中国ECをリードするJD.comが、日本に続きタイと韓国でも拠点を構築

ECのミカタ編集部

京東韓国事務所設立式典に出席した参加者(同社資料より、以下同様)

中国市場を牽引するECサイト「JD.com(京東商城)」を運営する中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年9月20日、日本に続き韓国にて購買センター「京東韓国事務所」を設立しました。また2018年9月28日、タイのセントラルグループと共同運営するECサイト「JD CENTRAL」を正式オープンしたことを公表した。

京東集団のアジアでの拠点構築が着々と進む

現在、タイや東南アジア地区では目覚ましい経済成長が続いている。JD.comでは、今回の「JD CENTRAL」正式オープン、京東韓国事務所開設により、京東の同地域における小売市場への影響力もより一層高まると考えているようだ。

すでに子会社のあるインドネシアでは、ECプラットフォームによる現地業務を展開中であり、ベトナムにおいては、ベトナム大手ECサイトのTikiと共同で戦略的投資を進めている。

JD CENTRALの現地スタッフ

JD CENTRALの配達車

好調なタイのECサイト「JD CENTRAL」

JD CENTRALは直販モデルとプラットフォームモデルを兼ね備えたECサイトだ。同社では、2018年6月18日よりタイで試験運営をスタートして以来、予想を上回る売上を記録してきたとしている。

取扱商品はデジタル商品、ファッション、家電、書籍、音楽、日用品など幅広く網羅しており、最も人気の商品は、スマートフォン、食品、ファッション、日用品などで、これまでにユーザーの約80%がスマートフォン経由でアクセスをしている。その上で、JD CENTRALの正式オープンにより、今後京東は3~5年で1000億タイバーツ(約3527億円)以上に相当するタイ製品の購入を目指す。

現在、JD.comはタイ全域に自社物流のネットワークを確立しており、また今年末までには倉庫を5つまで増設する予定だ。JD.comはこれ以前にもタイに最新鋭のスマート倉庫物流センターを建設しており、入庫、仕分け、運輸、配達などを一体化させたサプライチェーンサービス体系をタイに構築している。今回のJD CENTRALでは地元の配送サービスプロバイダとのパートナーシップを通じ、タイ全域にサービスを提供するとしている。

韓国でも購買センター「京東韓国事務所」を設置

韓国でも購買センター「京東韓国事務所」を設置

京東韓国事務所は京東日本に続く、現地での商品買付けを目的とした第二の海外オフィスだ。韓国には化粧品、ベビーマタニティ用品、ヘルスケア商品、コンピューター・通信・家電の3C商品など、京東のユーザーから注目される商品が多く取り揃えられている。

京東韓国事務所では、韓国ブランドにさまざまなノウハウ提供や取組みなどをサポートし、ブランドに適したマーケティングサービスを提供することにしている。また、京東韓国事務所ではより多くの韓国製品を買付けすることに重点を置き、買付け規模の大幅拡大を目指す。

世界的なECプラットフォーム構築に向けて突き進むJD.com

同社も述べているようにアジア地域は世界的にも稀な高い経済成長をとげている国や地域がひしめき合っている。名実ともに中国のEC市場を牽引している京東集団は、その成長著しいアジア市場を押さえるべく、着々と拠点を構築している様子が如実に伝わってくるニュースとなった。

JD.comは、こうした施策を通して、その活動エリアを中国国内でなく、アジア地域に広げることによって、世界的なエコシステム構築に向けた階段を一歩一歩上っているとも言えるだろう。その留まることを知らない勢いが日本のEC市場にもどのような影響を与えていくのか、今後の動向についても引き続き注視していきたい。

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