ワールドとTSIがファッション物流の効率化のため共同配送を開始

ECのミカタ編集部

株式会社ワールド(本社:兵庫県神戸市、代表取締役 社長執行役員 上山 健二)と株式会社TSIホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長 上田谷 真一)は、9月から、同じ館内に出店している両社のブランドの店舗を対象に納品を一元化する共同配送を開始した。

対象エリアとチャネルは関東1都6県

今回、両社による共同配送の対象エリア及びチャネルは関東1都6県の駅・ファッションビル、ショッピングセンターの39館から開始し、徐々にエリアを拡大していく予定となっている。物流面において、両社はこれまでも、各々独自に物流センター内業務のほか、配送、納品のコスト削減や効率アップを目指し、様々な改革に着手してきた。

独自に進めてきた効率化を共同でおこなう

独自に進めてきた効率化を共同でおこなう公開資料より。

ワールドは、一昨年、千葉県船橋市に「ワールドディストリビューションセンター(WDC)」を開設し、ショッピングセンター業態を中心とした物流拠点として、物流業務の最適化を図っている。また、TSIホールディングスは、生産・物流の機能子会社である株式会社TSI・プロダクション・ネットワークを起点に、各事業子会社の物流改革を進めている。

これまでそれぞれが独自に進めて来た物流の効率化に関し、企業の垣根を越えた柔軟な発想と経験をもって連携することで、より効率的で安定的な物流体制の構築を目指す方針だ。また、輸送効率を改善することで物理的に走るトラックの台数を減らし、環境保全への対応にもつなげるという。これらの施策により、ドライバー不足という物流業界共通の課題も緩和でき、結果として高騰する物流コストの抑制を目指す。

物流プラットフォームの構築を企図

両社では、今回の取組みを皮切りに同業他社の参画を促し、ネットワークを拡大することで、ファッション業界における物流プラットフォームの構築を企図することにしている。

活況を呈するEC市場をリードするファッション分野だが、大手ファッションメーカーやブランドを中心に自社物流網構築や強化をする動きが活発となっている。今回は有力な2社が提携を通して物流の効率化を図るニュースとなっているが、昨今の競争の激しい市場において、ひっ迫する物流のラストワンマイルの現状を見すえつつ、市場全体で同様の動きがさらに加速することになりそうだ。

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