配達が変わる?【試してみた】クックパッドマートの置配で買物が便利に
株式会社クックパッドの生鮮食品ネットスーパー「クックパッドマート」が9月20日に正式リリースされた。
このサービスは、クックパッドとネットスーパーを掛け合わせた新サービスで、普段はECのミカタでセールスをする立場の私ではあるが、今回ばかりは興味があって体験レポート書いてみた。
私はクックパッドは普段からレシピサイトとして利用していたけれど、ネットスーパーは今まで鮮度や使い勝手が気になり、なかなか利用するまで至らなかった。しかし、その周辺の地理に詳しい学芸大学駅周辺からサービススタートということを知り、いいきっかけなので早速利用してみようと思ったのだ。
「置き配」対応で個別配送は無し
現在は学芸大学駅周辺のみでのサービススタート。
東急東横線沿いにある学芸大学駅は、駅の東西に大きな商店街があるなど買い物するには持ってこいの街。また周りには閑静な住宅街が広がり、住みやすい街としても評価されている。駅前の商店街は良く利用するのだが、ファミリー層が多く住んでいる印象。そういった点からスタート地点をこの街に定めたのだろう。
まずはアプリをインストールし、開くと利用方法の説明の後に受取先を選ぶ画面に。今はまだ2店舗のみの選択なので、近所の「カクヤス学芸大学店」で受取指定をした。
クックパッドマートの特徴は、家までの配送では無く「置き配」としてクックパッドと提携している指定店舗で受け取れる。消費者としてこれは非常にありがたい。というのも家まで届けてもらっても日中はどうしても受け取れないし、帰り道に受け取って持ち帰れるのは便利だ。
また送料無料なのだが、これも「置き配」にすることで実現できるのだろう。
料理を注文するように食材が選べる楽しさ
受取場所を選ぶと早速商品検索画面に。
まだまだ取扱い食材は少ない印象だったが、肉、野菜こだわり生鮮食品が掲載されている。
また個人的にすごく使いやすいと思った部分は、食材とレシピと連動しているということ。
ここがまさにクックパッドの強みでもあると思うのだが、普段スーパーによって買い物をするときは自分が食べたいと思ったものレシピを調べてから、もしくはスーパーに付いてから目に留まった食材で自分がつくれるレシピを思い浮かべながら買い物をする。
しかしクックパッドマートにはページの上部に「まとめて楽々注文セット」というカテゴリがあり、レシピと金額、食材がまとめて掲載してある。私は今回「鶏むね肉となすとピーマンの甘酢あん」のページを見て注文をしたのだが、正直今まで甘酢あんの料理なんてしたことが無いし、ふと食べたい!と思ったことも無い。笑
ただ、食材とレシピが記載されていることでそういった新たな手料理レパートリーが増えるのだ。
産地直送で出荷当日に受け取れる
ということで注文したのは全3品。かごに入れると決済画面に飛び、クレジットカード情報を入力し決済完了。
注文情報はアプリ内のチャットで確認できるようになっている。当日になると配送時間のお知らせと。受け取り方法の通知が届く。メールだと見落としてしまうことも多いのでリアルタイムで、アプリから通知が届くのはありがたい。
そして当日、仕事を終えた私は受け取り場所に向かった。(20:00頃)提携店舗のカクヤスは22時まで営業しているので帰りが遅くなる人でも利用しやすい。
実際に商品を受け取ってみた
ようやく受け取り店舗に到着。入り口入ってすぐのところにクックパッドマートのコーナーがあった。大きな看板が立っていたのですぐ見つけることができた。特に店員さんに声を掛けるなどの必要はないらしく、そのまま食材を回収していく。自分の注文商品の探し方はアプリで商品番号を見ながら、同じアルファベットのカゴから食材を見つけていくという至ってシンプルな方法。食材にはラベルも貼ってあるので分かりやすかった。
コーナーにはクックパッドマート専用のビニール袋や保冷剤、個別包装用の袋まで用意してあるのでエコバックなど準備して行かなくても大丈夫だ。また商品を受け取ったらアプリ内で「受け取った」ボタンをクリックすれば終了。
またここが提携店舗のメリットなのだとは思うが、ついでに何か買っていくかなという気持ちになる。もちろん事前に決済した上で商品は受け取りに行っているのだが、ただ店舗内で商品を袋に詰め込んで帰るというものなんだか気が引ける。ECサイトのコンビニ受け取りなどでもついなんか買ってしまうのでこうした消費者心理をうまく利用しているのだろう。結局わたしは晩酌用にビールを購入した。
地域密着で食材を販売している事業者のEC参入の可能性と「置き配」の浸透
初めてクックパッドマートを利用してみたのだが、非常に便利だった。そこまで料理が得意ではない私でも、受け取った食材でレシピをみながら簡単に人生初の「甘酢あん」を美味しく作る事ができ、料理レパートリーも広がった。
今後、どんどん受け取りできる店舗と受け取れる食材が増えていけば、便利だなと率直に感じた。
クックパッドマートでは出品農家や店舗は週2回の集荷に対応するという形になっており、なかなか自社ではEC参入ができない、などと考えている地域密着型の精肉屋さんや農家さんでも、こうしたクックパッドとの連携でEC参入しやすくなるのではないだろうか。週に2回の集荷なので大口のお客さんが店舗まで買いに来るのと店舗側の仕組みとしてはほぼ同じだ。
また既にECを運営している店舗にとっても、今再配達問題やそれに伴う送料の値上げなどで少なからず影響を受けている事業者は多いと思う。こうした「置き配」が世間に浸透していくことによって、今後の商品受取のあり方も変わっていくだろう。