる。

ーー逆に、売る側として、気付くことってありますか?
夢展望 祖一さん:
私は夢展望の一スタッフとして配信しているのですが、毎回きてくれるお客様は、もはや服のことなんてどうでもいいからという感じですらあります。いつも「ソイちゃん」と言われて配信しているんですが、「ソイちゃん髪切った?」とか「今日服装違うね」みたいな、そういう会話から始まるので、服を買う気はないけどコミュニケーションをとりたい方たちもワッと来てくださって。その中でたまたま気になる商品があって買ってくれた人もいるので。どんなコメントに対してすぐ答えられるようにという事はありますね。

インフルエンサーrina(りなてぃー)から見た「ライブコマースの魅力」

インフルエンサーの「りなてぃー」ことrinaさん。持っているのは「Cherish me」の商品。
彼女によるインスタ活用術も紹介:そちらは「番外編」で。https://bit.ly/2xciPHI

ーーrinaさんは普段どういう活動をされているのでしょうか。
rinaさん(りなてぃー):
サロンモデルから初めて、現在はインスタグラムを中心に、イベントや配信、ブランド「Cherish me」のディレクターとして活動させていただいています。あとは、ライブでコスメの販売なども行なっていますが、実際にコスメをライブ中に試してユーザーの方に伝えています。コメントはたくさんファンの方がしてくれて、お悩み、質問などに答えつつ、悩みを解決させていただいています。

ーーそんなrinaさんはがライブコマースに関わることになって気がついたことなどありますか?
rinaさん(りなてぃー):
流行りとかトレンドの流れが最近すごく早い。1ヶ月前は「欲しいね、かわいいね」と言っていた商品も今現在になるとそうでもなかったり。流行りが去っていたり。ライブコマースは私たちインフルエンサーがいち早く流行りやトレンドを視聴者さんに伝えることで、「それ欲しい」「今欲しい」というのを、企画して配信してすぐ購入してもらえるところが魅力だと思います。あと、私自身ファンの子と関われる時間はそんなに多くないので、ライブ中にコメントとか、商品に関係のない会話でも全然しているのですが、それもライブコマースならではだなと。

rinaさん(りなてぃー):
そもそも女の子ひとりひとり悩みがあるので、インスタでも(その悩みに対して)コメントはできるんですが、畏れ多いなと思っているんです。でもライブなら、私からこれどう思う?もうちょっとこのモチーフあるといいよねとか、私から投げかけることでコメント増えて、するとみんなコメントしやすくなるので、そこでみんなの悩みを解決していく感じが良いんですよ。

ライブコマースは人の集まり方で2種類に分けられる

ーー僕はライブコマースが、どんな風に生まれるかというとrinaさんと祖一さんとでは違うと思っていて、上の図の通り、商品をインフルエンサーとして持ち込んでくるのがrinaちゃん。もうファンがいるから、あとは番組が欲しい、そこでCandeeの登場となるわけです。一方、祖一さんの場合はプラットフォームにすでにお客さんがいて、そこに祖一さんと商品がまるっと入り込む。この立ち位置が違うことが重要だと思っています。

 夢展望さんはライブコマースをする場として「メルカリチャンネル」を使っているんですが、そこに祖一さんと商品が丸ごと入り込むイメージです。そこでライブコマースが行われるわけだから、最初、ユーザーは祖一さんのファンではない。

ーーそこで思うのです。祖一さんは、どうやってメルカリの人たちを振り向かせたんだろうと?

夢展望 祖一さん:
最初は本当に勢いと度胸。とびこまざるをえない感じ。私自身がSNSを見ている中で、コメントすることって恥ずかしかったり勇気がいることでした。そこに対して全部答えようと思いました。夢展望は、最初のうちは同時視聴50人とかだったんですが、今はもう200人くらい。今もそのスタンスは変えずに、ひたすらコメントに親身に答えていく。そこでお客様から、夢展望は聞いたことを全部答えてくれるという印象を持ってくれるので、本当に配信中にひたすら答えることで、メルカリユーザーさんの中に浸透していけたんじゃないかなとおもっています。

ーーファンがいない中でファンをつくる。Candeeさんの立場では、そこで意識していることは?
Candee鍛治さん:
本質的な話になりますが、演者もユーザーも、承認欲求と自信だとおもっていて。承認欲求というのは、ラジオならイメージしやすいですが、ラジオにはがきを出し続けても読まれないと一生読まれないなと思うけど、読まれると、また出そうという気持ちになるじゃないですか。それって承認欲求だとおもっていて。

Candee鍛治さん:
ラジオならダイレクトでいいが、ネットだといきなりコメントすることがむずかしかったり。インスタにコメントのログが残っちゃうので。だから僕らはアンケートだったり「いいね」だったり、ユーザーに段階を設けていて。最初は「いいね」だけ押せる、次はアンケートに答えられる、ちょっと自分がやったことに承認欲求を満たしたい人はコメントにもならないAを押す、みたいなことをする。そして名前を呼ばれてうれしくなると、次はダイレクトにコメントを出したりする。

Candee鍛治さん:
コメントは双方の自信をもとに形成されていくと思います。かわいいとか、見たよってことじゃなく、ダイレクトにその人に、髪切った?とかイレギュラーなコメントがきだすと、演者さんも自分に自信を持つので、相互に成長すると思います。

お客様とのやりとりは今どきコミュニケーションのヒント

ライブコマースでのrinaさん(りなてぃー)。インスタ等で関係性ができているのか、見ている側との会話のやりとりが自然。まるで女子会のよう。

ーーrinaちゃんはライブコマースをやる以前からファンはいるけれど、お客様からのコメントに対して、どういうことを心がけて返しているのでしょうか。
rinaさん(りなてぃー):
「今日のお洋服はどこの?」とか「ネイル見せて!」といったコメントをたくさんいただくんですが、そういうコメントってインスタでも返せるので、ライブでは「こういうお洋服きれないんだよね」とかお悩みやコンプレックスに答えることはこころがけます。基本的に答えられる分は答えたいと思っています。

rinaさん(りなてぃー):
というのも、(ライブ配信の場に)来てくれる人にしても、一回こちら側が答えられないとコメントしにくいのではないか、と思っていて、なるべく答えるようにしているんです。「初めて来れたよー」とか「リアルタイムでやっと見れたよ」という子も沢山いるので、そういう声はなるべく拾うようにしています。

rinaさん(りなてぃー):それで、何回もコメントしてくれる子とか、アイコンを出してくれる子は覚えやすいんです。けど、初めて今日きたって人はコメントしずらいのか後でDMくれたりするので、インスタのコメントで「次はコメントしてねー」と語りかけたりするんです。配信以外でもコミュニケーションするようにしています。

ーーだから、一緒になってつくりあげる文化が、ライブコマースにあると。
Candee鍛治さん:
逆に僕、祖一さんに質問なんですが、インフルエンサーさんって、自分の力に変えて、それを何かに変えてものをつくっていく。プロダクトは後にあるじゃないですか。でも祖一さんの場合は最初にプロダクトがあって、自分にファンをつけようという概念が生まれてくるのか、あくまでもものを売るための場所として考えているのか、どっちなんですか。

夢展望 祖一さん:
始めはものありきで、売る場所として考えていましたが、お客様のコメントとかを見ていくなかで、ものを買いに来ているというよりはコミュニケーションとりにきていると強く感じました。夢展望としても“祖一で売っていこう”という感じになってきていたこともあって、夢展望ではなくソイちゃんと呼ばれることが多くなりました。最初は会社から言われたものを売っていたが、いまはメルカリのお客様はこういうのが好きだから、とか、こういう機能性のある商品をどうしても紹介したいから、これを売らせてくださいというように、ものありきというよりは私からの発信という感じで進めています。

ライブコマースは事業目線でいうと・・・

ーーそんな中で、祖一さんが最近メルカリのユーザーにはどういうものが売れる?と実感していますか
夢展望 祖一さん:
ライブもECと同じで試着ができないのでサイズ感がないものが売れるのと、配信が17時~19時で(売る場所が)メルカリなので、自分の売った商品の売り上げとかポイントとかで購入する人が多く、結構主婦層が多い。なので、体型カバーができるもの、ベーシックで使いやすいもの、ママさんでも動きやすいものなどを意識していますね。それをやりながら、たまにトレンドものを入れてみて、やっぱり売れないなとか、実験しています。

ーーなるほど。rinaちゃんの場合はどういう基準で商品を選び、紹介して、どう反響をみているのでしょう?
rinaさん(りなてぃー):
今日、売る商品がひとつ決まっていたとして、それに合うもの、洋服ならアクセサリーとかバッグをカートに追加していくことで、見ている方もイメージが湧きやすいかなと思っています。自分の中でコーディネートしてみようとしてくれたり「こういうのもあるよ」とかコメントしてくれたり。あとは、私自身が着てみることで、購入する人たちのイメージがわきやすいようにしています。

ーー夢展望はECもやりながらライブもやっていて、両方を知る者として、ライブの魅力は何ですか?
夢展望 祖一さん:
やはり店舗では質問ができるがECでは質問はしづらく、また店頭だと押し売りされる。そこで、ライブなら質問しても押し売りされないですよね。あとECでは点数が多いけど、ライブでは1日1時間から2時間の配信で5商品、30SKUくらいの販売。その日に売っているものにお客さんも集中し、私も説明に集中するので、深いところまで説明できるのがいいところですね。

夢展望 祖一さん:
それに加えて、ネットで売るのは撮影から、スタイリストがスタイリング組んで画像作成してキャッチコピーつくって、とかなりの人数で、2週間くらいかけて販売するのですが、ライブでは極論、私のスマホと商品さえあれば、その場で販売できるので、時短にもなりますし、人の手もかからないのでコスパはいいと思います。

あくまで儲けるまえに商品や店を伝える手段の一つ

満員御礼。熱心に耳を傾ける東海イービジネス研究会(TEK)の方々

ーーライブコマースでひともうけというよりは、いろんな方法の1手段として機能している?
Candee鍛治さん:
そうですね。ライブコマースって儲かるんですかってよく聞かれるが、儲かる儲からないではなく、今僕らは自分たちのライブコマースを1からつくってやっていて、そこには2つの要素があって。「実際にものが売れるのか試したかった」というのと「コンテンツとしてどういうのがささる」のか。

Candee鍛治さん:
コンテンツとしてどういうことをしたかというと、テレビさながらの番組をつくったこともあった。タレントさんを呼んで、2人でやりとりさせて、というのをやったんですが見事に見られないし売れない。誰も興味がないんですよ。もちろん出ている人に対しては有名な人なので見るけど、すぐ離脱する。見ているけど巻き込めていない。番組として見るのはおもしろいがそこに参加する意味がないのでライブの意味がないんです。

Candee鍛治さん:
ユーザーからすると、そこですごく参加意識が大事で、自分が一緒につくった、選んだっていう感覚が生まれ、競争体験が生まれる。自分が競争してつくったものを買いたいと思う。実際とある有名アーティストさんとオリジナルアイテムをつくったら、何が起きたかというと、1時間で7900円のスエットが900枚売れた。つまるところ一時間で700万の売り上げがついた。儲けようとして儲ける方法はあるが、コンテンツで見たときに、打上花火にしかならないんです。

ライブコマースはコミュニティを形成する

ーーそうですよね。先日もCandeeさんがAKBとライブコマースをやるって記者会見した時、僕も取材する側としていたんですが、たいていの人は男性ファンが買うものだと思って質問しているんですよね。でもそれは違う。AKBサイドは何を狙ってたかというと、潜在的な女性のファンがいるのを、掘り起こすためのトライだと。コミュニケーション性。男性向けはライブ使わなくてもうれている。一緒につくっていって、いままでにないことをなぜやるかというと、新しい女性ファンとコミュをつくって育成したいということですよね。

Candee鍛治さん:
おっしゃる通りです。AKBはすでにショールームさんでライブをやっていて。投げ銭ビジネス、ファンからコミュとりながらおひねりもらう。すごく儲かってて、多いときには1時間で600万くらい儲けている。そのライブをやりながら、秋元さんにお伝えしたことは、ライブをするならショールームでいいです。でもAKBには女性のファンがいて、総選挙とかでは上に上って来れないけど、圧倒的に女性ファンを持っている人がいる。

Candee鍛治さん:
実際、女性マーケティングとして女性に対してコンテンツを作ったり、アプリを作るというのを、AKBではできていないんです。もったいないので、僕らのライブショップって女性が80パーセントくらいいるので、そこのプラットフォームを使って、ちゃんと女性に届くものをコンテンツとして作り、かつAKBも、女性に届けていきたい、女性の中で活躍していきたい人を、AKBの中で「この指止まれ」していっている状態ですね。

rinaが語った振り向いてもらえる工夫

ーーだから、何かを売るためにライブコマースがあるというよりは、コミュニティをつくりながら、継続的に買っていただけるお客さんをどう使ってくかっていうところが、ライブコマースの真骨頂だと思う。ここを読み間違えると大変で、儲けよう、儲かるんだろうな、みたいな話をしていると根本的にずれている。だから、どうやって、ファンとコミュニケーションを作っていくか。
そこで、聞きたいのですが、rinaちゃんにとってのファンとは?


rinaさん(りなてぃー):
私にとってのファンの存在は、友達でも家族でも恋人でもないけど、この仕事をするうえで一番大切な存在。悩みがあれば、みんなに聞くとか、ちょっと迷っていることがあればみんなに聞く存在。みんなにとってもそういう存在で私がありたい。ちょっと憧れ、というよりは近い存在のお姉ちゃんに思ってもらえてるとうれしいなと思います。

ーー実際ライブやって、rinaちゃん自身はそういう仲間、ファンをどういう形でここまで形成してきた?
rinaさん(りなてぃー):
もともとサロンモデルをしていたんですが、最初はインスタで美容師さんにとってもらったデータを載せてて。やっぱり女の子って、ふわふわに巻いてもらった写真とか、すごい好きでいいねしてくれたりとかフォローしてくれる子がたくさんいたんです。でも、一定のフォロワー数になると結構飽きられちゃったりとか、全然いいねがつかなくなったり、見られる回数が減ったりして、それでどうしよう?と考えたんです。

rinaさん(りなてぃー):
そんな時に、ふわふわの巻き髪のアレンジが自分でできるようになって、ファンの子にやり方を伝えられるようになったらいいなって思いました。本当にいろんなアレンジの本や雑誌を買いあさって自分で勉強して、それをインスタで1分の動画で伝えるってことをしたらとても増えて。そういうところがみんなに求められているのかなって思います。

ーー振り向いてもらえる工夫ですね。今は『Cherish me』で商品を自分をつくる側になっていますが、何を意識して一緒に商品企画をしている?
rinaさん(りなてぃー):
一番ベースとしては、私が欲しいものということ(既に“共感”がファンとの間にあるから)。ただファンの子が欲しいと思ってもらえないものでは意味がないと思っていて、少なからずみんなに参加してもらって意見を取り入れながらやることは大事にしています。

RIZAPグループでライブコマースをやるも・・・

ーーその意味では、夢展望さんは、まさにオリジナル商品を作る立場ですが。
夢展望祖一さん:
ちょうど最近、靴とバッグを作っているデザイナーからその話をされて「メルカリ限定で祖一さんが自分で欲しいと思うもの、売れると思うものを売ったらどうか」と言われたとこで、そろそろ進みそうです

ーー本質的には、rinaちゃんと同じ流れになってきています。そして夢展望にとっての新たな挑戦になりそうですね。挑戦といえば、親会社のRIZAPグループもまきこんでライブコマースをやったという話も聞きました。
夢展望 祖一さん:
もともとはメルカリさんが「夢展望単体で8時間ぶっ通しでライブ配信できないか」っていう話がありました。1日8時間で一億円を売りたいという話で、弊社社長がそれは無理だと。そこからRIZAPグループをまきこんで、1企業1時間ずつで8時間、ライブをしました。RIZAPの低糖質フード、サプリメント、RIZAPグループでは他にスポーツ用品のアパレルとか、補正下着とか、幅広い商品で、年齢性別問わず、配信しました。

ーーさて、結果はいかに?そしてその差はなぜ生まれたんですか?
夢展望 祖一さん:
夢展望が一番売れました(笑)。それもなんですが、実際6〜7社いましたが、夢展望以外は初めての配信。ライブのノウハウは、ある程度メルカリや私のほうからも伝えていたんです。ただ、実際配信する中で、スタッフだけでは配信できないということで、テレビショッピングに出ている方を、司会に招いて配信したんですが、ライブはしたことないし、コメントがくることに慣れていなくて、コメントを無視したまま、台本通りの配信をしてしまった。お客さんはコメントがないから買えなかったり、コメントを無視したことに怒るコメントも。結構大荒れになったんですが。それでもう、コメントに答えているところが売れると。

メルカリチャンネルで夢展望が分かった事

メルカリチャンネルでのソイちゃん。メルカリの勧めで用意した、後ろにホワイトボードが印象的。自分でマネキンを引っ張り出してきて説明する等、手作り感がありながらもECの本店と変わらぬ売れ行きだそう。

ーー祖一さんはいわゆるそういうテレビ通販的なものとどういうところが違うと思ってライブ配信していますか?
夢展望 祖一さん:
実際、本当に第一回目の配信から、コメントは全部返すようにしています。意識しているのは、コメントの前にアカウント名が出ているので、それを読んでから返します。自分の名前を読んでもらった人が喜ぶし、私自身が、誰がコメントしてくれたかを覚えていられる。一週間に1回配信しているのですが、その人がコメントしてくれたら、次回も覚えているので、また来てくださってありがとうございます、というだけで親近感をもってコメントしてくれたり。コメントもそのまま読むようにしています。

夢展望祖一さん:
あとは、たまに変なコメントとかも来ますが、それにはあえて答えるようにしています。都合悪いコメントを無視すると、「都合の悪いことは無視ですかー」とかコメントがくる。都合悪いコメントこそ、軽快に返答するよう意識しています。

ー他のインフルエンサーが言っていましたが、揚げ足を取る人もいると。耐えられる瞬発力が必要?
夢展望祖一さん:
最初は傷ついていましたが「まいっか」と(笑)。うまく返すようにしています。RIZAPの配信のときも、すごい視聴者数で、大荒れの中で「行け!」みたいな感じで飛び込まされた感じで。時間もなくコメント数もすごくて、全部は読み上げられませんと言って、でも「コメント返せよ!」みたいな。慌てすぎ、早口すぎ、とか言われたり。それも全部答えて「早口すぎてごめんなさい、でも私すごくいま焦ってるので許してください!」とか。すると、相手も言わなくなったり。

ーーここに本質を見た気がします。ライブコマースに小売の原点、人と人とのコミュニケーションが垣間見れますね。だからこそ、終わっちゃいないわけで、使い方次第だということなんだと思います。ということでお時間がきました。今日はありがとうございました!(盛大な拍手)

デジタル化によって逆にアナログの大事さに気づく

 これでライブコマースにおける本質的な部分をご理解いただけただろうか。インターネット通販で売るという世界とはちょっと違っていて、インタラクティブなコミュニケーションなのだ。

 rinaさんのような、ファンと素敵にコミュニケーションとれる人たちがいて、演出するCandeeの存在があり、ライブコマースという文化ができつつある今では、メルカリなど商圏を持つプラットフォームが参入して、そこにショップも台頭するようになってきた。結果、祖一さんのように、その中で全くそれまでのお店では作れない自らの世界観を作れるようになってきたという事だ。

 これでわかる通り、ライブコマースは儲けられる魔法の杖ではなく、自分たちを伝える一手段でしかない。ただ、今までよりもデジタルでありながら、もっと身近に“人”を感じながら、自分たちを伝えられるようになったという事だ。使うも使わぬもまず自分達にお客様に伝えたいメッセージがあるだろうか、そこではないか。デジタル化によって逆にアナログの大事さに気づかされた次第だ。

(特別付録)りなてぃーがインスタ活用術なども披露してくれました。そちらは「番外編」の記事でどうぞ。https://bit.ly/2xciPHI